スロット被り解消法

前回はアタッカー4人、その中でもクイックとbic組み合わせによって各ゾーンにおけるアタッカー数が変化することに触れました。
(2023/3月現在、前記事は非公開)
相手のブロッカーに合わせて攻撃を組み合わせ、効率的に負荷をいきたいのですが、実際の試合では「返球位置のズレと、それに伴うセット位置のズレ」「クイックを繰り出すMBのスタート位置」などによって、どうしても想定していた攻撃が繰り出しにくいシーンが出てくると思います。
そんなときは「状況に合わせてクイックとbicを組み合わせる」ことができると、スロット被りを起こすことなくシンクロ攻撃を繰り出すことができます。

それでは、それを実現するためのルールを考えていきましょう。※流動スロット・システムを前提としています
①クイックかbicでスロット1を埋める
②クイックが先導し、bicがそれを避ける
まずは、シンプルにこの2つだけで話を進めます。

①は「クイックが31かA1に入った場合にはbicは11に入る」ということです。
MBが相手のサイド攻撃へブロックしたあとや、ゾーン4からスタートするレセプションアタックなど、スロット1まで移動できない場合がこれに当たります。
②は「クイックが11へ入った場合にはbicは21,A1に入る」です。
このとき、21かA1かは事前にチームとして決めておき、相手ブロックへの有効性などを考慮しタイムアウトなどのタイミングで柔軟に変更していきましょう。

さて、ここまで2つのルールを考えてきました。
ややこしく感じたかもしれませんが、実際にプレーしてみると「クイックは自身が参加可能なスロットへ」「bicはスロット1を目指し、クイックがいた場合は事前の決め事によってスロット2かAへ避ける」たったこれだけです。

この2つのルールは基本的にどの場面でも適用できるのですが、唯一、セット位置がゾーン4へズレてしまった場合のみ変更しなければなりません。
そんなときは
○スロット1が潰れていない場合
・クイックがスロット1→bicがスロットA
・クイックがスロットA→bicがスロット1
○スロット1が潰れている場合
・クイックがスロットA→bicがスロットB
のパターンに絞られます。

そろそろこのあたりで「スロット」がゲシュタルト崩壊を起こしてきました。
このようにいくつかのルールを考えてみましたが、何故このようなことを考えたかというと「試合中のアタックコールを極力減らしたい」という個人的なこだわりがあるからです。
上記のルールを意識してチーム練習をしてもらえると分かると思うのですが、基本的にセッターはクイックのことを視野に捉えられるので「A1へ攻撃参加したか、参加不可か」をコールするだけでアタッカーの攻撃参加状況の判断ができます。

今回はクイックとbicをラリー中などにサイン無く組み合わせる方法を書いてみました。
ここに書いた方法以外にも各チームのルールがあると思うので、これを参考に試行錯誤して、より良い方法があれば教えてもらえると嬉しいです。

今回書いたルールを実行するためにも「高く時間的に余裕のあるファーストタッチ」が重要になります。

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