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アワ・シャイニングスター

どんなに楽しい思い出でも時間が経つと薄れてしまうので、大好きだったミッキーマウスとの思い出を書いてみようと思い立ちました。
見て楽しいのは自分と友人だけの思い出日記ですが、通りすがった方が「自分にもそんなことがあったな」とか「夢と魔法の王国ではそんなことがあるのか」なんてニヤっとして頂けるなら幸いです。

恐ろしいことに10年以上遡りますが、職場で知り合った友人に「もう何年も行ってないから、今度ディズニーランドに行きたい」と言った時の返事が「いつでもいいよ、私年パス持ってるから」でした。それまでディズニーの話なんかしたこともなかった友人、まさかの年パスホルダー。千葉県民は全員年パス持ってるのかと思いました。(埼玉民の偏見)今考えるとこれが既にネズミの神様のお導きだったのかもしれません…。
パークへ行けば1日でいかに数多くのアトラクションを乗りこなすかが成果だと思っていた私、この友人とパークへ行って初めて「通りすがりにではなく、開始時間を把握して、待ち構えてショーを見る」という体験をします。『レジェンド・オブ・ミシカ』リドアイルで見ました。
それなりに大人だった私の感想は

「すげーお金かけていらっしゃる…!」

でした。
お船(バージ)にしろ出演者の衣装にしろ、その人数にしろ、お金かかってる感がすごい。…と同時に「ミニーちゃんてこんな近くで見られるのか」とも思いました。子供の頃に見たパレード(ファンティリュージョンとかエレクトリカルパレード)ではキャラクターは遠くにいて(そもそも遠くから見てましたし)なんかこう…パークにいると言われている幻の妖精みたいなものと思っていたのです。それが、ド派手な衣装でお船から降りてきて目の前で踊って去って行った。マジか、これがショーを見ると言うことなのか。そりゃ始まるの待ち構えちゃうよ。

しかしまだ、このショーではミッキーは遠い存在です。海の真ん中にいて「ハハッ☆」って言ってました。
ショーは確かに素敵だったけれどもキャラクターは「着ぐるみ」であって、小さなお子様向けの存在だと思っていました。

数ヶ月後にその友人と再びパークへ。次に見ることになったのは『ビッグバンドビート』この頃はまだ抽選制度がなく、それなりに並んで待てばそれなりの位置でいくらでも見ることができました。
ミッキーマウスがドラム演奏をするという噂。でもですよ、所詮は着ぐるみですからね。ドラム演奏の時にはドラムの上手な人が中に入るわけです。子供の頃にテレビで見ていた運動神経抜群というキャラクター、スキーもスカイダイビングも見事にこなしてたけど、明らかに動きがプロだったからね。…などと、思っていたのです。

白いタキシードを着たミッキーが出てきました。何あいつ、めっちゃ踊るしすげーカッコイイけど何なの?…しかも何か目が合った…気がする。
今度は着替えて黒いタキシードでドラム演奏。はいはい、演奏専門の人が…と思っていたら急にドラムセットから離れて前に出てきて踊る。めっちゃ踊る。エンディングまで出ずっぱりでミニーちゃんとキャッキャウフフしたりする。ドラムが叩けるだけじゃなくて踊れて、ミッキーらしい仕草までできる…え、ごめんなさい、それ全部できる人がいるの?しかも何人もいるってこと???(夢を失っていてすみません…)

何より重要なのは、私あいつと目が合ったんです。完全に目が合ってしまった…!!(という妄想)

ミッキー沼という沼に、音を立てて落ちてしまった瞬間でした。
もちろん同じショーを見てもなんともない人の方が多いわけで、元々オタク体質だった私がたまたま落ちてしまっただけなんですが。
私にとってミッキーの、王国のキャラクターの凄さというのは「着ぐるみにしては凄すぎる」ということでもありました。ぶっちゃけ大勢いるわけです、中の何かが。しかしながら全員が協力して、他のスタッフ(キャストと呼ばれますが)の方々も、王国がこぞってキャラクターを成立させているのです。
もう「着ぐるみ」とは呼べない。あれは、あいつはミッキーマウス。誰もが知っているスーパースター、その本人。優しくてカッコよくてユーモアがある、完璧なスーパースターなのに気軽に会いに行ける。
そう、パークへ行けばね。

友人は何でもないことのように言いました。
「パークへは、ミッキーに会いに来るんだよ。」
…目からウロコですよ。

こうして私のミッキー追っかけ生活が始まったのでした。