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【無料掛合台本】待ち望んだ憧憬(♂2♀1)

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A男 魔王に叔父一家を殺されて、敵を討ちたいと思って城を訪れた勇者。正義感が強い。
B女 城にすむ魔物の少女。不老不死の力を持っている。
C男 城に住む魔王。不老不死。

魔王の住む城に裏口から侵入したA。
手入れのなっていない庭に、少女が立っているのを見つける。


A お前、ここの魔物だな。

B ……あなた、裏から来たのね。ふふ、そうだよ。私は魔物。だったらどうするの?

A 今すぐ国民を解放しろ。お前らのやっていることは国を治めることじゃない。速やかに城を明け渡してもらう。

B 私たちを倒せるのなら、城を渡してあげてもいいよ。国もね。

A ずいぶんと自信があるように見える。不老不死の力があるからか?

B 不老不死の力のこと、知ってるのね。

A そりゃあな。俺は、ずっとこの時を待っていた。お前たちに復讐する日を!(薬の瓶を投げる)

B なんのつもり?(余裕で瓶をかわす)

音:瓶が割れる

B え? 煙が……。体が、動かない……

A さすが魔物。普通の人間ならその煙を吸っただけで死に至ることもあるというのに。(魔物の少女に近づく)

B なにをするつもり?

A お前たちが使う力は魔法と呼ばれる、はるか昔人類も使っていた力だ。遺跡で、その力を封じる拘束具を見つけた。……これだよ。こうしてお前の腕に付ける。そうすると、もう力は制御されて使えなくなる。

B こんなもの、壊しちゃえば意味が……え、魔力が使えない。しかも、拘束具自体も魔力で覆われていて、簡単には外れないのね。

A 流石だな、瞬時に特性を理解したか。

B ふぅん。そこまでしてくれたのは貴方が初めて。

A そんなに余裕を抜かしてられるのも今の内だ。魔力の供給元である魔王を殺せば、お前ももう不老不死ではいられなくなる。

B ……。わかった、いいよ、案内してあげる。

A は? なんだと?

B だから、私が魔王の所に案内してあげる。会いたいんでしょ?

A 罠か? いや、でも……

B だって、こんなの付けられてたら私何もできないし。どうせ私に言うつもりだったんでしょ? 魔王の所まで案内しろって。

A あ、ああ。まぁ、そうだ。(ここからは独り言)……警戒しながらついていけば大丈夫、か。外には俺の軍を待機させてある。一定時間が来れば突入してくるようになっているのだから。

B どうしたの? 行かないの?

A ああ、行こう。案内しろ。

場所:城の中。魔王の部屋。

B ここだよ。

A まるで廃墟だな……。

C なんだ? 客か?

A っ! お前が魔王か! よくも、この国の王族を皆殺しにしてくれたな!

C お前、何者だ

A 俺はこの国の王だった男の甥だよ。お前がやったことは父さんから全て聞いている。

C ふ、懐かしい話だ……

A お前! ……まぁ、いい。よく聞け、こっちには人質がいる。(少女を引っ張り、盾にする)

C !

B ごめんね、捕まっちゃったの。

C お前、なにが望みだ。

A 魔王、お前には死んでもらう。そしてこの国を解放しろ。お前たちのせいで国民がどんな思いをしているのか知っているのか!

C ふん。知るか。俺たちには関係のない話だ。

A お前……っ!! ……まぁいい。それも今日で終わりなのだから。こいつを傷つけて欲しくなかったら、そこに跪け。

C 誰がお前の言うことなど

A お前、不老不死だからって余裕抜かしているのだろうが、この子にはすでに魔力を封じる拘束具をしてある。この状態でダメージを受けたら治癒ができない。……ということは、わかるな?

C そんなものが

B ほんとだよ。力、使えないの。……いいよ、私のことは気にしないで。あなたが生きたいなら生きて。

C ……お前がいない世界など。

A 俺も人間だ、お前たちがおとなしく引き下がるというのならこの子を傷つけはしないさ。……でも魔王、お前には死んでもらう。叔父さんの敵!

B ……

C いいだろう、そいつを殺されるくらいなら、俺が死ぬ。

A ほう、魔王にもまだ人の心が残っていたか。やはり、少女の方から攻めるのは正解だったようだ。さぁ、そこに跪くんだ。

C ……もう、終わりにしよう。(呟くように)

A お前にもこの拘束具を付けてもらう。

B あなたは、それでいいのね。魔王。(魔王に向かって)

A 魔物の少女よ、こいつと暮らしていて情が移ったのだとしたら、気分を悪くさせるようだが、こいつは生かしておけないんだ。ごめんよ。

音:銃声

C ぐっ……(倒れる)

B ……あぁ!(耐え切れず魔王に駆け寄る)……血が! やっぱり、嫌だよ、私、一人になりたくない! う……うぅ……

A 俺は部下に連絡を取る。少女よ、ここを出るなら好きするがいい。

B ……うん。


場面:戻ってきた勇者
A ……! 魔王の死体がない……!


場面:庭

C かはっ!

B 大丈夫? 庭についたよ。あ、あそこなら木の陰に隠れられる!

C お前、なんで……

B いいから、しゃべらないで!

C ……はぁ……はぁ

B ついた……。これで拘束具を外せる。今直してあげるね。

音:パリンなどの拘束具が外れる音(二人分)

C なんであの勇者に、城を譲ったんだ。

B もう、いいんだよ。あなたはもう十分罰を受けた。だから、解放されるべきなの。今日がその時。

C ……

B ねぇ、遠いどこかへ行こう。誰も私たちのことを知らない、どこかへ。

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