昔書いた小説の一部。愛を知らない子供たちの

なんとなく、人を喰ったような態度で見返す彼

笑み

斜めにこの世界を見てきた

哀しさ

まっすぐに世界を見ることは

私たちにとってはとても痛いことだから

あなたは人を喰ったような在り方

それしか選べなかった悲しみ

そして、それはぞっとするほど美しい

オフィスの広い窓の外を見た

夜だ

晴れている


月明かりが眩しい

しらないうちに何もかも失ってしまった私たちは

とても悲しい子供たちだ。


二十歳を過ぎて四年たつ

それでも私とあなたは、大人の振りをした悲しい子供のままだ。

だからあなたはそんな笑み

斜めに見る笑み


どうか

愛することを知らない子供たちの、傷のなめ合いにだけはなりませんように



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