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タヌキの家族愛

今日はタヌキのお話しをさせて下さい。


まだ私に夫というものがいた頃のお話しです。
居たと申しましても夫は単身赴任で盛岡にぶっ飛んでおりましたので母(実母)、犬3匹、猫1匹の6人暮らしでした。


ある日の夕方、庭の暗闇から何やら視線を感じ??と思い目を向けました。



いましたタヌキ………………‼️

はじめて見ましたタヌキ‼️


私と目があうとタヌキは庭の明るいところにツツツッと出てきました。私は急いで、これは私のもう本能に近いものなのでしょうね😅餌をあげていました。
餌はきっとその日のメニューがスパゲッティだったのでしょう。茹でたスパゲッティに鶏肉の細切りを炒めて上げました。
タヌキはお腹一杯食べていってくれましたよ☺️
翌日、そのタヌキは奥様をご同伴なさいました。

何日かご夫妻で夕食を召し上がりに来て下さいましたよ。


何日か経過したある日、またまたなんと今度は子ダヌキを5,6匹連れてきました。

もう大変です‼️
その日から我が家の庭はタヌキ一家の大食堂と化しました😁

子ダヌキを見た時気がつきました。
このお父さんタヌキは自身の身を呈して私を試したのだと‼️

この人間は我々に危害を加えないか?
子どもを連れて来て大丈夫か? と。

お父さんタヌキの家族を思う気持ちには本当に感心致しました。


我が家のタヌキ食堂はそれから4,5年私がその家を出るまで、子育ての時期だけ開店致しました。

でもテレビのドラマでもよくナレーションが流れますよねぇ。
「その幸せは長くは続きませんでした」と………………

ある日母さんタヌキの様子がおかしいのに気がつきました。
体毛が薄くなっている? ?
翌日上野動物園に聞いてみました。
お答えは疥癬でした。
ハクビシンから始まってタヌキもバタバタ死んでいると‼️

もう大変です!   疥癬など忘れていました。

そのときは県に「鳥獣管理対策室」なるものがあるなんて知りませんでしたが、なんとか其処にたどり着き治療をしたいからと捕獲して下さいと頼みました。

早速鳥獣管理対策室の方が2,3人来て下さいましたが我が家の地形上無理、残念だが捕獲できないと帰られました😢

さあて、困ったと手を拱いていたある日の午後3時頃外出から戻ると庭に母さんタヌキが来ていました。
殆ど丸裸に近い状態でした。
お腹が空いているのかと急いで食べ物を出しましたが母さんタヌキはもう土管の中に体を入れて帰ろうとしていました。「お腹が空いているのではないの?」と声をかけましたが振り向いてはくれませんでした。

母さんタヌキの帰った後、私は考えました。
何故この時間にきたんだろう?
いつも6時位なのに・・・・・…………?

で、行き着いたところは
お別れにきたのではないか?
子ども達のことを頼みにきたのではないか?

アァ、きっとそうだ❗

このまま…・・・…夜来なければ・・・…………

祈る気持ちで夜の食事時間を待ちました🙏


母さんタヌキは来てくれなかった😢


夜中の2時頃までお台所で哭きました💦💦💦💦💦


翌朝、お隣のご主人がタヌキがうちの庭で死んでいたから、其処の雑木林に埋めたよと教えてくださいました。
やっぱり母さんタヌキは私に子ども達を託していったのです。
どんな動物も思いは人間とかわりません。

そして、これからがこのタヌキ一族には大変でした。
奥さんが亡くなってからお父さんタヌキは1人で食事に来ていました。

もう、こんな姿はみられません。

お父さんは1人での子育ては大変だったのでしょう。
多分、夫婦2人で子ども達の分は胃の中に入れて運んでいたのです。
いつもより小さい子ダヌキを連れてきました。(*^^*)

まぁ、コロコロコロコロ、タヌキ食堂は又賑やかになりましたよ~~🤗

そんな子ダヌキの食堂への引率は大変だったのでしょう。
お父さん、良いところを見つけました😁

我が家の倉庫です。
お庭の倉庫を仮の寝所と決めたようです。

他人に厳しく、自分と動物にはあま~い私です。

エッヘッヘ、まぁ大したものも入っていないからいっか~と思いましたが退去した後が大変でした😅

💩の山でした😅

これはため糞と呼ばれるタヌキの習性で個体あるいは家族集団間の縄張り識別の役割を果たしているそうです。

それを自分に、他人にも、動物にも甘い兄が黙々と掃除をしてくれました。


タヌキ一家は可愛いくて、可愛いくて食事も喜んでもらおうと色んな物を試しました。食パンに牛乳とか、うどんとか🍞🍝
でもスパゲッティが一番お口に合ったようでした。
毎晩鶏肉を茹で茹でたスパゲッティと軽く炒めます。
子ダヌキの食べっぷりを見て私も幸せいっぱいでした。



そんなある日、若い(?)雌ダヌキがやってきました。
お父さん、最初は子ども達を守って応戦していたようですが、子ダヌキの逃げかたが上手くなったのかお父さんがそのタヌキに陥落されてしまったのか、そんな光景は見なくなりました。

タヌキ一家はかわりなく食べてくれているし、平和が戻ったのかな~と思いはじめたそんなある日兄が爆弾発言をしました。


「すげぇなぁ~、あの雌ダヌキよ~、子ダヌキの首根っこ咥えてブランブラン振ってから投げ飛ばしていたぞ~」だって‼️             

私はそんな光景をみることもなく心配していたある日の昼下がり …  やってきました近所のチビッ子達👫🧑‍🤝‍🧑

兄はけしてハンサムではありません。どちらかというとブスっとしていて初めての方は怖いと思うかもしれません。しかし不思議なことに老若男女に何故かもてるのです。この日も5,6人でやってきました。

「おじちゃ~ん、子ダヌキが其処のU字溝の中で動けないの。助けてあげて!」と懇願します。
急いで行ってみると逃げ遅れた子ダヌキがU字溝の中から私達を見上げました。

兄はすぐさま蓋をあけ抱き上げました。私に相談もなく、もう反射的です(`_´メ) だって~、どうせ面倒をみるのは私です。良いんですけどねぇ😉


その日は段ボール箱に入れておきましたが、翌日大きめのサークルを購入し、野生動物保護ボランティアの登録(登録をしないと野生動物は飼育ができません)をし、その子との暮らしを始めました。

名前はそのまんま「ポンポコ」です😁
ポンポコは投げ飛ばされた時に腰を強く打ったとみえて後躯麻痺になっていました。

体が自由にならない、歩けないとイライラし動かない後ろ足をかじります。獣医さんと相談してエリザベスカラーを着けました。
でもポンポコは頭が良く、すぐ脱ぐコツを覚えてしまい、ちょっと気を許すと外します。そんな時はポンポコが後ろ向きの時にガバッと着けました😁
前を向いているとカラーをかじります。

サークルから運動のため外に出しますが、後ろ足が使えないため「いざり」ます。いざるとお◯ん◯んが床に触れる刺激でおちっこで床に絵を描いてしまいます。これには困って動物用のオシメを着けました😁

さぁポンポコ、おうちの中ならどこに行っても良いよ

お外は抱っこで行きました。でもたまに私が後ろ足を持って歩かせました。

可愛いくて、可愛いくてご近所でも人気者になりましたよ。


ポンポコはオシメをしてフローリングのところを自由に動けるようになったら諦めたのか、気が紛れるようになったのか足をかじらなくなりました。


食事はドックフードを少しふやかしてあげました。
人間の食事の時はサークルに入ってもらいました。
だけどサークルの置場所が悪かった。兄の椅子の近くでした。

ポンポコはサークルに捕まって「僕も食べたい頂戴、頂戴」とせがみます。

男の人はこんな時、ホントに甘いですよね(^o^;)

私が「ダメダメ」と言っても、その可愛さに絆され食べさせてしまいます。その日、兄が食べている物は砂肝でした。消化が悪いような気がしました。
案の定、翌日はお腹を壊してピーピーになってしまいました。

ポンポコのために元谷津遊園で獣医をしていた病院にかえていました。(その頃は我が家からは少し遠いので近くの病院に行っていました)

(谷津遊園は京成電鉄が経営していました。アトラクション、プール、ばら園、動物園等が揃った総合遊園地、昭和57年12月に閉園、今はばら園だけ残されています)


ポンポコは元気でしたが心配でしたので補液をして頂き元気に戻って参りました。
翌日も元気に病院に行き補液をして頂いた帰り道、段ボールの中でガサゴソ、ガサゴソしていた音が急に聞こえなくなりました。
「どうした?」とポンポコに手をやると、ポンポコは横たわっていました。
すぐ病院に引き返しましたが、間に合いませんでした。
着いたときには既に事切れていました。

原因は全くわかりません。
私を煩わせてはいけないと母さんタヌキが迎えにきたのでしょうか?

「母さんや、そんな心配いらなかったよ。ポンポコは大きくなってもうちの家族だよ」



子ダヌキポンポコは今雑木林の母さんタヌキの傍にいます。
母さんタヌキを埋葬してくださった方に場所を聞いて母さんの近くに埋葬しました。
ポンポコの眠る場所からは珍しい御衣黄桜が見えます。

緑色というか鶸色と言いましょうか、こんな 色の桜です。ソメイヨシノが咲き終わる頃に咲きだします。

そしてその桜の下は私が餌をあげていた猫達の餌場でもありました。

あの頃は猫達が餌を食べ終わるのを待ちながら、ポンポコや母さんに向かっていろんなお話しましたね。

ポンポコ、今日は風邪が強いねぇ
ポンポコ、今日は母さんと何食べたの?
母さん、桜が綺麗に咲いたね

満開になると真ん中が赤くそこから赤い筋が伸びます。
           




長い長いお付き合い頂き有り難うございます。
これも忘れられないことのひとつです。









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