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雑文 #245 間違い

私は間違っているんじゃないかとふと思った。 というか、そう思ったほうが気が楽かもしれない。 いま、なんで私はここでこうしているのか。こんなに孤独なのか。寄る辺ないのか。充足してないのか。 不幸なのか……とは言いたくないけれど。 小さい頃こんな大人になると思っていたか? 正直に言おう。私は、ろくな大人にならないだろうと思っていた。たぶん、ろくな子供じゃないと自分でも思っていたからだろう。 何か才能があるのなら開花させたかった。努力だってしたかった。ある時期までなら、ある程度した。でもシャボン玉みたいにあるとき弾けた。 それでも人並みに(か、よくわからないが)恋をしたり結婚をしたり楽しい思いもしただけよかったかもしれない。でも、間違った。間違ってもとくに軌道修正しようとも思わなかった。ただ風のままに過ごしてた。 風のままと言えども、周りからの強風ももちろんあって、それでまたズレて、間違った。何歳になってなお私は間違い続けているのだろう?「うんこれだ!これがストンとくる」と思ったことがほとんどない。 いまなら、ひとり小さな部屋で猫と暮らすこの暮らしを破ってどうにかしたい。三年前、いろいろとあって久しぶりに一人暮らしを始めた頃はまだ暮らしていくことだけで精一杯だった。 いつか、それにも慣れて私はどこかへ新たに歩んで行くだろうと、無責任に漠然と思ってた。そうでもなかった。未だに足踏みを続け、間違い続けているだけだった。 そんな私にくるりの新曲「潮風のアリア」の一節はとても響く。 何度でも間違えればいいさ ああ、私だけじゃなかったんだ。 私はいったいどこにゆくのだろう。

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