indigo la End「幸せな街路樹 」

私には、人生のテーマソングのような、特別な曲がある。

indigo la Endの「幸せな街路樹」。

この曲のテーマは、愛?生死?それとも、自然とか、地球とか、宇宙とか、もっと壮大なものなのかも…?

きっとそのすべてが正解。

この曲の歌詞に登場する言葉をいくつか拾って考えていきたい。

「雨」

この曲の「雨」は、「街路樹」に恵の雨を降らす存在である。一方で、「君」をさらっていく少しマイナス的な側面も持っている。つまり、「雨」は”与える”存在であり、かつ”奪う”存在でもある。

私はこの特徴、神様みたいだなと思った。神様は私たちに自然の恵みと脅威の両方を与える。
天から降ってくる恵みの雨が、この曲では、神様がもたらす運命の比喩として使われている。

「何か壊れてまた愛になった」

この歌詞を読むと、壊れるまで愛に気づけなったという虚しさが、感情の波となって押し寄せてくる。運命を前にして、私たちはいつも大切なものを見失ってしまう。そうだよな、この世界って私たちってどうしようもなく絶望的だよな。

「意外とこの世界は救いがあるような気がするんだ」

それでも、絵音さんは「救いがある」と言ってくれている。なぜだろうか。 

「奪い合う醜い僕らも与えられていて与えてもいて」

この言葉に私たちはどれだけ救われるだろうか。

川谷絵音さんの曲は暗い曲が多いけれど、最後の最後に少しだけ明るくなる曲が多い。一度この世界の見たくない部分を見せた上で、それでもまだこの世界が美しいこと、まだ私たち人間が美しいことを教えてくれる。

「少しだけ 胸に手を当ててみて 心が動いているでしょ」

私たちは、今この瞬間を生きている。その命の美しさだけは、絶対的にここにある。

止められない兵器と命の交換。人類は、沢山の生命を無駄にしてきた。でも、これからはその代償を払っていかなければならない。払っていきたい。

与えられたこの命をどう使えば、もっと”与え”られるだろうか。

命のろうそくが燃え尽きる瞬間、私は十分に与え、与えられたと思いたい。いつからか、それが私の生きる目標になった。
全く具体性のない目標だけれど、それさえ忘れなければ私が大きく道を外れることはきっとないだろうと思う。

幸せな街路樹を植えてさ、あなたも与えて

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