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【オクトパストラベラー2】私を飽きさせない愛すべき旅の仲間たちに!【ゲーム感想】


⚠️この記事にはオクトパストラベラー2のネタバレを含みます!ネタバレしかないです!

【はじめに】

 自分がSwitchを買うきっかけになったのがオクトパストラベラーだった。Switchを買うなら一作目はオクトラにすると決めていた。あまりにも面白く、古風ながらも進化したバトルとグラフィックに驚いたのを覚えている。
 アクションゲームがあまり得意ではない自分にとって、ストーリーを楽しめるコマンドバトルはあまりに相性が良く、とても楽しませてもらっていた。
 それから数年、別ゲーの続報を楽しみに見たニンテンドーダイレクトでいきなり画面が暗転して、オクトパストラベラー2の告知が入った時のことはまだ記憶に新しい。あのイントロ!
 プレイ時間は約90時間。ストーリーはエクストラまでクリア済みで、ジョブアビリティやサポートアビリティは全て取得済み。サブクエストは少々お残しがある。
 以下に長い長い感想を述べているが、良いことも悪いことも全て私の主観によるものである。また、前作に思い入れがあるのでどうしても比較するポイントが出てきてしまうことがある。ご了承願いたい。
 各キャラクターの感想順は、仲間になった順に沿って述べている。
 文末に公式サイトと公式ファイナルトレーラーのURLを貼っているので、気になったひとはぜひ見てください。

【良かったところ】

◯バトルシステム
 今作から新たに追加された“底力”システムがバトルの爽快感が向上している。サポートアビリティ(以下サポアビ)のいきなり底力MAXをつけるとさらに爽快だ。雑魚戦で使っても良し、ボス戦で使っても良し、攻撃でも防御でも、戦術の幅がグッと広がる。キャラクターに合わせた底力なのも良かった。
 EXアビリティは全て回収するのが少し手間ではあったが、習得してしまえば使える場面がたくさんある。各キャラのストーリーをクリアすると手に入れられるところも物語の集大成のようで感慨深い。
 雑魚戦でのレベリングではパルテティオ(先駆け+底力)の摩訶不思議の舞でEXP・JP100倍、もしくはキャットリン・オクトリンが出るまでひたすら舞ってもらっていた。
 キャットリン・オクトリンについては逃亡が早いのは前作同様。先駆け狩人のねんちゃく糸→パルテティオのスケジュール交渉で行動順を操作して精霊石やら魔法やらせ仕留める。
 戦闘中の仲間同士の掛け合いがあるのがとても嬉しかった。

◯フィールドコマンド
 前作では効率を求めると正道/邪道の二通りで固定パーティになりがちだったが、今作は昼夜で固有アクションが変化するためパーティの自由度が上がっていると思う。
 特にオズバルドの強奪、テメノスの暴くコマンドが一手間あるが楽しい。剣士の反撃やテメノスの底力を使うとかなり楽ちん。学者の属性の乱れには大変お世話になった。

◯ストーリー
 各キャラのストーリーについては後述する。
 エクストラストーリーの導入がわかりやすかった。前作は特定のサブストーリーをクリアして、裏ボスを倒して、真エンドとなるが、今作はその点が簡潔で良い。NPCがNPCではなくなっていくストーリー展開に鳥肌がたった。
 クロスストーリーも含めて仲間内のやり取りがあって満足感が大きい。パーティチャットも旅の記憶から全て終えるようになったのは神仕様だ。酒場マラソンがなくなったのは助かる。
 エクストラストーリー冒頭の8人全員のキャンプシーンが、ゲームパッケージのイラストの意味を知って泣きそうになってしまった。もう“それ”じゃん・・・・・・
 ストーリーからは脇道に逸れるが、ローディング画面下のアイコンがストーリー進行によって変化するギミックは、気づいた時に感激した。ドットキャラやモチーフアイコンがくるくる動くタイプではなく、ゆらめくように青く光る不思議な模様だったので気にはなっていたが、ここまで演出に凝っているとは。

エクストラストーリー冒頭のローディングアイコン
四つの聖火が消え、何者かがこちらを見つめている

◯攻略本
 あると助かる攻略本。JP稼ぎも兼ねて未到達マップを埋めようと攻略本片手に片っ端から確認していくと、なかなかどうして見落としがある。サブクエのボスや強武器があるダンジョンを見落としていたので何度も助けられた。どうやら攻略本によると、サブクエのクリア方法が何通りもあるクエストもあるようだ、すごい。
 アートワークは多くはないが楽しい。ソローネの髪型デザイン案がたくさんあって素敵だった。5月に愛ラスト本が出るようなので、そちらに大きく収録されることだろう。楽しみだ。

◯マップ
 海上マップがかなり楽しい!船のデザインから自分で決められる。割と序盤で船を手に入れたので、調子に乗って航海に臨んだが敵が強くてびっくりした。海上を強行突破しようとしてサメにやられること数回、サメ映画かよ。
 もともとグラフィックが美しいゲームだが、今作はハシゴを使った上下の移動もあり、世界の奥行きというか広さを感じられて良かった。
 紫宝箱がなくなったのは助かる。あれはあれでテリオンのプロっぽさの演出で良かったが、パーティに固定する必要があったし、一度見送るとどうしても忘れてしまうので。
 水上マップのカヌーに4人で別々に乗っているのが愛らしい。全員カヌー漕げるのかな。戦闘中も個別にカヌーに乗っていて可愛くて好き。カヌーに乗っているキャラクターが入っているフローティングペンを商品化して欲しい。あとは連結アクリルキーホルダー(カヌー版)とか。とにかくかわいい。陸上から水上への動きがナチュラルで素晴らしい。いちいち「カヌーに乗りますか?」とかUIが出てこないところを高評価したい。
 昼夜で魔物の出現率が変わるのは、ありきたりだがやっぱり面白い。夜マップはテメノス・ソローネの夜バフコンビも相まって、ハイリスクハイリターンでスリル満点で楽しかった。

◯BGM・SE・ボイス
 迂闊にも高レベルのマップに入ってしまって戦闘BGMがいきなりかわって驚きながら逃げるか全滅するか、までがノルマである。相変わらずBGMがかなり良い。昼夜でメロディラインは同じだが雰囲気ががらっと変わる演出には脱帽である。ボタンひとつで切り替えるにはあまりにも勿体無い気分になるBGMの数々。オアーズラッシュの昼BGMがお気に入り、某夢の国のウエスタンランドって感じ。
 バトルボイスが丁寧に作られていてとても楽しい。ジョブチェンジをしたらとりあえず全てのスキルを使ってもらう。一番楽しかったのは踊子のおはだけ。ソローネのノリノリ脱衣も、キャスティの「悪い子ね」も、パルテティオの「チラッとな」も三者三様で楽しかった。ヒカリの照れが楽しみだったが「ひと肌脱ごう」ってボイスでそうきたか!驚いたのは鮮明に覚えている。
 バトル中に互いの名を呼び合うような掛け合いが見れて感動した。前作ではパーティ内の関係性を埋めるのはパーティチャットくらいだったが、今作はクロスストーリーまで作ってくれて感謝しかない。とどめに8人で一緒にキャンプしてるイベントムービーまで見せられて情緒がもう限界だ。良すぎる。かわいい。


【悪かったところ】

⚠️あくまで個人の感想であり、作品を貶しめるものではない。

◯バトルシステム
 前作で序盤から最強格だった学者の下方修正が入ったと思う。特に大魔法が軒並みワンクッション挟まないと撃てないのが小さなストレスとなる。終盤のアクセサリーでどうにか二連撃は恒常化できるが雑魚戦で使うタイミングはかなり少なかった。
 正直、商人の傭兵呼びが強すぎる。金さえあればボスだろうと怖いものなし。下方修正するべきはこちらでは?
 システム周りでバトル中に苦戦したポイントは、SPパサーがパルテティオしか使えなくなったことと、回復限界突破がサポアビではなくテメノスが個別にかけるしかなかったところ。前作では確か盗賊についていたマジック・ライフスティールダガーが、バラバラに別ジョブに付けられているのも意外だった。テリオンは紫宝箱要因で固定スタメンだっただけにSPで助けられていたが、戦略を練り直す必要があった。
 上級職の中で発明家だけうまく使いこなせなかった。素材を集めてくるだけでサポアビまで順次解放されていくのは◎

◯ストーリー
 綺麗にまとまるストーリーも、謎を残してエクストラストーリーに引き継がれてしまうストーリーもある。
 一番の悩みの種は、全員のストーリー構成が全4章構成ではないところだ。ここは揃えて欲しかった。特にオーシュット編では2章ABCとあり、どれから始めても良いことにはなっているが、レベリングが済んでいるならまだしも推奨レベルの通りに行かざるを得ない。オズバルド編ではいきなり2章まですすめることになるが、全員の足並みを揃えて1章ずつクリアしたかった自分からしたら頭を抱えたポイントだ。
 ストーリーのボリュームは正直あまりあるとはいえない。エクストラストーリーで怒涛の連なりを見せるだが、そこまでいくのに途中で挫折するプレイヤーは少なからずいそう。

◯攻略本
 読みやすいとは言い難い。NPCひとり見るにもページをあちこち行ったり来たりしなくてはならないのでブックマーカーがあると便利だ。

◯ラグ・処理落ち
 ブースト→連続攻撃で連戦していると時折重くなったり、ラグが生じることがあった。
 処理落ちは何度かあり、エンドロールを見ている間にいきなり強制終了してしまったときは「嘘でしょ!?」って叫んでしまった。

◯ガラテア
 前作200時間近くプレイしてまだ倒せていないの本当にダメ(挫折した、リベンジしたい)


【ストーリーについて】

パルテティオ編

最初に選んだ主人公である
◯ストーリー
 誰ひとり取りこぼすことなく「みんなを幸せに」を有言実行する器のでかい男。みんなの兄貴。
お気に入りは4章。ボス戦は倒せど倒せど修復するし、ロック(ラスボス)はCV.土師孝也だし色々な意味で苦戦した。今作のラスボスにおけるギミックで何度か見た気がするが、仲間を場外へ吹き飛ばすギミック、回復役を飛ばされても攻撃役を飛ばされても困った。全体攻撃が光るラスボスだったが、あいにく単体攻撃持ちのアタッカーを編成していたため大苦戦して頭を抱えた。
 3章で秘書との戦闘中に「お前のせいでクビになったんだぞ!」「誰だっけ?」のやり取りはありきたりだが笑ってしまった。しかしきっちり雇ってフィニッシュなのは流石の兄貴である。
アルロンドの話もそうだったが、コネや裏金を使うでもなく、人柄や人望で勝ち取って、一人も不幸にさせない胸がすくようなハッピーストーリーだった。一番初めにかれのすとーりーをクリアして本当に良かったと思う。

◯ジョブ(商人)
 傭兵呼びというぶっ壊れスキルがある。序盤から終盤まで使い所しかない。フルブーストだとダメージが9999×4なのも危険だ、純粋に強すぎる。
 ジョブスキルにおいて唯一のSPパサー(SPお配り)持ちであり、ひと休みからのSPお配りで無限にSPを潤すことができる。
 サポートアビリティのBPプラスといきなり底力MAXが必要不可欠スキルであり、この2つは最終的にほとんどのキャラにつけていたと思う。
 集金のボイスが各人面白くて、テメノスの「お布施を」とキャスティの「お代をいただくわ」がお気に入りだ。
EXアビリティはキャットリン狩りで光る。お金に余裕さえあれば最強格のジョブだと思う。

◯フィールドコマンド
 買取は少し使う機会があったが、NPCを雇って連れ回すことはあまりなかった。アルロンドのスキルがEXP・JP稼ぎに有効であることはわかっていたが全体攻撃でなんとかしてしまった。すまないアルロンド、街の見回り頑張ってくれ。

◯キャラクター
ロック;CV.土師孝也⁉︎って第1章で椅子からひっくり返りそうになった。資本主義の塊みたいな男だ。パップと仲直りしたようでよかった、これからの敏腕経営に期待大。土師さん、多彩なバトルボイスをありがとう。
フロイド;いいやつ。考えすぎると周りが見えなくなるタイプだが、今作はそういうタイプのキャラたくさんいるからな・・・・・・
オリ;新聞記者・・・・・・?


アグネア編

◯ストーリー
 ラストバトルの演出は8人の中でずば抜けて良い。本当に素晴らしい。前作の踊り子が結構暗めのストーリーだったため、今作の希望と未来に溢れる最終章は非の打ち所がない、本当に大好き。
 ドルシネア戦はかなり難儀した。数あるボスの中でもギミックが多彩すぎる。味方を誘惑して戦わせるなんて、踊子ならではの固有スキルをこんな形で使ってくるなんて、本当に頭が上がらない。気絶対策を万全にして挑むべきである。
 ラストバトルの次に好きなのは、2章のギルのピアノと居場所を取り戻すストーリー。「夢を見ちゃいけないなんて言わないで」と絞り出すように口にしたのが印象的だ。ギルとその仲間たちの夢と居場所を守るために奔走するアグネアが健気で眩しかった。あとドルシネアのサイの街での過去編も良かった。二人がスターの座を争うのは運命であり必然だったんだな。なんて美しいんだ。
 桃・・・立派な桃・・・・・・

◯ジョブ(踊り子)
 底力「みんなで一緒に」とジョブスキル「舞踏姫シルティージ」で、単体対象のスキルを全体へと変化させるのに特化したキャラ。アタッカーとしても急所蹴りで多くの見せ場を作ることができる。おはだけのボイスがみんな面白くてオススメである。
 摩訶不思議の舞で瀕死になった後、突風が吹いたり炎が燃え上がったりしてさんざん全滅してしまった。正直ボスにやられるよりも、こうして自滅した回数の方がダントツで多い。しかし、ハイリスクハイリターンのスリルが楽しめて、バトルのマンネリ化を防ぐことができるのでオススメである。

◯フィールドコマンド
 夜間のおねだりが可愛い。NPCがアイテムをくれた後に「かわいいね!」とか「素敵だった!」とか言ってくれるのが素敵だ。夜のアビリティだがいやらしい感じは一切なく、元気で可愛い子にチップあげている雰囲気で良かった。かわいい。

◯キャラクター
ドルシネア;ソリスティアのスター。サイの街で苦悩の日々の末に掴んだ輝きがいまここにある。正々堂々、舞台の上で観客の前で勝負してくれて好感度が高い。サイの街をドルシネア・ランドに派手に改築しようとしていた。
ベロニカ;ドルシネアへの日頃の感謝をこめたプレゼントに鉄アレイを選ぶ。類は友を呼ぶ。
ライラ;磨けば光る粗野なツンデレ枠であり未来のスター。数年後にアグネアと月と太陽の舞台で共演してほしい。
ジゼル座;女神様・・・・・・?


ソローネ編

◯ストーリー
 自由を得るために切り捨てる、切り捨てるべき、切り捨てざるを得なかった、切り捨てたものがあまりにも多すぎる。出自からエンディングまでかなり厳しい境遇のキャラクターであった。
 2章・3章は母の編/父の編と別れているが、個人的に母より父の方がストーリーは重かったように感じた。かなり複雑な生まれの女性だ。
 お気に入りは3章母の編。復讐が復讐を生む負の連鎖が生々しく描かれている。サブクエでミラのその後があるようだがまだクリアしていないのでそのうちクリアしたい。きっとわたし好みの地獄が見れそう。
 ラスボスのクロード戦は難なくクリアした。ウェポンマスターのアグネアの全体攻撃で取り巻きを倒して、剣士ヒカリの雷剣将で殴っていたら、父母の影が出てくる前に決着がついてしまった。攻略本を読んでそういうギミックがあると知って「事後だよ‼︎」って驚いた。 
 父はあまり悪い印象はなかった。愛した女を寝取られてその子供だけ助けた。最後はちゃんと“父”になれていて切なくて良いエンディングだったと思う。
 ロストシードが雰囲気も何もかも最悪だった。いきなりホラーゲームにならないでくれ。クロードはカス、自分の子供で蠱毒するな。

◯ジョブ(盗賊)
 まさか盗賊でSPが枯渇するとは。どこに行ったんだマジックスティールダガー、戻ってきて。使い勝手が悪くなったが底力でなんとか平均値に持ってきている印象だった。盗公子エベルは今作もめちゃくちゃ強いのは健在だ。雑魚からボスまでなんでもござれ。もともと行動速度が速いので先手で仕掛けることができる。あと、基本的に物理攻撃を主軸としていたのでフクロウ・コウモリのデバフは重宝した。このゲームはバフ・デバフのあるなしで難易度が格段に変わる。
 底力(2回行動)は回復・攻撃・シールドブレイクとどのジョブと組み合わせても使い道がたくさんある。特に学者の大魔法化から模倣が使えるのがありがたい。正直オズバルドより学者に向いていると思う(EXアビリティを除く)
 踊子おはだけ、めちゃくちゃノリノリで「ああ〜ん♡」って言ってくれる。さすがプロ。一番おもしろい。

◯フィールドコマンド
 盗むと闇討ちでどこでも入れるし運があればなんでも持っていける。昼夜共に有用なキャラだった。

◯キャラクター
ピルロ;お前もクロードの手のひらで踊らされていた子犬だっていうのか。
マザー;最後に命乞いをしてこないのが良かった。ファーザーの気持ちは常にソローネに向けられていたので憎しみもひとしお。憎らしい小娘に首をもがれる気分はどう?
ファーザー;クロードに愛した女を寝取られて、手塩にかけて育てた娘に刃を向けられて、やっているこたは最悪だが、話を追うにつれて気の毒になってくる。
クロード;若い見た目のまま長いこと生きてるやつっているみたいだからね(ソローネ談)


オズバルド編

◯ストーリー
 CV.中田譲治?33歳??妻子持ちで愛妻家???属性盛りすぎだ‼︎
 1章2章をまとめて連続してプレイさせるのはいただけないと思った。面白いが、各章のストーリーのボリュームが薄く感じてしまった。
 お気に入りはもちろん4章の嘆きのゴーレム戦である。勘のいいガキは嫌いだよ・・・・・・
 娘の記憶は戻らなかったが、父が残したペンや知識、そしてゆくゆくは学会のようなところで発表するようになってオズバルドから「専門外から失礼します、素人質問で恐縮ですが〜」って質問されて、なにあのオジさん⁉︎重箱の隅をつつくみたいな嫌な質問して‼︎って怒っていたらそれが実は・・・・・・って未来に夢を見ている。文句なしのハッピーエンドとは言えないが、希望のあるエンドカードで本当に良かった。

◯ジョブ(学者)
 前作の学者がかなりのぶっ壊れジョブだったからか下方修正がわかりやすい。特に大魔法をすぐ出せる仕様ではなくなったのがかなりの痛手である。アクセサリーで大魔法を恒常化できるが、入手できたのが割と終盤だったので使い勝手はあまり良くないと感じた。あと基本HPが低い。脱獄したてだから仕方ないね。
 ジョブアビリティの中で一番使い勝手が良かったのは属性の乱れだった。ダメージを与えつつ弱点を探ることもできるし、あわよくばブレイクも狙える。EXアビリティは使う機会が少なかった。
 ジョブライセンスを取得するのにかなり苦労した。ソローネの盗むでひたすら盗みまくってなんとか開放にこぎつけた。上級職のJP稼ぎが終わるよりも後回しになってしまった。しかし、ライセンスを取得したからといってジョブを使うとは限らない。
 底力は魔法単体化(威力UP)だが、ボス戦で何度か究極魔法を放ったくらいでそれくらいかな。

◯フィールドコマンド
 めんどくさいから全員強奪!寄こせ寄こせ寄こせーー‼︎
 情報収集においてはお金に余裕があったのでヒカリの買収の方が使う機会が多かった。
 下方修正に一番泣かされたジョブだと思った。

◯キャラクター
レディ・クラリッサ;サブクエでトト・ハハの人間村長と知り合いということが判明する。未亡人だが研究者としても、代理の母としても、オズバルドの帰る場所としても、芯のある強かで素敵な女性だった。
ハーヴェイ;CV.中田譲治の宿敵がCV.子安武人なんてことある?ずるいよ!子供に好かれることは後にも先にも無さそう。オズバルドが愛を知ってハーヴェイが辿り着けないのがわかる。
エレナ;「いまいいところだから・・・・・・」で勉強を続けられる子はめちゃくちゃ伸びます(主観)。早くオズバルドの記憶取り戻してほしい。そして父を探す旅に出よう。オクトラ3の学者枠決まったな。


テメノス編

◯ストーリー
 8人の中で一番世界の確信に迫っている男の物語。CV.石田彰だからってトレーラーを見た当初からクリアするまで終始疑ってしまって申し訳なく思う。「疑うことが仕事なもので」とかいいつつ、大事なものを傷つけられた時には仕事以上の情を見せる男だった。
 新人聖堂騎士クリックと共に行動することも多いが、じわじわとクリックに対しての情が湧いてくる描写がとても良かった。職種もあっって酸いも甘いも噛み分けてきた異端審問官と、教会と聖堂騎士に憧れて自分も騎士となった新人のバディコンビが他のストーリーにはない新鮮さで良かった。相棒か?
 お気に入りは3章のストームヘイル編。クリック推しの人には苦いストーリーだが、しんらいがふかまる二人のやりとりがとても好きだ。自分の信じてきたものが揺らぎつつあるのに、それでも自分の在り方を貫こうとするクリックが眩しかった。知らないままでいてほしかったな。
 プレイヤーが推理する、前作でいうサイラスのようなストーリー進行ではなく、聖火の力を使った現場再現の演出が美しい。テメノスのテーマがこの推理パートにとてもあっていた。

◯ジョブ(神官)
 サポアビでの回復限界突破がつけられなくなり、全体化をつけない限りはテメノスが一人ずつ付与してHPの限界値を上げるしかないので、良くいえばスリルが増したが、悪くいえば安定感は減った。
 底力は弱点に関係なくシールドを削れるものだが、通常戦闘ではあまり使う機会が現れなかった。しかし、街中のNPCから情報を審問するフィールドコマンドではすぐにブレイクできて重宝した。オズバルドの強奪も合わせて、夜間はならずものと化していた。いちいちバトル画面に移行するのがテンポ悪く感じるが、誰彼構わず情報開示請求できるので気分が良い。

◯フィールドコマンド
 導く・誘惑・雇うで戦力が増強できるのは重々承知だがストーリー中しか使わない。
 情報を集めたいのでテメノスがパーティにいる間は大半が夜だった。

◯キャラクター
クリック;フレッシュな新人聖堂騎士。上司と真実、究極の選択を迫られがちな苦労人。自分の在り方や目指すものがしっかりあって好感度がとても高い。なんで死ななきゃいけなかったんですか・・・子羊くん・・・・・・
ミント;どうしてこちらの位置を把握してお手紙くれるですかね?


オーシュット編

◯ストーリー
 いきなり重要な決断を迫られる。相棒に選ばれなかった方は闇堕ちしてラスボスとして敵対することになりそう、とよからぬ予想をしていたらそのままストーリーになってしまった。アカラ(狼)を選んだ。攻略本を見ながらのプレイだったため性能が異なるのはわかっていたが、これ初見で選ばせるのは酷だと思う。アカラはやけにイケボで冷静な性格で描かれていたが、フクロウの方はまた違ったキャラクターなのだろうか。2周目をプレイさせる策略か?
 狩りをして美味しい干し肉を食べられる毎日が続けばそれでいいと考えていたオーシュットが、人間と獣人との架け橋として、村を導く要として、さらには世界を救う一人として成長していく。王道だがそれがいい。シリアスな場面でも、オーシュットの裏表のない性格や、あっけらかんとした物言いが、人間には見られない素直さが物語を鮮やかに彩っていた。
 お気に入りはやはりグラチェス編だ。人間の愚かさが煮詰まっていてかなりの性癖。自己の利を求め自然から奪い取ろうとする、自然が自らを守るために牙を向く、自然の牙に復讐のため立ち向かう(あわよくばそこに死に場所を求める)、人間と自然の終わりのない泥沼バトル・・・・・・やはり人間は愚か。オーシュットの第三の視点が光る瞬間であった。
 パルテティオやアグネアもムードメーカーのようなポジションだったが、二人とはまた異なるポジティブさや新しい観点からのアドバイスが新鮮で良かった。

◯ジョブ(狩人)
 やはり今作においてもねんちゃく糸は最強だった。これを使うか使わないかで戦闘(主にボス戦・キャットリン戦)の難易度が段違いである。
 アビリティではねんちゃく糸の他に、斧の強力な一撃に加えてバフももらえる“かいたい”が役に立った。モンスターによって得られる効果は違うが、デバフを喰らうことはないので積極的に使っていくことができる。モーションが派手なのも良し。
 底力はダメージ限界突破をつけてからが本領発揮。商人のいきなり底力MAXと組み合わせると雑魚戦が一瞬で終わる。
 前作でもそうだったが、自分は捕獲をあまり使わないタイプの人間である。しかし、今作は自動で捕獲してくれるし、あぶれた魔物は加工してアイテムにすることができる。とても便利だ。使い道が見定められなくて、宝の持ち腐れになってしまうスキルやシステムが減っているのはとても良いアップグレードであると思った。

◯フィールドコマンド
 オーシュットの固有アクションは闇討ち(ソローネ)や導く(テメノス)の使い勝手が良すぎて、あまり陽の目を見せてあげることができなかった。

◯キャラクター
アカラ;梯子を上り下りしているときに、オーシュットに背負われている姿が可愛い。
ジュバ(村長);大きいふわふわ、もふもふ。実質もののけ姫では?疲れたら寝る、それが長寿の秘訣である。


ヒカリ編

◯ストーリー
 誰がマジのアシタカ様(中の人)を連れてこいって言ったよ‼︎ありがとうございます‼︎
 本作のトレーラーが公開されたときに、一応8人の主人公がいるがオクトラ2の顔はこの人です、って出されていたキャラがヒカリだった印象がある。芸人を起用した告知動画でお試しプレイされていたのもヒカリだった気がする。
 かつての仲間を集めて、血塗られた国を取り戻そうと大陸中を走り回る亡国の王子。逃げ上手の弟君。生きろ、そなたは美しい。
 お気に入りはやっぱりライ・メイの話だ。国を追われた身ではあるけれど、現時点で信念や意思を曲げてでも守るべきものが少ないヒカリが、家名を守るために必死になっているライ・メイを剣で説き伏せるところ、心に沁みた。カザンの話が、借金返済という名目のコミカルでブラックジョークのようなノリだっただけに、雪の降る断頭台での一戦は対比が見えて素晴らしい。
 ヒカリ編のNPCは魅力的なネームドキャラが多くて面白かった。物語の随所に黒幕の影がちらりと見えるのもワクワク感を持続させてくれて楽しかった。

◯ジョブ(剣士)
 返のたちの使い勝手があまりにも良すぎる。通常戦闘でもフィールドコマンドでも問答無用でシールドを削ることができるのはこのゲーム性において大きすぎる。上級職と組み合わせるとパーティ全体に付与できるので、シールドが多かろうが、弱点が分からなかろうが関係ない。単体で使うよりも、組み合わせ次第でものすごく化けるジョブだと感じた。
 底力がストーリークリア後に陰の力から陽の力へと変化するのも好きだ。ボイスも合わせて変化する。
 余談だが、おはだけボイスが「ひと肌脱ごう・・・・・・」で照れとかそんなレベルを軽々とぶち抜いてきた。めっちゃ脱ぐじゃん・・・・・・

◯フィールドコマンド
 買収が強すぎる。金にモノをいわせてガンガン情報を仕入れられる。この手腕にはカザンもびっくり。
 試合はストーリー中しか使わなかった。オーシュットの捕獲と似て相手の技を習得できるようだけど、陰陽の力でなんとかできてしまった。

◯キャラクター
ライ・メイ;安直な考えでヒカリに思いを寄せるツンデレ系戦乙女かと思ってすみませんでした。その細い肩にあまりにも重い運命を背負っていた強かな女性であった。家臣が彼女の心配をしてくれている描写がとても良い。彼女に手を差し伸べたのがヒカリで本当に良かった。
リツ;妹のために泥水啜ってでも成り上がりたい、今時珍しい出世欲の強い男。わかりやすいルサンチマン的思考回路で好きだ。
カザン;CV.杉田智和がある一編きりのNPCであるはずがないだろうが・・・・・・


キャスティ編

◯ストーリー
 今作で一番好き。記憶を失っているけれど、薬師の本質は身体に染み付いているところが一貫していて良かった。
 「死は救済」系の悪役がとても好きなので心が躍りに躍った。フィーバータイムだ!しかも薬師の仲間が目の前の患者を救えなくて、その思考に堕ちていく様まで描かれていて丁寧で素晴らしい。本当にありがとうございます。
 一章ごとにしっかりとした着地点があって物語の密度も濃くてボリューム感もあった。8人の物語の中ではストーリーのクオリティがトップクラスに高く感じた。
 お気に入りは2章のメリアちゃんの話。薬師は救う数だけ救えんかった命の数も多いと思うのだが、全てを救ってハッピーエンドではなく、大事な人を失う話もしっかり入れてくるあたりに構成のレベルの高さを感じた。さらに2章のサイの街では、敵も味方も関係なく命あるものを救うのが薬師の務め!ってストーリーだったから対比も綺麗で見事だと思う。
 全ての記憶を失ったが、託すためにマレーヤが幻影としてキャスティを導いてくれるのも好きだ。その仲間がもう会えない存在だという記憶を取り戻したら導く役目は終わりで、その先は命あるものの歩みに未来を見る。かなり泣かせにくる演出だった。ラストバトルの紫雨の特効薬が、冒頭からキーアイテムだったユキシズクの花なのも王道で美しい。
 キャスティのパーティチャットは、柔らかい物腰の節々に、今まで多くの命を見てきた経験からの深い意味が垣間見えて大好き。あと年下相手だとオカンムーヴするのも好き。

◯ジョブ(薬師)
 強すぎる。神官の復活魔法より治療術のコスパがいい。攻撃も回復もこなせる万能タイプのジョブだが、序盤からボス戦まで使い所が多い。特にキャスティの底力と噛み合うと、初手で戦闘を有利に運ぶことができる。
 アイテム消費なしフルブースト調合は無敵にも程がある。
 アイテムは買ってもいいが、そこらのNPCからパクったほうが早い。拡散+増強+アイテムでバフをもりもりにできる。
 サポアビの戦闘後回復は、ボス戦を除いて常に全員につけていた。SPまわりが鈍くなったから、自分んで勝手に回復してくれるのは本当に助かった。

◯フィールドコマンド
 アイテムに余裕が出てきたら眠り薬が役に立つ。情報収集もレベルさえ上げれば手早くできるので、レベルをある程度上げてから街を回る際には光る固有アクションだ。
 夜のコマンドは底力のアイテム消費なしと噛み合っていてちょうど良い塩梅だったと思う。

◯キャラクター
マレーヤ;プレイヤーとキャスティを導いて、未来を託す誘導キャラ。ラストシーンでエイル薬師団の仲間たちと共にキャスティを見守っていて感動した。
トルーソー;やったー!死は救済タイプの闇堕ち系薬師だー‼︎サイコー‼︎


クロスストーリー

◯お気に入りはオズバルドとパルテティオ編
 クロスストーリーは本編に比べてかなりあっさりだし、おつかい系のストーリー展開だが、前作では見られなかったパーティ内の密なやり取りが見れるだけで嬉しかった。
 本編では迂闊に触れると横道へ逸れてしまいがちな黒幕の影を仄めかしてくれる。
 なぜこのペアなのかという疑問には、個人的に光と闇のキャラクターの対比に見えた。
 「何事も少し甘めがうまくいく、コーヒーと一緒だ」っでパルテティオのセリフが好きだ。コーヒーはブラック派かミルク派か、というたわいもない論争から人生の話まで自然に絡めることができるのは、パルテティオしかいないと思った。

☆上級職について

◯ウェポンマスター
 大陸各地に散らばった神器の回収が手間だし神器を装備しなければアビリティを使用できないが、全体化をかけた六器繚乱はかなり強い。レアモンスターを前にして、あたるあたらないは抜きにしても、ブーストせずとも6回攻撃ができるのは大きい。

◯発明家
 ターン制限がある新しいジョブ。あまり使うことはなかった。変形カタパルトは序盤でよく使ったがそれっきり。
 サポアビの先駆けが便利。ねんちゃく糸も張れるし、摩訶不思議の舞フルブーストの連打も可能だ。

◯魔導士
 拡散の刻印が強かった。剣士の返しの太刀を全体付与して、ボスのシールドをガンガン削っていけるのが気持ちいい。反射障壁も全体化をかければ無敵になれる。ジョブ習得のために迷路をうろうろして、しかもその解答ルートにキレたりもしたが、パーティに一人いるとたすかるジョブだった。

◯祈祷師
 和装の上級職は強キャラ感が出て格好いい。毎ターンSP配布や属性追撃がお気に入りだ。相手の弱点を開けてから追撃をかけるとダメージ量が増加して、戦闘時間が単純に短くなる。
 サポアビも重要なものが多く、SPの周りが鈍くなった今作においてSP消費半減は恩恵があるし、摩訶不思議ギャンブルをしている時にBP回生が決まるとラッキー!
 五重塔の攻略には苦戦した、敵のHP高すぎない?

エクストラストーリー

◯8人揃って世界を救う
 導入からめちゃくちゃ良かった。パルテティオとアグネアが必死に火を起こしている横から、オズバルドが「私の魔法で・・・・・・」と首を突っ込もうとしたら「「こういうのは過程が大事!」」って一蹴される。妄想が現実になったか?二次創作か?いいえ、公式。
 ソローネが焚き火を囲んで「なんかいいね、こういうの」っていうところの各キャラの配置が、ゲームパッケージや攻略本の表紙に描かれていいたイラストと同じ配置で、演出力の高さに脱帽。鳥肌たったし、感動して涙目になった。

ゲームパッケージと同じ配置(涙)

◯聖火と月影教
 聖火を消すには人の血が必要という設定はかなり性癖。エクストラストーリー中の戦闘BGMが消える演出も不気味さを醸し出していてゾクゾクした。
 カザン・オリ・ミントその他、8人の物語に関わりのあった人物の真の顔が見えてくる。特にオリの手記の中で、カザンが彼女の兄であることがわかったり、ミントの正体や真実がわかってテメノスが怒りをあらわにするところが好きだ。

◯ラストバトル
 ソシャゲ版オクトパストラベラー大陸の覇者の8人制バトルがここで活きてくるとは驚いた。いつでもパーティを切り替えられるので、回復が追いつかない心配をする場面は少なかったように思う。ソシャゲでの進化をしっかりコンシューマー版に落とし込んでくるのは素晴らしい。少し重くなることもあったが、戦闘中に大きなラグが起こったり、ゲームが落ちたりすることはなかったのでひと安心。
 決着がついた後、朝日を背にストーリーを締めたのはパルテティオだったが、もしかしてこれは、8人全員分のムーブーやセリフが用意されているのではないか?全員分のセリフを見たい気もするが、それはセーブスロットの分岐とかそういうレベルではない、本当の本当にはじめからやらなくてはならないと思うからそれはまた別の機会に。

パルニキのおつかれさん!には全回復の効果がある


 エピローグに向けて仲間がひとりひとり去っていく順番も、プレイヤーが仲間にした順を遡るように去っていく。こういうところに制作の丁寧さを感じた。こういう細部までこだわっているげーむは良いゲームだ(主観)

◯エピローグ
 今までストーリーで出会ってきたNPC全員が大集合して締めるエンディング大好きだ。救いのないバッドエンドが性癖ではあるけれど、やっぱり王道ハッピーエンドがいいよね!
 全員揃えて劇場に入るが、ステージにいるアグネアの代わりに、アグネアの妹パーラを連れて歩くところは本当に良かった。7人で終わるのはオクトパストラベラーとして違和感あるもの。しっかり8を大事にしている。


【総評】

◯前作の正統進化といえる良ゲーであった。
 前作におけるぶっ壊れジョブの各種に修正が入りはしたものの、新しいシステムをうまく織り込んでいるし、特にラストの8人制バトルはソシャゲ版をしっかり活かしていて好感が持てる。
 昼夜システムもパーティの固定化を崩す新しい視点だと思ったし、何より昼夜でBGMが切り替わり、特に夜は子守唄の如くボーカル入りのBGMになるところも良かった。
 急なニンダイの告知で、驚いてひっくりかえったのが記憶に新しいが、すでに次回作に期待を膨らませている。
 今、この時代に、2Dドットでターン制コマンドバトルなんて・・・・・・と思っている人ほどプレイして欲しい。グラフィックな美麗さと戦略性の深さに、ただのRPGではないと驚くこと間違いなしである。

あ〜〜面白かった!
プレイしてよかった!!

“旅とは、すなわち生きること”



静かなる黄昏に身を任せるな
光は、消えゆく


【参考サイト】

公式サイト;https://www.jp.square-enix.com/octopathtraveler2/

公式ファイナルトレーラー;https://youtu.be/Lly5iEcLx5U

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