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7回目は異動した支店での7年間の話

4月までに8回の予定で書き始めましたが、4月中に8回に変更します。

昇格して、異動になった支店では、今までと同じ名前の部署なのに仕事の内容が全然違っていました。

数字の管理や名簿の管理や、広告の仕事、店内装飾の仕事、イベントの準備や実施、なんでもかんでも全部やることになって初めて分かったのが、今までの14年間の仕事は本当に偏っていたんだなあということでした。

組織が大きいと当然社員も沢山いますから、一人ひとりが担当することが細分化されて、その中で専門性を深めすぎるとこういうことになるんだなと、身をもって実感しました。

そして、自分よりも年上の人とばかり仕事をしていると年相応な責任感を身に着けるのが難しいということも身に沁みました。14年間で後輩と呼べる人は一人しかおらず、新しく同じ部署にくる人たちはみな年上で、仕事を教えるといっても気を遣う環境でしたし、もういい年なのに、ずっと若手のままでしたから、新しい職場で急に中堅社員として、そして管理職としての自覚を持つのに少し時間がかかりました。

そして、昔の自分を見ているような生意気な後輩に悩まされることになりました。因果応報。何を言っても反抗されました。整理整頓が苦手な私の机を、連休中に勝手に片づけられ、資料を勝手に捨てられたこともありました。さすがに私も生意気ではあったけれど、こんな暴挙には出なかったなと、驚きました。世の中にはいろんな人がいるものです。誰かを変えることは容易ではないので、自分を変えるしかないとわかるまでは、かなりストレスを感じました。

素直で面白い後輩もいて、仕事を色々教えられたり、落ち込んでいるところを助けられたり・・・考えてみると人との出会いがなにより一番、この人生での収穫です。

一人で読書部を立ち上げて、おすすめの本を相手に合わせて紹介するというおかしな活動をしていました。なぜそんなことを始めたのかというと、当時一緒に働いていた、若い人の中に、「てにをは」がものすごく怪しい人がいて、間違いを指摘してもしてもわかってもらえず、これはまず、本を読んでもらうしかない、と思ってのことでした。始めてみると、その人はどんどん本を読むようになり、いつの間にか読書家になりましたい。その人以外にも読書は嫌いではないが、何を読んだらいいのかわからない、もしくは、買ってまで読む気にはならない、という人が複数いて、どんな本を読んできたのかとか、どんな映画を観るかを聞いて、その人の性格とか、雰囲気とかで、本を選んで勧めていました。感想を聞いたり、またそこから次にお勧めする本を選んだり、そういうことがとても楽しくて、何年か続けていました。有川ひろさんの本や、村上春樹さん、村上龍さん、塩野七生さん、宮部みゆきさんなど、本棚の前でいろいろ考えて、毎日本を持って通勤していました。今考えると、ちょっと変な人でした。

この頃一番聴いていたのはELLEGARDENでした。そもそも、矢野顕子さんがコンサートで、「右手」をカバーして歌ったことでその存在を知ったのですが、なぜかどの曲を聴いても、中学生のころのような訳の分からない切なさに胸が苦しくなるという、未だに理解できないはまり方で、毎日毎日通勤電車で聴いていました。細美さんの声?歌詞?何?もうとにかく好きでした。ライブとかに行く勇気はなく、ラジオにメッセージを送るでもなく、ただひたすらに聴いていました。「MISSING」が今でも好きです。

歳の割にしっかりしている人と、歳の割に頼りない人の差はどこから来るのか考えているのですが、踏んだ場数なのか、経験した苦労なのか、生まれもった性質なのか・・・28歳くらいまでは、年の割にしっかりしている人だったのですが、最近ではもっぱら頼りない人です。生まれつきではないってことですね。そういえば20代前半からずっと28歳くらいに見られていましたがその後も38歳くらいまでずっと28歳くらいに見られていました。これって内面の成長が外見にも影響しているということかも知れません。

今ではもう外見は年相応になりましたが、中身はどうだろうと考えると自信がありません。というか、年の割にしっかりしているっていう表現は若い人にしか使わないですね。そもそも。

次回はこの支店から別の部署に異動した後の10年について書きます。

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