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ハロウィン全身仮装の話

若かりし頃は…と言うほど若くもなかったのですが、かつては全身仮装に挑んだこともありましたので、その事を書いてみたいと思います。

何の衣装を作ったか、というのは敢えて触れないでおきますが一応ミッキーとミニーの衣装でちょっと懐かし系でした。むしろキャストさんの方に熱狂的(?)な方がいて、チケットブースから猛烈に手を振って頂いたり、ポップコーン売りのお姉さんが両手バンザイでぴょんぴょん飛び跳ねながら歓迎して下さったりしたのはとても嬉しかったです。

6月くらいから頑張って作ったものの、服飾系の学校を出たわけでもなく家庭科の成績も人並み。せいぜい素人が頑張ったな、くらいの出来ではあるのですが、やっぱりこの頑張りをミッキーに見てもらいたい。忠誠心を示したい。

…というわけでエントランスグリへ。(ちなみに全身仮装はランドのみで実施期間も限られていた時代です)

忠誠心を示したい人々がズラリと並んでいるなか、迎えるミッキーも完璧です。
前の方に並んでいたのは「テーブル・イズ・ウェイティング」パリの思い出ミニーさんの衣装を着たお嬢さん。パラソルまで完璧です。プロの仕業か…?!(もうプロ級の人が大勢いますよね…)
するとミッキーはパラソルを広げ、チュウする時みたいに向かい合ってポーズを決めた。分かってらっしゃる…!ランドだけどシーの事も分かってらっしゃる!!!そりゃ分かってるよ同一人物なんだから!!列に並んでる人達が「sugeeeeeeeee!!!!!」ってザワめく、みたいな。(それが何を意味するか分かる人ばかり並んでる。笑)

オバケちゃんの仮装をしたお嬢さん二人がやってくると、彼女らを両脇に従えたシャイニングスターは膝がガクガクブルブル。待機列の人々からは大歓声。デキる…おぬしデキるな?!

しかし私たちは気づいていました。順番が回ってくるまでにはどうあっても1回衣装を直しに行かないといけない。直しに行く前が良かったなぁ…とか。(なぜそう思うのか聞いてはいけない)
ところがどっこい、蝶ネクタイを直して戻ってきてもミッキーの神がかり的な対応は変わらず。マジか精鋭部隊集めてんのか…(深く考えてはいけない)

いよいよ私たちの番。皆の衣装に比べたら断然ショボいけど、それでもミッキーは温かく迎えてくれます。「お揃いのポーズにしようぜ!こんな感じ!!」と直々にポーズを伝授して頂き満面の笑みで撮影。
ミッキー「ところでこの布どうした?」
キャストさん「すごい生地ですね…」
そう、友人(ミニーちゃんの衣装)は派手な色で(まぁ王国の衣装は大概派手な色ですけど)ちょっと変わった素材だったのです。
友「カーテン用の生地なんです。」
ミッキー&キャストさん「えええぇぇーーー?!」
ミッキー「はい!ボク様分かった!分かりました!!」←ビッシィ!!って挙手。
私「はい、ミッキーさんどうぞ。」
ミッキーはくるりと私たちに背を向けて、両手で大きな四角を描く。
ミッキー「窓の、カーテンを、ばーーん!!!ってして…」←完全にカーテンレールが壊れる勢いで引きちぎる動き。
ミッキー「作ったんだ!!」←なぜか腰に巻き付ける動作&やりきった感満載のドヤ顔。

もうこれは、ミッキーに被せていくほかありません。
私「そう…なので彼女の部屋には今カーテンがないのでした…」
ミッキー「な ん と … !(哀れみの目で友人を見る)」
キャストさん「でも明日からはカーテンありますね!」←10月31日でした。
友人「明日から普通の部屋に戻ります(笑)」
ミッキー「そうか、そうだな!ボク様ひと安心だ!!」

当時使っていたバッグにサインも入れて頂いたりして、大層楽しく過ごしました。あのミッキーの颯爽とサインを書く感じもカッコイイですよね…。(書き終えた後に「どーよ?」ってドヤ顔してくるのも好き)

グリーティングも楽しかったのですが、パレードの話もチラッと。仮装のままパレードを鑑賞しまして(もちろんカチューシャは外す、大事なお約束)私も友人も大きいカメラを抱えて無言で写真を撮りまくっていました。
ショーモードが終わってミッキーのフロートが動き出す瞬間、私たちは何の意思疎通もしてないのに二人同時にカメラを置き
「ミッキィィィィーーー!!!!」と叫びつつ全力で手を振りました。友人の派手な色合いが功を奏したか、奇跡的にミッキーが「お?」と気づいたご様子。大きめのアクションでお手振りをいただいた、あれは私たちにいただいた!…ような気がする!!(信じたい。笑)
類は友を呼ぶとか言いますが、まさに以心伝心だった瞬間でございました…。

そうそう、何年も後になってからなのですが「仮装」と「コスプレ」の違いは何か、と話している男の子達がいまして。(ショー待機か何かの時に近くにいた)
いわく「仮装」の人は作った衣装をキャラクターに見せたいので、とにかくキャラクターに会いに行く。「コスプレ」の人は自身がキャラクターそのものなので、キャラクターに会いに行くというよりは良きスポットでなりきり写真を撮る。…とのことでした。
ああなるほどなぁ、と妙に納得したのを覚えています(笑)

なかなか現実離れしたというか、普段はできない体験ですので…ご関心の方はお試し下さい。(今からでも間に合います。笑)