家庭教師

というと一見裕福に大事にされているイメージありますが
いま思えば父がたんに「若い子」を家に呼びたかったんです。
のちに父と再婚するY子先生もかなり若く
当時父と20歳くらい歳の差があったと思います。
色白で細身、どこか幸薄そうでも気丈な雰囲気。
最初は勉強を教えてくれていたのですが
なぜか二人で時々外に外出しました。
私はY子先生の家に一度遊びにいったことがあります。
それはもう何もない質素なお部屋でした。
後に知ったのですがY子先生は家出して一人暮らししていたとのこと。
大好きなんです!父はそういうちょっと可哀そうな境遇の若い女性が。
私の母もそうでしたもの。
でも子どもにとっては関係ない。
いろんなところに連れてってくれる先生だな、としか捉えていません。
勉強は厳しく教えてくれました。
ある日Y子先生が「すももちゃんのお母さんがバイトしてる店へ連れてって」といいました。
当時、離婚の調停中で母はひとり暮らししながら喫茶店でバイトしていました。
子どもだから頭働かなくって、この人が父と関係もってるとか
そんなの分かるはずがない。
連れていきましたよ。
母はびくりしていました。(そりゃそうですよねー)
Y子先生は母を見てみたかったのか。父に頼まれたのか、知りません。
普通に喫茶店でパフェ食べて買い物してケーキなんかも買ってもらって
帰宅したとたん、
Y子先生はなぜか不機嫌に帰っていったのを覚えています。

つづく

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