「search light」

その光を重んじて
手放したのです

手放し
光絶えるとは
思いもよらず

それは
命だったのです

search light

その光が無くなり
宙を漂い、駆け

呼吸する方法にさえ
疑心した頃
命の危険を知り
逆らい受け入れ
受け入れて
毒を深く吸い込むと

やはり
その光は
また私の視界を
照らしていたのです

死と生きる光は
私を吸い込み
手放しはしないのです

裁きを受ける安堵を
私はそうして
知ったのです

search light

絶対的な制裁さえ
溜め息ひとつで
終わらせるような

私はそうして
私の罪さえ
光には存在しないと
思い知らされ

手放した光に
抱かれながら
また呼吸したのです

私は
光の落し物のように
また光から
離れてしまわないように

その光を重んじて
私は私を
手放したのです