見出し画像

福原美穂という、天才について。

せっかくなので、自分が関わった&関わっているアーティストのことについて今現在の活動に支障のない範囲で書いてみようと思う。つまりあんまり悪いことは書かないので悪しからず。順不同で。

福原美穂。ふくはらみほ。昨日が彼女の27回目の誕生日だったらしい。1日遅れたけどお誕生日おめでとう。もう27歳か。。アラサーじゃん。

彼女と出会ったのは彼女が19歳くらいの時くらいだろうか。まだ札幌に住んでいて、はっきり言って田舎臭さが抜けていない、良く言うと純粋無垢、悪く言うとポテトヘッドガール。つまり芋頭姉ちゃん。

僕はアーティストと最初に出会うと決まってその人の夢を訊く。どうなりたいの?どこを目指しているの?彼女は必要以上に泣きながら「家を買いたい」「グラミー賞をとりたい」という2つのとても具体的な夢を語った。(sorryとThank youしか言えないのにグラーミー賞。。2つ目の夢は時間がかかるな、、と。w)

1つ目の夢「家を買いたい」については、多くは語らないがとにかく当時彼女の家族はバラバラで、その家族が集まる場所=家さえ作れば、家族はもう一度集まるのではないか、、と彼女は信じていた。いい夢だ。ちょっと泣けるぜ、と思った。でも家を買う、って自分も経験があるけど、とても大きな決断と労力とお金である。

わかった!ノった!「じゃ、売れるためになんとか頑張ろう」と決心した。「優しい赤」という曲を一緒に作ったのもその直後だったと思う。つまり音楽性、ブランディング云々よりも、あれ?それでいいの?と思うものも、会社が望むものは全てこなした。社長がダメだと言ったら何度もやり直した。時には、同時に3,4個くらいのタイアップと向き合った。降ってくる話は全て受けた。某TBSドラマの主題歌もとったりした。あのときは、とにかく夜な夜な曲に向き合った。寝不足でぶっ倒れたりしたけど、楽しかった。1st album「Rainbow」は、15万枚売れた。オリコンベスト5位以内に3週連続ランクインした。

そして、なんと2nd album「Music is My Life」の時に、彼女は22歳か23歳あたりで家を買ってしまった。離ればなれだった家族はそこに集まり、とても幸せに暮らしているという。良かった!!つまり一つ目の夢を彼女は結構若いときに叶えてしまった。え?まじで?そんな大事なことを俺に黙って買ってたことは最初頭にきたけど、それでもそれをきいた時は、とても嬉しかった。

僕はあまり歌がうまいアーティストが好きではない。どーだ!うまいだろー!と見せつけるアーティストは苦手だ。でも、福原美穂の歌は違った。上手いを通り過ぎて、とにかく凄かった。「普通の曲」も「とてもいい曲」に生れ変わった。ディレクターとして、歌を録っていてこんなに楽しいアーティストはなかなかいない。しかも彼女の場合は、日本だけじゃなく、アメリカやイギリスどこへ連れて行っても、各有名プロデューサーに絶賛され(むしろ国内よりも)、曲は雨が降るように出来た。(未発表曲を集めただけで、凄くいいアルバムがあと2、3枚出来るのでは?というくらいのレベル)

一つ目の夢を叶えた後、彼女はようやく自分と向き合うことになる。つまり、「人のためじゃなく、自分のため=グラミー賞」。僕はその2つ目の夢を叶えるために、海外をとても意識し、たくさんあった意見も思い切り無視し、色々なアーティストとのコラボレーションも積極的にやった。イギリスの某レオ○ルイスとのコラボもした。某和○アキ子さんの生「ハ!」も録った。ホ○プロの和○アキ子さんのスタッフさんからも凄い勢いで罵倒された。。10円ハゲも出来た。不条理が悔しくてやけで1日4kmくらい泳いだこともあった。w

そうやって生まれた自信作3rd album「Best of Soul Extreme」は残念ながら期待した以上に売れなかった。彼女は悪くない。スタッフの自分が悪いし、音楽をたくさん聴き過ぎたのかもしれないし、勝負するべき日本のマーケットを無視し過ぎたのかもしれない。でも自分も彼女もあの時は、「正しかった」。正しいからこそ、自分は「やりきった感」が凄いあった。

あー、長くなった。つまり彼女は想像を超える天才なのだ。彼女が歌うと国境を越えて誰もが感動する。それを俺は目の当たりにしてきた。今の日本の音楽シーンとかタイアップとかしがらみとか彼女の器にはとっても小さいのだ。大きなところで勝負して欲しいのだ。自分の意思でソニーをやめたのならば、彼女には目指すべき世界があり、それを30歳までに叶えてほしい。もちろん、自分にできることは全力でこれからもサポートしたい。でも僕が中心ではなく、彼女が中心であるべきだ。あの、「どんな悲しいことも笑って言ってしまう」素晴らしい人格と歌声を世界に響かせてほしい。

悲しいことを、悲しい!と言わず、「えへ!悲しいかも!」と嘘でも笑って歌う彼女の歌が好きだ。ステージ上で水を得た魚のように豹変する芋頭姉ちゃん。ポテトヘッドガール。彼女の歌が好きだ。

誕生日おめでとう。そして、躊躇なく羽ばたきやがれ、このやろー。日本なんかにいるな、このやろー。




この記事が気に入ったらサポートをしてみませんか?