志布志市のコスモスロード

ほーら見えてきた今年の花の舞踏会

こんにちは 今年も咲いたね
あなたは元気だったかな
秋風が時々波のような拍手を贈る
駐車場に着くと日に焼けたおじさんが顔をくちゃくちゃにさせて笑顔で迎えてくれた
何持ってんだい

へへへへ
アイパッドでーす

おじさんは驚いてまた笑った
そしてもう一度私に声をかけた

え？
風に吹き消されて何も聞こえなかった
私は聞こえたふりをして先を急いだ
許された時間は短い
今年の恋人は今年にしか会えない

小さな子どもが母親に連れられて花畑入っていく
彼がしゃがむとまるで天使のようだ

ひがさをさした少し年配の夫人は土手に腰かけいつものおしゃべりを始めた
向こうにそびえるのは豊かな山々
コスモスロードの脇には白いそばの花も咲いている
ああ今日は秋日和いい日だね
モンシロチョウの後を追いかけるようにアイパットおばさんは先を進む

カメラはおもたい 大きい
それでも撮りました
いろんな角度でね

あれ あそこにも道がある
途中で行き止まりになってる不自然な花畑の小さな道
足元に花が踏み倒されている

おいおい なんだなんだ
どこのどいつがこんな汚い道を作ったんだ
いつもならおいしい野菜を作ってるあのおじさんたちがみんなの笑顔を見るために特別に作ってくれたまごころを
とんでもない野郎だ
私の中の短気な親父はカッとした
そんな奴のカメラなんか壊れてしまえ
お前の眼に映るものは全て可憐な花ばたけさえかわききった砂漠にちがいない

ためいきを青い空に向かってはきだしながら
バーカやろうとつぶやいた
青い空はどこまでも透き通りそんな怒りさえ吸い込んでいく

もう少しここにいたいんだけどそんな気持ちを抑えて会いパット😅おばさんは花畑を後にした

帰りの車をおうように風が静かにつぶやいた
彼がいたずらに吹き消した
そう
あの おじさんのこ と ば
もう一度叫ぶよ

かわいい花を踏まないでおくれ！

秋桜祭りの本番は明日
いい天気になればいいねおじさん
オット わすれてはいけないね
今日はありがとうございました