畜産AWを普及させる為に

今だから言うが、30年前の話だ
某非営利団体の職員たちの会話の中で
『ああいう事(屠畜業)は
えた非人にやらせておけばよい』と
そのような言葉が飛び出した

良識ある団体の職員でさえ、そのようであれば
世間一般の差別意識など
もっと低いのではないだろうか

そのような社会的に差別されてきた人たちの中に
屠畜業を含む畜産業に携わっている人が
今現在の日本に
どれくらいの割合を占めるのだろうか

私が、批判されても批判されても
畜産の問題は、悪いと言うなら
畜産農家が悪いのではなく
消費者一人ひとりの問題なのだと
主張する理由は、そこにある

職業選択の自由のある人ばかりではない
悪知恵付いている人なら、どこにでも存在する
悪事を働くような一部の人間を見て
畜産業全体を悪く言うのは間違っている

畜産アニマルウェルフェアの向上には
畜産農家の社会的地位の向上は
不可欠の要素だと私は思う
先ずは農家さんを守らなければ
動物たち1頭1羽の福祉を充実させる事など
現実として、あり得ないだろう
善いか悪いか、ではない
非現実的だと私は思う

動物たちを救済したいなら
先ずは畜産農家を救済することだ
そう思っている

世の中から肉食が無くならない限り
屠殺は無くならないが
過剰繁殖を制限すれば
無駄に殺される『淘汰』は確実に減らせる筈だ
淘汰を減らす為の畜産AWの普及が急務であり
畜産AWの普及には
畜産農家への社会的補償が必要だと思う

そして1頭1羽を大切にして
命を大切にしていれば
必然的に肉食をやめ、ヴィーガンになる人口も
自ずと増えるに違いない
そう思っている

2023.06.04