デジモンマンガ大賞の準大賞、デジモンブルーム-電子の花は散るか- 作:鳳轡わが様がめちゃくちゃ面白かったので感想を書いたのノートです

タイトルまんまです。

では早速感想に。

デジモンブルーム -電子の花は散るか-

これまず発想がヤバくないですか???
デジモンが登場する漫画を描いてください!
→人が運営するデジタルワールドから電子媒体を介してリアルワールドにデジモンを"召喚"できるアプリという設定で、そのサ終の話を描こう!←!?!?!!!!??!!!!?!!?!!??!!??!!、???、!?!、?!!!?


すごすぎるだろ 脱帽じゃすまん 脱髪
デジタルワールドを人間の管理している世界って発想にしているのが目から鱗 
だってこのインターネット無限大航海の時代にデジタルワールドの広さを制限、管理する真逆の思考を見ると「っぬ!?っのぁっ、ヴォア?」みたいな原始生物しか出さんような声の戸惑いを感じました 


この発想に至るまでのことを考えるとあくまで私の想像ですが、作者さんの描きたかった強固な信頼関係のある人間とデジモンの別れシーンを描くには、どうしようもない第三者の力を発生させざるを得なかったんだと思います。

でもデジモンはインターネットさえあれば生きていくことができるし人間も居場所があれば大丈夫。そもそも人間側の滅亡にまで話を広げるとフォーカスがずれそう、でもインターネットの崩壊も同じく広すぎる。

ならテイマーズのように封鎖という形にしたとしても、セイバーズみたいにうるせぇ!一緒にいれば良いじゃん!俺は行くぞ!!的発想で無問題にされたらお話にならない。どうすりゃええねん。積みや積み。に普通はなると思うんですけど


こっから、それならデジタルワールドを閉鎖的空間にした上で運営が存在するサービスという形にして、その維持を不可能にしたら離れ離れにならざるを得ないよねっていう発想が本当にすごい マジで
これどれだけ時間と精神を費やしたら生まれるアイデアなのか、想像すら難しい 


すみません話が逸れました 戻ります


サ終に伴ってララモンと過ごす日常が無くなる、という絶望に追い込まれる主人公。でも当のララモンは今そこにいる主人公と楽しく過ごすことに夢中。それに連られて主人公も…っていう、彼女達二人がいることで幸せに溢れている日常の描き方がめちゃくちゃ滑らか。



二人の出会いがデジヴァイスicなのもセイバーズへのリスペクトを感じるし、そこで登場してたデジモンカードもicにタッチする別売りのカード(調べても名前が分かりませんでした🙇)っぽさもあって当時を思い出しました。
いやでもここの楽しい思い出の花が咲きながらも散っている描写が後の伏線とは思えるわけ無いですやん!!!!!!!!!!!!!(宮川大輔)


それにあの、ララモンが一番最初に話す内容、育ててくれた感謝とあなたと話がしたかったなの、マジでデジモンと生きた方だからできる発想だと思うんですよね デジタマから育てて、少しずつ愛を育んで、成長期で細かなコミュニケーションができる嬉しさ、これマジでめちゃくちゃ膝を打ちました グラニの最後も思い出すでしょこれは!!!!!!!


あとその後の現実を直視する場面のネットの声がテイマー掲示板なのも原作リスペクトと共に個人的にもめちゃくちゃ懐かしかったです、確かトプ画がブイモンのデジモン掲示板ってサイトがあったんじゃよ…(インターネット老人会


そしてなんとかデジモン、というかララモンと生きるために奔走する主人公。運営会社のスタッフの「もうオモチャなんか卒業しなきゃの年でしょ!?」←オタク(デカ主語)を○すな~~~~~~~~~~!!!!!!!!!!
いやでも、ここらへんの描写でデジモンはあくまで世間から見ればオモチャで、デジモンのサ終は世界にとってほとんど不利益がないような現象だって分かるんですよね

いやここらへんソシャゲのサ終はもちろんだけど何かの終わりに立ち会った人なら誰しもが胸締め付けられるだと思います 自分にとっては世界が壊れるほどの衝撃が起こっているのに、世界はそれに見向きもせず同じように時間が進んでいく、あの現実っていうとてつもなく普遍的な理不尽を押し付けられる気持ち 

そんで元スタッフさんの(恐らく)パートナーデジモンがクルモンなのももう!!!!そんなん激熱大人当事者視点サイドストーリーですやん!!!!!(宮川大輔)になってしまう 
そして途方に暮れる主人公…


ここで!!!ここでインフェルモン!!!!←いや~~~~~~~~~~~~~~~キャスティング、ニクすぎ!!!!!!!!!8億点!!!!!!!!!!!!ネットワークに侵入できますもんね君!!!

インフェルモンの発言、嘘を吐いてなくて誇張してないギリギリのラインなのがホントにタチ悪くて最悪(最高)
生まれた時から無限大なデータの怪物、いや耳に残る あと関係ないけど涙目のクラモン、めちゃくちゃ可愛い

崩壊していくデジタルワールド、ここで真っ先にみんなを守ろうとするウォーグレイモン、個人的にXのウォーグレイモンみがあって大好きです

そんな中ララモン、マジで現象を理解してなかったっぽい感じ。もしかしてサ終を知ってたけど嘆く時間がもったいないからあえての知らん振りなのかもと思ってましたが、ガチで知らんかった模様。

そして、ここでインフェルモンのネタばらし。データの中でデジモンが思考できるのであれば、人間も同様。情報に変換さえ出きれば体は器にしか過ぎないから交換もできるよねって話、楽園追放が好きなので非常にスーッと入ってきました。
で!!!いやここで!!!!!ここでララモンの純粋な気持ちで破壊と再生を司るライラモンに進化して!!!!!!!!!!リラとララモンを再生させるのいや、、、、、、、、👈️👈️👈️👈️👈️👈️👈️ノーベル賞なのではないのですか????????



ここからエンディング。
無事人の体を得たインフェルモンはデータの無限の可能性を生かして雲隠れしながら様々な場所へ。
リラはデータに夢中になって物理的な命を落とした可哀想な人間だと捉えることももちろんできます。リラとララモンがデータ上で生き続けられている保証は一ミリもありませんし、最後の画面を素直に受け取るのであれば、壊れることなく幸せなまま時間が止まったと捉えられます。(消えない花は運営が管理を終えた瞬間の19:00の写真であって、二人は19:01には他の世界で生き続けているかもしれない でもその世界が存在するかどうかは誰にも分からない的な話です。)ここらへんはあえて作者さんがあそびの幅をくれたんだと。


周りがどう思ってもあなたがいない世界には耐えられない!私も連れていって!、この発想、画面の中や想像の中に生きた経験がある人なら分かってくれるんじゃないでしょうか。

余韻えぐい。。。。。。。。味しかせん。。。。。。。。



個人的には登場人物、クラモンのお姉さん以外全員ハッピーエンドに思いますね、確かに生きていないと幸せにはたどり着かないけど、幸せになる保証なんかどこにもないしそもそも何が幸せかなんか自分が決めるんじゃい!!!!


以上になります。めちゃくちゃ長くなってしまった。でも読んでもらってあれなんすけど、めちゃくちゃ面白い作品を読ませてもらって感想を書いている時間が一番幸せなので許してください。


何度か読んで思ったのは、人が死んでもデータは生き続けるのアンチテーゼに捉えることもできなくはなかったりとか、失っても思い出は残り続けるっていう、時に陳腐な慰めに対しても思いっきり本能で反発するような強い意思を全身に感じる作品でした。というかこれが準大賞なのマジ???????いやハードル激上がりボンバーですよ

あと改めてララモンのデザインのすごさを感じましたね、目と口があの情報量でこんな可愛いことあるのか
いやーー、とにかく言いたいことはめちゃくちゃ面白かったです、描いてくれて読ませていただいてありがとうございましたに尽きます。
それとここまで読んでくださってありがとうございましたもですね。
以上です。

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