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医療はサービス業です。

元々ある「療養型の病院」や、2018年4月からスタートして徐々に医療に携わっていない方々の間にも浸透してきている「介護医療院」では、退院・退所せず、人生の最後の時までその場所で過ごすことも珍しくありません。
つまり、患者様・利用者様にとって「医療の提供を受ける場所」であり、「生活する場所」でもあるのです。

入院期間が2週間程度の超急性期病院と言われるような病院ではあまり見受けられないかもしれませんが、上記のような入院・入所期間が長期に渡る病院や施設になると、病院のスタッフの間でも≪お世話をしてあげている≫という感覚が芽生えてきてしまうことが多々あります。そうなってくると、自分自身の感情をコントロールできず、忙しさのあまり、怒ったような口調で患者様・利用者様に対応したり、「勝手に立ち上がらないで」「ちょっと待ってって言ったよね」などという、いわゆるスピーチロックや介護衣やY字ベルトなどといった、体の動きに制限を与える用具を簡単に使用してしまうフィジカルロックが行われている医療機関が実際に多く存在するという現状があります。実際、残念ながら私の職場でも目にする機会は度々あります。

医療もサービス業であると言われる時代です。
とは言っても、医療はレストランやホテルなどと違って営利を目的としないことから、一般的なサービス業とは少し違うかもしれません。
医療に支払われる代価は、治療・検査・投薬に関してであり、スタッフの対応の良さに対して代価が発生することはありません。
しかし、代価を支払う側である患者様・利用者様は、対応の良さも含めた質の高いサービスを求めているということを医療者側は理解しておかなければなりません。

ただ、レストランやホテルなどとは違い、「生活する場所」でもあるため、やたらと丁寧に敬語を並べ立てて対応しても相手は気疲れしてしまうかも知れません。大切なのは相手にとって心地よい対応であることではないでしょうか。

また、今後は人口も減少もあり医療機関は選ぶ側ではなく選ばれる側になってくるでしょう。
地域住民に愛される医療機関でなければ、生き残っていけない時代が来るかも知れません。

主任看護師という役職の大切な役割はスタッフの教育であるといいます。
地域住民の方々、患者様・利用者様のためというのはもちろんのこと、勤務先の病院のためにも院内の研修やカンファレンス、または日々の関わりを通して医療はサービス業であるという意識を根付かせ、その意識を持ってスタッフが行動できるようになるということを目標の1つにして日々業務にあたっていきたいと思います。


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