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合気道家と柔道家の乱取り実況中継


状況設定

合気道家

性別:女性
年齢:45歳
職業:プロの合気道家(師範)
武道歴:合気道六段、柔道二段
得意技:入身当て、入身突き、下段当て、後ろ当て、小手返し、隅落とし

柔道家

性別:男性
年齢:30歳
職業:会社員
武道歴:柔道三段
得意技:内股、小内刈り、小外刈り、送り襟締め、腕挫十字固

乱取りの場所

屋内柔道場

ルール

金的および目に対するは攻撃はなし
当身技および関節技はあり(関節技は相手が参ったをしたら技を解く)
時間は5分間

乱取り開始

実況中継

柔道家が、右手で合気道家の奥襟をつかんできました。

合気道家は、柔道家が奥襟をつかむや否や、頭を相手の右腕を潜るようにして左に振り、相手の右手を自分の首の右側に移し、そのまま右手親指と人差し指で柔道家の右手甲を逆手に握り、逆手取り小手捻り(二教)に取りました。

つづいて合気道家は、身体を右にひねりながら、左手刀にて柔道家の右肘をひねりつつ前方へ押し倒し、左足を踏み出しました。

さらに、合気道家は、右足を一歩前に出しながら、右手の逆手取り小手捻り(二教)を膝の上に固定し、左手刀にて柔道家の右肘の上より圧迫してうつ伏せに倒し、右手にて柔道家の肩口の方へ力を加えつつ捻りを効かせます。

柔道家は畳を叩き参ったの合図をしました。これで、合気道家の一本です。

引き続き、乱取りが行われました。

まず、合気道家が右足を一歩出すと同時に、左手で柔道家の顔面に当身を入れつつ、右手で柔道家の左手を取りました。

柔道家は、思わず仰け反り、反射的に右手で合気道家の当身を防ぎました。

合気道家は、その隙に柔道家の左腕を上げ、左足を一歩大きく出しつつ、
柔道家の左腕を潜るようにして、身体を右に回して柔道家の左腕を順手取り小手捻り(三教)に極め、さらにその腕を袈裟斬りにするように振り下ろし、柔道家を空中で一回転させて投げ倒しました。これで、合気道家が2本目も取りました。

乱取りはまだ続きます。

柔道家が、合気道家の左前襟をつかみ、すかさず右袖をつかみました。

合気道家は、柔道家がつかんできた右袖を反時計回りに回してそれを振り切ろうとしました。

その時に合気道家の重心が左足に移ったところを、柔道家が右足左足と継ぎ足で合気道家の左に回り込んで、同時に合気道家の左前襟をつかんだ右手を下に引き、右足で合気道家の左足を小外刈りに払い、合気道家を空中に浮かせ、さらに畳に叩きつけました。柔道家の一本です。

さて、乱取りの続きとなりますが、ここで残り時間は、あと30秒足らずとなりました。

柔道家が合気道家の左奥襟を取りに行きました。

柔道家は合気道家に当身のチャンスを与えないように右手でつかんだ左奥襟をギュと引きつけ、さらに左手で合気道家の右袖をつかみました。

それに対して合気道家は、左手で柔道家の右肘辺りの袖をつかみ、右手は柔道家の左袖をつかんでいます。これはちょっと変則の組み方です。

柔道家は、左回りに回っています。一回、二回、三回目を回ったところで、内股を放ってきました。

合気道家は、柔道家が回るのに合わせて回り、その3回目に入るちょっと手前で、右足を一歩大きく前に出し、腰を右に捻って、柔道家の内股をすかすようにして、右手で柔道家の左袖を円く引き、左手は柔道家の右肘をこれも円を描くようにして左右の寓力で柔道家を空中に放り投げました。柔道の隅落とし、別名空気投げとも言われている技です。合気道にも隅落としという名前で同じように相手を空中に放り投げる技があります。原理は同じだと思われます。

ここで、ちょうど5分となりましたので、この乱取りは終了となりました。ではまた。



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