厚木基地 日米親善 春祭り
相模大塚駅を出ると、基地へ向かうバス待ちの行列がすでに長かった。私には行列に並ばないというマイルールがあるが、親戚と一緒に三人で来ていたので、その付き合いもあって行列嫌さに早々にトンボ返りするわけにもいかず、小雨に降られつつも鞄に入れておいた本を読みながら三十分ほどバスターミナルで待った。まぁ、この程度なら許容範囲、と思える人混みでもあった。
相鉄バスの職員さんが丁寧に案内してくれていた。
車内はぎゅうぎゅう詰めで、子供連れの家族は辛そうだった。
この祭りへ自家用車で行く人もいるわけで、ふだんの交通量は知らないが道路もそれなりに混んでいたのだろう。駅前から基地までの距離の割には時間がかかった。
上の写真の奥 (行列の進む先) の突き当りでさらに右に行列がのびていたのを私はバスの窓から確認していた。反対側の窓を向いて車内に立っていなかったのは、ツイていた。降車してすぐに「帰る」と私は親戚の二人に告げた。もともと親戚のうちの一人が私ともう一人を誘ったのだ。誘った者はその責任感からしばらく行列に並ばざるを得ない心境になっていたかもしれないけれど、私は遠慮なく離脱させてもらった。せっかく厚木まで来たのだから……と思わなくもなかったけれど、同時に「そうやって勿体なく思うのはドツボ」だとも感じたので、さくっと損切り。散歩気分でついさっきバスでやってきた道をそのまま歩いて戻った。
結果的に大正解。ツイッターで「厚木 行列」で検索すると案の定、「なかなか進まない」の声多し。しかも、私の親戚たちが並んだ行列はどうやら誘導ミスによってできた偽の行列らしく、本当の最後尾ではないという情報も……。本当か嘘かは知らないし、私は彼らの姿を見かけなかったが、セコムと自衛隊の隊員が誘導していたらしい。いずれにしろもっとうまい具合に来訪客を案内できなかったものだろうかと感じた。
フェンスの外側からもすでにバスの中から確認できた。
スコアは記憶にない。大雨だったことしか覚えていない。
イチゴを買いたかったけれど販売所が見当たらなかったので諦め、道を進んだ。
厚木の治安をディスっているわけではなく、住み慣れた近所であってもそうしているのだけど、バイクによるヒッタクリ対策として私は道路側に鞄を持たないようにしている。心配事の９割は起こらないというが、起こりえるトラブルが想像できたのに対策せずにいることは私にはできない。想像できたのなら対策をとる、という行為はもはや防犯のためではない。私の気持ちのモヤモヤ消去が目的だ。
で、このあたりの厚木の道を歩いていて、そんなヒッタクリの映像が頭に浮かんでしまった。繰り返すが、厚木の治安を悪く言っているわけではない。道のデザインがそうなっていた、というだけのこと。そう書くと、まるで私がヒッタクリをする側にいる (いた) みたいだが、そうではない。臆病なだけだ。小心者ゆえ、状況が私に与えてくる様々な想像に怯えてしまうのだ。
万が一の可能性であってもその一が起こったら「おいおい、想像済みだったのに何やってたんだよ！」と自己嫌悪するだろう。私だけ被害を受けるのならともかく、居合わせた知り合いに予測が的中したら目も当てられない。そして、別に予測や想像はしていない。勝手に浮かんでくるのだ。例えば、詰将棋を見かけたら、解けるか否かは別として、数手先までは勝手に局面が浮かぶだろう。ごく自然な体感である。
写真中央左に行列が見える。
この乗客たちが降りる場所になぜ誘導員がいないのだ？
(いなかったのだ？)
赤いラインが入っている車両が東横線。
上の画像の奥には「ぼかし遠近法」そのままに山並みが映えていた。肉眼ではよく見えたそれは、スマホのカメラでは捉えられなかった。また、左端に行列の一部が少し写っている。ちなみに画像の右側にもバスターミナルはあるのだが、そちら側は人が少なかった。おそらく、ふだんの週末の姿なのだろう。横浜マラソンなどのイベントで道が片側封鎖されたり、日常のリズムが乱される感覚は私も理解している。地元住民の方々に対し、この記事を通して心の中で「申し訳ない」と頭を下げておく (そうしたからといって何にもならないけれど、気持ちばかりに)。
ヘッダー画像は DALL-E という画像生成 AI に「NAVAL AIR FACILITY ATSUGI JAPAN」と入力して描かせた画像。だから実際の厚木基地を表してはいない。もっとも正確に描かれてしまったらそれはそれで問題だけどね。🍀