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小さい頃の思い出が蘇る!林明子さんのおすすめ絵本特集

先日、上野の国立国会図書館で開催中の「平静を彩った絵本作家たち」という展示会に行ってきました。

平成を彩った絵本作家たち

絵本を見ながら幼い当時のことを思い出し、俗にいうエモい気持ちになりました。一緒に訪れた母は、私たち姉弟に読み聞かせをした時の反応を思い出していました。そんな中で久々に出会ったのが、林明子さんの著書「こんとあき」。改めて林明子さんの作品は素敵だなと感じ、林明子さんのおすすめ絵本を紹介することにしました。

柔らかいイラストや家族をテーマにした林明子さんの本は、小さなお子さんがいる方へのプレゼントにもオススメですが、疲れた大人の心の癒しにもなります。

では、さっそくご紹介します!


1.生まれて初めて出会う林明子さんの絵本「おつきさまこんばんは」

あらすじ:静かな夜の空。ネコが寝そべる屋根の上が明るくなって、しだいに金色に輝くまん丸いお月さまがでてきました。ところが、そこに黒い雲やってきて、お月さまを隠してしまいます。でも、だいじょうぶ。黒い雲は少しお月さまと話をして、また去って行きました。ふたたびあらわれたお月さま、にっこり笑顔で「こんばんは」。 福音館書店HPより

0歳・1歳の読み聞かせにおすすめなのが、「おつきさまこんばんは」。私もお世話になりました(全く覚えていませんが)。隠れていたおつきさまが出てくる場面が、一番好きだったそうです。

保育士の母曰く、子供たちの人気は今でも高いようです。読み聞かせの際は「おつきさまこんばんはー」という語りかけに合わせて、にこにこ笑いながら一緒に本にお辞儀をするそうです。かわいいですね。

雲が晴れておつきさまが出てきたら大喜びをする場面では、「あーよかったー」と安心して喜んだ表情になるそうです。子ども心をくすぐる作品なんですね。


2.三姉弟のクリスマスエピソードが詰まった「クリスマスの三つのおくりもの」

クリスマスの時期におすすめするのが、かすみちゃん、もっくん、れいちゃん3きょうだいがそれぞれ主役となる「クリスマスの三つのおくりもの」。手のひらサイズで見た目も可愛いです。

クリスマスの三つのおくりもの 3

私は小さい頃、このシリーズが大好きでした。同じ家族の話が3つも読めることに贅沢さを感じ、繰り返し読んだのを覚えています。林明子さんの柔らかくて表情豊かなイラストが、マッチしており、プレゼントにも向いています。


3.大切な人を想うってこういうことだよなぁ。大人も泣ける「こんとあき」

あらすじ:こんは、あきのおばあちゃんが作ったキツネのぬいぐるみです。あきが成長するにつれ、こんは古びて、腕がほころびてしましました。あきはこんを治してもらうため、こんと一緒におばあちゃんの家にでかけます。あきは、電車でこんとはぐれたり、犬に連れさられたこんを探したりと、何度も大変なめにあいます。こんとあきは無事におばあちゃんの家にたどりつくことができるのでしょうか? 互いがかけがえのない存在であるこんとあきの冒険の物語。福音館書店HPより

林明子さんの代名詞といえば「こんとあき」だと思っているくらい私はこの本が好きです。”こん”のあきちゃんへの感情や接し方は、子や妹弟を守ろうとする家族と重なります。そんな”こん”が可愛いくて、愛おしいんですよね。


30歳になった今、改めて読み返したら思わず泣きました。小さい頃の弟と自分に重なり、「かけがえのない存在だったなぁ。今はよく成長したなぁ。。」と、感慨深い気持ちでいっぱいになったのです。今でも姉弟仲がいいのは、小さい頃によく「こんとあき」みたいな冒険を一緒にしたからなのでしょうか。


親がこの本を私に読ませたタイミングは、弟が生まれた時だったそうです。当時、どのように感じたのかは正直覚えていませんが、情緒豊かに育ったように思います(笑)親になったらまた違う感情が湧いてきそうな本だな〜と感じました。


4.想像力がふくらむ日常ファンタジー「おふろだいすき」

あらすじ:ぼくはおふろが大好き。あひるのプッカをつれてはいると、かめやペンギン、オットセイやくじらまで登場して……。子どもの空想の世界をのびのびと描いた絵本。福音館書店HPより

狭いお風呂の中で、小さな動物から大きな動物まで出てくる男の子とのやりとりがとてもファンタジックであり、緻密なイラストが子ども達を惹きつける絵本です。


やや長めで読みごたえがあることもあって、好きな本の1冊でした。ほとんどがお風呂の場面なのですが、登場する動物が多いため「次は何が出てくるんだろう?」というワクワク感があり、あっという間に読み終えてしまいます。


お母さんがお風呂場に出てきたタイミングでファンタジーは終了しますが、タオルにくるまれて安心しきっている男の子の表情は温かく幸せな気持ちにさせてくれます。お風呂の湯気や温度感を感じる温かい絵本で大人もほっこりできる優しい絵本です。


5.人気テレビ番組の元ネタとなった絵本「はじめてのおつかい」

あらすじ:みいちゃんはママに頼まれて牛乳を買いに出かけます。自転車にベルを鳴らされてどきんとしたり、坂道で転んでしまったり、ひとりで歩く道は緊張の連続です。坂をあがると、お店につきました。お店にはだれもいません。みいちゃんは深呼吸をして、「ぎゅうにゅうください」と言いました。でも、小さな声しかでません。お店の人は、小さいみいちゃんには気がつかないみたい……。小さな女の子の心の動きを鮮やかに描いた絵本です。福音館書店HPより

有名なテレビ番組の元になったのがこの「はじめてのおつかい」。みいちゃんが買い物に行って転んだり、お金を落としたり、様々なハプニングがあります。その中でも、お店で大きな声を出せるようになった場面では「よかったね!よくがんばったね!」と嬉しくなりました。


最後に赤ちゃんとママがみいちゃんを迎える場面では、子どもを信頼しておつかいにだす母親と頑張った子どもの気持ちに共感して、ほのぼのと暖かい気持ちになります。


私自身小さい頃は、近所へのおつかいすら「大きな冒険」でした。「何を買うのか忘れないようにしよう、お金は足りるのか(足りなかったらどうしよう)、無事にたどり着けるかな」そんな不安とドキドキを抱えながらおつかいによく行っていたのを覚えています。


おつかいを経験した子どもには共感を、未経験の子どもには一緒に冒険をする体験を与える、成長に合わせて何度も読める絵本だと思いました。


さいごに

改めて林明子さんの本を並べてみると、イラストの美しさに感動しました。小さい頃とは、また違ったよさをを感じます。昔はイラストの可愛らしさや想定外のストーリーにどきどきしていましたが、今は過去の自分や弟を見ているような気持ちになりました。


絵本は日常に疲れている大人の心を癒してくれます。年末、思い出の絵本を読み直してみるのはいかがでしょうか。


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