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『背守りの猫』

初めて背守りを見たのは骨董市です。
子供の小さな着物の背中にきれいな色の糸で刺繍がしてあり、
その時は、飾りかな?と思ったのでした。
後に、子どもの成長を願う思いがこめられた、
魔除けのおまじないだと知りました。

その昔、魔物は背中から入り込むと信じられていて、
着物の背中の縫い目は魔物に目を光らせる役目がありました。
小さな子どもの「一つ身」の着物にはその縫い目がなく、
代わりに魔除けとして背守りを縫いつけたそうです。

背守りにはいろんな種類があり、
たとえば、五芒星(セーマン)は一筆書きで元の位置に戻るため、
魔物が入り込む隙間がなく、子どもが無事に家に帰るおまじないになります。
また、加賀の背守りには押し絵で作られたアップリケのような物もあり、
飾りとしても可愛いものです。

『背守りの猫』

「オリヘムスタン魔法書店」のテーマのひとつにおまじないがあり、
子どもを守る魔除けのおまじない“背守り”がある着物の猫を作りました。

晴れ着を着たこの猫が邪なものを祓うおまじないになりますように…
背守りの種類は邪なものを払う籠目紋、
着物とお座布の柄は縁起の良い吉祥文様の宝尽くしにしました。

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「オリヘムスタン魔法書店」出品作品