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北海道ノート 7月の大雪縦走 Day1

2023年の大雪山のお話
本日のルートは
勇駒別→ロープウェイ🚡→姿見駅→旭岳→間宮岳→北海岳→黒岳→ロープウェイ🚡→層雲峡

この長丁場、歩けるかな。
晴れて嬉しい!が、天気予報では暑いらしい。
夕立予報も気になる。雷。。


母からの使命

母は今は亡き父と、若い頃このルートを歩いたらしい。
話を聞くと怖くなるような、知らぬが仏も甚だしいお気楽アプローチで無事歩ききったものの、どこかでフィルムを落としたらしく、写真が一枚も無い!
代わりに写真撮ってきて!
と使命を受けての登山でもある。

姿見駅から既に格好良い旭岳

駅舎から出ると、既に目の前に旭岳がある。
デデン!モクモクモク。
このモクモクは地獄谷の噴煙。
ここから見えるなんて、結構な量の煙。

早朝から、しかもロープウェイから降りたとたんに展開する火山感!

さあ、みんな体操しましょう。

と、ガイドさんは言うが、既にお花が周りにあって、皆気もそぞろ。
体操が終わるやいなや、わらわらわらーと花に群がる。
ここでは既にチングルマの大群が見える。チングルマ草原みたいになってる。
背景には朝日を背負う旭岳。
格好いいです。エース感半端ない。

旭岳は大雪のエース!

姿見の池

この池、
旭岳が映り込む。
後ろには地獄谷の煙がモクモクしてる。
高山植物にしては大ぶりなイワブクロも咲いてる。
絵として完璧!

この周りの散策路もいつか歩きたいな。
クマさんの好きな場所だけど。

イワブクロがいいポジションで咲いてくれている。ここまでの風景で既にご満悦。

火星のような旭岳

姿見の池からは一変して、花も生えてないガレ場。
地獄谷が崩壊して、まだ年月経ってないということかな。
お陰で火山の歴史が剥き出しになってる。

見た目に面白いのは1番上の層が柱状節理になって、蓋してるとこ。
薄い層なんで、歯が並んでるみたい。
これが地獄谷が山体崩壊した時の熱の地層。

地質に興味がある人は長居してしまうと思う。あの色はー、とか、あの塊はー、とか。解説しているウェブサイトが結構あった。

その下の、登山で我々が歩いてるのは、その前の噴火で積もった層。何回噴火してるんだ。。赤くレンガになってる岩多数。金庫岩さんもレンガを貼り付けてます。

見た目はまるで火星です。
火星、想像ですが。
格好いい風景ですねー♪
宇宙を少し感じます!

最高に好きな構図。金庫岩もカッコイイし、後ろの赤い地層も火山ぽくてイイ!

噴煙もモクモクしてるすぐ横を呑気に歩いてるけど、実は地殻が蠢いてる只中にいる私たち。

お鉢平は、、どこ?

さて、大雪の中心となるお鉢平はどれかなぁ〜、
ガイドさんに聞くと、
「ここからは見えてません。(火口がね。)」
え〜!どんだけ広いんだ、大雪。
見えているのは手前の熊ヶ岳のお鉢。私名付けてプレお鉢。
まあ、実際はお鉢平見えてるんだけどね。
お鉢の大きさわかってないだけ。
それにしても予習の地図とのスケール感が違いすぎ。
途方もない道のりに思えてきた。

御鉢方向ではないけど、キバナツツジの点々が綺麗で。。

噂の大雪渓

お父さんとお母さんが、アイゼンを持っていなかったので、ヒップソリで滑り降りたという大雪渓。
今年は暑くて雪の量が半分ぐらいらしい。
ザレ地が露出して、ズルズルするけど、雪にたどり着くと後は楽しい時間。

なんと言っても広い〜!

わーわー言いながら降りきると、そこからは花畑の始まり!

少な目、と言われても、十分広い大雪渓。緩やかなんで怖くないし、ちょっとおもしろい。

見たことないお花達

北海道の山に登るのは初めて。
だから、お花達ははじめましての子ばかり。
伝言で伝わってくる名前を必死にメモする。
ミネズオウ、コメバツガザクラ、エゾノツガザクラ、イワウメ、などなど、まだある。

大雪の主役のエゾノツガザクラ。盗蜜されちゃってます。蜂め、コノヤロー。
お花のコラボバージョン。ミネズオウ、コメバツガザクラ、イワウメ(6枚花弁があるような気がするんだけど、そんなことってあるのかな?)

ついにお鉢平

プレお鉢の縁を登り切ると、急にどーんと広がる空間。何これ!でかーい!
そうです、お鉢平に着きました!

このお鉢平の上には、かつて山塊が乗っかっていたそう。
噴火の時に崩壊したらしい。
すごいエネルギー!
ありし日の綺麗な山型をしてる大雪を想像する。
富士山にも負けない立派な三角形だっただろう。

でもお鉢平の風景の綺麗さ、と言うか面白さはピカイチなんで、お鉢平でよかった!

この部分の上にお山がのっかっていた。たぶん、めちゃくちゃ大きい山だったと思う。


真ん中からうっすら硫黄煙が出てる。臭いもする。
迷い込んだヒグマも死んでしまう事があるらしい。
お鉢の外側にはお花があるけど、内側にはほとんど見られない。
やっぱ毒なんだな。
お母さんはお鉢平の真ん中突っ切って行った、硫黄の煙の横も歩いた、と言うけど、本当だろうか。
ガイドさんに、昔はお鉢の中に降りれたのか聞いたら、どうだろう、そんな時もあったのかも知れない、とのお答え。
今となっては謎ですね。

赤い礫地に黄色のタカネスミレ

この辺は赤や黄土色やピンクの礫が重なりあっている。
南米の山みたいだ。綺麗。
こういういろんな土の色が見れるところが大好き。
今まで登った山では溶岩メインの黒っぽいのが多かったので、大雪は楽しい。
赤系の色は鉄が土の中で酸化した色。
鉄の量や、微量に混じる他の金属で色が変わるらしい。

赤、ピンク、オレンジ、赤紫、いろんな色の縞模様

そしてこの辺りはタカネスミレが1人勝ちだ。
一つ一つの株は小さいけど、一面に咲いてるのでエネルギッシュだ。
風に負けないよう、出来るだけ葉を小さく、丸めている。
かわいいのにしたたか。

お花畑ふたたび

白雲岳を眺めながら北海岳で休憩。
白雲岳に向かう道を見ていると、私もフラ〜っと呼ばれてしまいそう。

白雲岳へ続く道、一人向かって歩いている

ここから少しずつ標高を下げる。
すぐにチングルマとエゾツガザクラ、イワヒゲ、エゾノハクサンイチゲなどの花畑が出現。
少しずつ混じって華やか。

その先には融雪した場所にエゾコザクラとアオノツガザクラが広がる。
こちらは独占状態。

この辺りはアオノツガザクラが多い。ピンクのよりコロンとしてる。ピンクのと交配すると、コロンとしたピンクもできる。

イワブクロ白花タイプもいたよ。

珍しい白花タイプ。毛がすごいな。

お花にいちいち感動しながら歩いていたら、石狩川の源流に着いた。

橋がありませんけど

ガイドさんが、ボソリと一言。
橋が流されてるな。。

大した深さではないんだけど、大雪山で濡れるのはイヤだ。。
まだ2時間ぐらいあるし。。

ガイドさん達が、ボチャン、ボチャン、と大きな石を放り混みはじめた。
呆気にとられて、ぼーっと見てたが、
いかん、いかん、私達も出来るだけの準備をしないと!
ストックをいそいそと伸ばす。

石を投げ込み足場をつくっているガイドさん。頭が下がる。

さあ、渡って下さい!
と言われたものの、幅がちょっと広めで足が出ない。
濡れるもんだと思って下さい!
この一言で、そうか!と腹をくくった。
そうしたらひょいひょい渡れたから不思議なもんだ。

ナッキーおるかな?

あと少しで黒岳、というあたり、ガイドさんの魅力的な一言。
「ここ、ナキウサギポイントです。」

ナッキー!
会いたい!
しかも夕立前で曇ってきたから、出てくるかもって。
ちなみに晴れてたらワシやタカが活発だから出てこないんだって。

めちゃ聞き耳立ててゆっくり歩いた。。
けど、ナッキーにはとうとう会えなかった。
声も聞けなかった。

私はナッキーに会うためだけに、今度黒岳石室に泊まりたい!

黒岳は緑フサフサ

黒岳にやっと到着!
振り返って見ると、お鉢平が一望。
延々と歩いて来たんだなぁと感慨深い。

雲の向こうなのか?旭岳が見えない!それにしても雲が低い。

ここから旭岳は見えない。
けど、雲があるからのような気もする。
お互い見えないなんて、少し切ないな、、旭岳と黒岳。

黒岳は旭岳と違って草木がたくさん生えてる。
一面のウコンウツギもすごいんだけど、その隙間にいろいろいる。
クロユリやエゾヒメクワガタなど、次から次から私にとって目新しい子が。
なかでもチシマヒョウタンボクがどこから見ても変な形でツボ。

何でこの形になったのか、宇宙人が交信しているようにしか見えないお花。

最後に神様からのプレゼントが。
少し雨がパラついてたけど、そのあと虹が出た!
背景にまだ雲空が残る、フレッシュな虹。
今日に1日の疲れが吹っ飛んだ。

神様がお遊びになっておられました!





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