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雑文 #76

タモリ電車倶楽部(全3回)を観たが、鉄道博物館のときより実際の電車に乗ったときのほうが明らかに岸田さんは生き生きしていた。
音に耳を澄ませ景色を眺め、「電車に乗っている状態」を思う存分楽しんでいた。
電車に関する知識の細かさが、鉄道会社の人を怯えさせるほどのものであったようで、なんかもう周りの人たちは呆れ半分であった。
恒例の、モーター音に(床に!)這いつくばって音に聴き入る姿はどう贔屓目に見てもきもちわるかった。
なおかつ、それが岸田さんであるという理由で、微笑ましく見ている私もいた。

ハマり性である人に私は好感を抱く(同じことに何年、何十年に渡ってハマる人には特に)

趣味に没頭できることは、そういった掘り下げ甲斐のある趣味を持たない人にとって本当に羨ましいことなんだろうな、と思う。
一方で、「いつまでもそんな少年少女みたいなことを…」と思われているような罪悪感がつきまとう。


アイドルが男に刃物でメッタ刺しにされた事件が起こった。
犯人は20代の男性で、相手はアイドルのようなシンガーソングライターのような活動をしている女子大生だ。

痛ましい。

その容疑者に、犯行に至るまでどんなことが起こったのか、知りたくなり、今日は風邪で1日安静にしていて暇だったこともあり、容疑者のツイッターを探してみたらすぐに見つかった。
ツイートは今年の1月から犯行の行われた5月まで、そのまま誰にでも閲覧できる。
そのストーカーが、どういう心の推移を経て、そこまで恨みを持つようになったのか、まるで犯罪心理学者もどきのように、私は追って考察していった。

もちろんツイッターで見えないところで(その間アイドルのライブを観に行っていたようだし)何かがあったとは推察されるが、容疑者が毎日朝昼晩と(朝なんて5時台だったりする)何度もリプライを入れていくさまは、見ていて恐怖だった。
容疑者の気分はころころ変わり、ある日は褒め称え、他の日は罵倒し、また卑屈になったり挑発したり、朝から「死にたい」とか書いたり…
被害者の友達らしき人にもかなり絡んでいた。

彼の周りの誰かが何とかできなかったのだろうか?

とにかく鬱屈した思いや行き場のないストレスが、そのアイドルにのみ向かっていたように思える。
もともとは、彼女をただ好きだっただけなのに。

アイドルはそのうち、以前プレゼントに貰った本が迷惑だと受け取れるようなつぶやきを投稿したり、実際プレゼントの本と腕時計を差出人無記名で送り返してしまう。
それが容疑者の逆鱗に触れた。
最初からおかしかったけど、彼はそれを機にますます暴走し悲惨な事件を引き起こすことになる。

ネットって、直接言葉を掛けられるから掛けている人は勝手にちょっと仲良くなった気分になるのだろう。
アイドル稼業だから表向き誰にでも愛想よくするとしても、さすがに最初から不気味だったから被害者は無視し続けていたのは賢明だ。
けれどなぜブロックしなかったのか(恨みが暴走するのが怖かったのか?)
にしても、プレゼントを返したのは致命的に失敗だったのだろう。
結果的に挑発行為になってしまった。相手にしてはいけなかったのに。

ストーカーの事件は増えていて、こうしてアイドルだから大きく取り上げられているけど他の事件もきっと次々と起こっていて、それについての警察の対応は後手後手に回っているのかなと思う。

ネットが、SNSが、問題を拡大しているように思う。

私は「オタクが好き」とか「私もオタクです」とか胸張って言えるわけでもないが、オタクの中にもいろんな人たちがいるわけで、オタクが皆ストーカーになるとか偏見を持たれるのは悲しいことだと思う。

便利だし恩恵を被っているけどネット、恐るべし。
やはり日本はセキュリティ意識の低い国なのかな、と思えてならない。

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