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ケアプランデータ連携システムを採用したけど見送ったはなし

福祉事業を経営する人、さらに実績や国保連合会請求まわりの作業に従事する人にしか関係ないのですが、ケアプランデータ連携システムというサービスがあり、それを当社で採用したけど見送った話を報告します

そもそも:ケアプランデータ連携システムとは
非効率と指摘される福祉業界全体の効率化底上げの為国をあげて頑張って作った制度
国の人もITに詳しくないし委託された業者さんも言われるまま作ったので使いやすい要素は一切存在しなかった

一旦採用した理由

ケアプランデータ連携システムは制度が出るよと告知されていた段階から予想はできていたのですが、食わず嫌いはしないようにしているわたくし、一旦は導入して1年ほど運用してみました。
結論として2024.3末で運用を終わらせますし、各居宅さんには今月末正式に報告します

採用したのに不採用にした理由

  1. 費用対効果が低い
    21,000円/年の費用の割に採用している事業所さんは当社の居宅さんで約0.6%でした。2024.3時点でも1%未満。この理由は費用的に導入が難しいからではなく、単純な他の理由があると考えるのが妥当です。民間の居宅さんならまだしも、包括支援センター様のほとんども不採用のままということ自体、国が音頭をとっても採用しづらい理由があると考えるべきです

  2. ローカルインストール方式
    これだけクラウドだと言われてる現代において、パソコンへのインストールを強制されます。
    ほとんどのサービスはクラウド上にある当社は、実績作成もクラウド上で作成、署名後の資料もクラウド保管、実績送信もクラウド上からクラウドFAX、受信は社内複合機ですが受けたデータはメールでクラウド上から確認可能、受信FAX番号もクラウド用03を確保済。FAXが不便なんじゃなくてFAXの不便を解決するクラウドサービスが出た時点でFAXは絶滅する必要はなくなっていた・・・。
    なのに、ローカルへのインストールが必要としています。おそらく理由は私よりもずっと賢い方々が考えたセキュリティ的な理由でしょう。みなさんはGoogleサービス最近ログインし直したた記憶有りますか?日本のサービスは世界標準と乖離があるんです。

  3. パスワードを2重に求められる+短時間でログアウト処理
    起動すると事業所用のID/PWの入力に加えて、運用ユーザ用のID/PWの入力を要求されます。もちろんソフトウェア上のテキストボックスなので、Googleパスワード管理は動かないし、結局控えておいた資料からコピペするんです。
    実務的になんどもなんどもパスワード要求されるのはつらい。
    だって、同時並行で0.6%以外の残り99.4%の事業所さんにはクラウド上からFAXでバシバシ送信できているんですから。

  4. 送信画面が使いづらい
    アドレス帳は無く、もちろんクラウドなども無く、都度手元の控えを開いて、コピペでシステムを運用。
    システムを使っている事業所一覧を開いて(自社クラウド)、その事業所の番号を開いて、定型文を開いて、わざわざシステムにデータをしたためて送信。「なぜこれ使ってるんだっけ」という気持ちになります。

  5. 費用対効果を謳う
    先日各居宅さんにも届いたと思いますがこの運用元様から「費用対効果凄いから継続しよね」という念押し文章が届きました。
    ほぼテレワークの下地がある当社においては、このシステムを採用するせいで従業員がテレワークできなくなるのつらいです。

結論:当社は今月末をもって一旦見送りとなりますことをご報告いたします

大変積極的に試行錯誤されている厚生労働省には感謝しております。当社のような少人数で効率化が必要な事業所の場合本システムはかえって効率化のボトルネックとなることが(1年間の実証実験の結果)分かりましたのでご報告いたします

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