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落ちちゃう前にその腕を掴ませてほしい

例えば、めっちゃ大事な指輪が泥の中に落ちそう!ってなったとしよう。

落っこちる直前なら、多少乱暴な扱いになってでも無理やり掴むよね。あっぶね、落ちなくて良かった!結構乱暴な扱いしちゃったけど!って。もし落っこちちゃったら、なるべく指輪が動かないように、もっと深みに落ち込んでしまわないように、丁寧に泥をかき分けて探すよね。

多少乱暴だとしても、泥の中に落ちてしまわないかぎりは目の前に指輪はあるのよ。指輪自身も、多少汚れたとしてもちょっと拭けば元のまま。触りやすい、リカバリしやすい、次の一手も打ちやすい。

もしも泥の中に落ち込んでしまったら、指輪を見つけるのが大変になる。指輪自身も、泥の中だから光を受けられなくて輝けない。拾い上げて、きれいに掃除して磨けばまた元どおりになることを信じて探すしかない。

私は、そんな指輪みたいに、人が、誰かが、まぁ主には占いのお客さまが、泥の中に落ち込む前に(多少乱暴にでも)腕をひっ掴んでぐいっと引き上げるスタイルで動いています。

落ち込みそうになったタイミングで、多少乱暴でもいいから引き上げる!……え、何、めっちゃ辛い?よっしゃわかった、いいから一旦それ置いとこう、で、遊ぼう!好きなことしよう!って言う。その人のいいところをたくさんたくさん話して、その人が気にしているところをどうにかカバーできるようにアイディアを出す。そうやって、深みに落っこちちゃう前にどうにか踏ん張れよ、ってアプローチをする。もちろん、占いのお客さまが相手ならば占いを使ってそれをやる。

もしも落ち込んで輝けなくなって泥の中にまみれてしまったら……すまん、私はそういう人の捜索には向いていない。乱暴だから。そういう探索フェーズに向いてる人も世の中にいて、そういう人のことを私は素直に尊敬している。丁寧な仕事、すごいんだよ!ほんと。

あと純粋に、泥の中に落っこちてからの方が復帰するまでにいろいろと手立てが必要になるので、そうなったらマジで専門家に力を貸してもらわないといけない。下手に間違った対処をしたら、もっともっともっと奥の方へ、泥の底の方へと向かわせてしまいかねない。泥を拭って磨き直している最中に傷をつけてしまう恐れもある。それはよくない。

何が言いたいかというと、完全に落ちてからじゃなくて「落ちそう!あぶねえ!」っていう状態を自分で発見できるかどうかで、誰かの手を借りて這い上がるチャンスが増えるよ、ってこと。

落っこちちゃう前に気づけたら、まずは腕をひっつかんで引き上げるのが得意な人に助けを求められるでしょ。それでももし落ちちゃったら、今度は丁寧に泥の中を探索するのが得意な人に助けを求められる。それでも、それでも這い上がれなくて、どんどん泥の奥に沈み込んでしまったら、そのときは医療や心理のプロフェッショナルを頼ることができる。(普段から関わる人を増やしていれば、いざというときに助ける手段を持っている人も増えるよ)

助けて!って言える段階は多い方がいいし、何より、段階が早い方が這い上がりやすい。奥に奥に進む前に、どうにか踏ん張ってほしい。踏ん張る手伝いができるのも、占い師のええところであります。

そうそう、頼り方のベストは人それぞれなので、自分が一番「嬉しい」と思えるアクションを身近な人に求めるといいと思うよ。相談したり打ち明けたりすることに必要性を感じない人、むしろストレスを感じるっていう人もいるからね。純粋に自分の好きなことをするとか楽しく遊ぶとか、美味しいものたくさん食べるとかいっぱい寝るとか、落ち込もうとする自分を掬い上げる手立てはそういうのでいいんだよ。

最初の違和感を見逃さないこと。「あれ、疲れてる?」って素直に受け止めること。日々の疲れは日々で癒すこと。好きなモノ・コトを絶やさないこと。自分に興味を向けること。そういうところから、落ち込みの回避が始まります。みんなみんな、できるだけ自分のことを丁寧に見てほしいなぁ。できるだけ泥の中に落っこちないでほしいなぁ。頼むぜ。

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