奨さんの歌声が好きなそれだけの話。
私と音
突然だけど、私は與那城奨さんの歌声が好き。
彼のくれるアイドル像とか、人柄とか、
かっこいいダンスとか、綺麗だなと思うお顔とか、
表情とか、言葉とか、どれも全部大好きだけど、
私は彼の歌が一番に大好き。
私はアイドルにハマるのも初めてだし、ダンスとか歌に知識があるわけではないから、「ここがこうだから好き」とか「こうできるのが好き」とかは言葉にできない。
ただ、いつでもそばに落ちていて、いつでも好きな時に拾っていいよと言ってくれるような、側にいてくれる奨さんの歌声がとても好き。
毎日JO1の曲を聴いて、奨さんのパートが来るたびに「大好きな歌声だなぁ」と思う。
大好きなJO1に、大好きな人の歌声があって、それが私の人生に横たわって彩ってくれる歌であることが本当に嬉しい。
そして突然だけど、私は突発性難聴だ。
去年の夏前、耳鳴りがするなと思って病院に行ったら、そう診断された。
聴力検査をしたら下がっているとも言われた。
帰りに薬をもらうために寄った薬局で、あんな薄いビニール一枚の先にいる薬剤師さんの声が聞こえなくて「ごめんなさい、全然聞こえなくて」って聞き返した。
会社は一週間休んだ。ずっと寝てた。
安静にするしかなくて、でもどうしていいかよく分からなくて信じられないぐらいずっと寝っ転がってた。
336時間、私は音を聴くのをやめた。
気づいたことがある。
まず音無しでYouTubeをみると、全部にテロップがついてる動画がすごく楽しいと言うこと。
ものすごい編集が大変なのは承知の上で、ものすごくありがたかった。
世界はどんな時も音にあふれていると言うこと。
何も聞かない方がいいと言われても、しんとした家にいるだけで周りはずっと音に包まれてる。
そして、ふと漠然と、このまま聞こえなくなるかもと不安に駆られると言うこと。
これは今もある。
二週間。336時間。
排除できる音は全部排除した。
大好きな奨さんの歌声も。
動画で話してるだけなら音を消してたって楽しめるのに、歌ってこんなに残酷なものだったんだなってちょっと思った。
ダンスなら見てるだけですごくかっこいいと思えるのに、歌って聞こえないとなんの力も持たないのかと思って泣きたくなった。
いままでずっと自分のパワーにしてきたものが、その時の私にはなんの意味も持たなくてすごく悲しかった。
多分200時間はそんな気持ちでいた。
もっとかも。
体感は10000時間、そんな気持ちだった。
歌の力
二週間経ったらまたきてくれと言われてたその前の日にBack Doorのプラクティスが公開された。
どうしても見たくて再生した。音はなかったけど、奨さんが本当にかっこよくてばちばちに決めてて嬉しかった。
きっと絶対歌も大好き。
多分、ここで「聴きたい」が「聴けない」に勝った。
私は奨さんの歌声が聴きたい。
こんなわけわからんことで、大好きな奨さんの歌声を聴けなくなるのは悔しい。
歌は聞けないと残酷なものだと思った。
歌は聴けないと力を持たないと思った。
けど、奨さんの歌を聞きたいと言うその気持ちは、ものすごく力になった。
多分、これまでに奨さんがくれていた全部が、力足るものだと知ってたからだと思う。
奨さんの歌を聞きたい、JO1の歌が聴きたい。
明日、聴いてもいいと言われたら、最初に何を聞こう。
馬鹿みたいに単純なこと考えてたら、10000時間分凹んでたことはすごく昔みたいなことみたいになった。
次の日、病院に行った。
聴力検査をした。お医者さんが聴力回復してますって言った。
黒の四角で結ばれたデータをもらった。
見ても詳しくは分からなかったけど、回復したことが嬉しかった。
他の症状は順々に治していきましょうって話になって、また薬が出た。
帰り道は薬が入ったビニールをぶら下げながら歩いて帰った。
人通りも車通りも少ない家まであと少しのところで、Spotifyを開いた。
家に着いたら聞こうと思ってたけど我慢できなくて二週間ぶりにイヤホンをした。
何を聞こうかものすごく迷ったけど、「飛べるから」にした。
奨さんの歌声が私を幸せに引き戻してくれた思い出のある曲だったから。
「ひとりひとり 違う音色
奏でて時に ぶつかるけど」
336時間ぶりに聴いた、奨さんの歌声。
嬉しいのか、なんなのか感情がぐちゃぐちゃになったのだけ覚えてる。
これ。これだ。私が一番好きなのは。
私が一番に幸せだと思って、私が一番に生きる力を得られるのは。
奨さんの歌声を聞いてる時だ。
「どうしようもなく 続いていく
この道をさあ歩こう」
本当にどうしようもなく、この人の歌声が好きだ。
そしてその歌声を聞ける。
4分56秒。
しんどくて悲しくて過ごした時間に少しも足らないのに、そんなの全部吹き飛ばすぐらい幸せな気持ちになった。
たった、5分もないこの時間で、こんなに幸せになる程、JO1は私の力になっていて、奨さんの歌声は私のパワーになっているのかと思うとそれすら嬉しかった。
その夜、With UsのMカのチッケムが上がった。
消音にしてたのをひとつだけ音量を上げてみた。
全部、もうこれに尽きる。
最高だった。
全部が楽しめる、大好きな人のパフォーマンス。
世界一のパフォーマンス。
ダンスと、歌と、奨さんのステージ。
全部が私の力になった気がした。
奨さんの歌声
私は奨さんの歌声が一番好きだ。
側に落ちた奨さんの歌声を拾うのが好き。
奨さんの歌声は、どんなときでも、ものすごいエネルギーをくれる。
どんなに遠くに居ても、何より力強く優しく、何よりも大きな存在で、宝物。
私は突発性難聴だ。
今も耳鳴りは止まないし、真正面からじゃないと音が拾えない時もある。
歌なんて聞いてられない日もある。
ハイタッチ会の日、アクリル越しの奨さんの声はきっとちゃんと届いているよりも小さく聞こえた。
それでもね、そうだとしても、奨さん。
あなたが歌を好きだと言う限り、私は一生、あなたの歌声が一番に好きだと思う。
ありがとう、私の人生を彩る音をくれて。
わたしが、諦めかけたり、苦しい時にパワーになってくれて。
聞きたいと言う気持ちで私を救う歌声を届け続けてくれて。
私は、本当に奨さんの歌声が世界で一番大好き。
この耳が持つ限り、私はあなたの歌声を聞いていたい。
奨さんが歌い続けたいと思う限りの時間を、目一杯に側にいられたらと思う。
そう思うぐらい、奨さんの歌声が好き。
一番に、大好き。
ただそれだけの話。
10/Mai/23