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「2121年 Futures In-Sight展」でEvalaさん作品に出会う

Evalaさんとの出会いは衝撃だった。

「音ってさぁ、境目がないんだよ」
あわいの必要性と新しい感覚の追求を激しい身振り手振りを使って語るエネルギー、
「道具なんてさ、何でもありもんで出来ちゃうんだよ」
ヤバいこの方、存在自体が面白い!!!

SEE by YOUR EARS
耳で感じることは目のような輪郭がなく、「あわい」により近い・・・

Evalaさんの創る世界を知りたくて、
作品をちょうど展示している「2121年 Futures In-Sight展」を訪問した。
http://www.2121designsight.jp/program/2121/

Exitの看板のすぐ手前にある黒いカーテン。
その向こうがEvalaさんの展示室。

カーテンを開けると中は薄暗い、何もない空間
音だけが空間に溢れている、いや縦横無尽に沢山の音たちが流れを形成している。

最初は視覚が展示室の片隅の空間認知をしようと試みるのを感じて、
あぁ、いかん邪魔過ぎるからと薄目にしてみた。

するとブゥ~ンと目の前を虫が通り過ぎた。
音の虫が左から右へ。

現実にはあり得ない、生き物たちが一堂に会す。
あれ?今度はちょっと遠くでライオンが移動したよ!

足音、ささやき声、色んな音が空間を散りばめる。
上から、横から、前から、後ろから。
あれ?どこから来るの?
ぐるっと見回してみたり、手を前に出して気を付けながら歩いてみる。
そっか、音には境目がないんだ!と気が付く。

大好きな水の流れる音が左手奥から流れてきた。
どうして清流の音って気持ち良いんだろう。
透明感のあるせせらぎに安堵感を感じた時、常に鳴り響いている音があることに気が付く。
不安の音だ。
なんで、不安の音が実際に鳴らせられるんだ?
でも清流に身を委ねているから、それを不快に感じない。
むしろ清流の心地よさを際立たせている?
もしかしたら、Evalaさんは音がヒトの心に与える影響を熟知しているから使っている手法なのかも・・・なんて、想像してみる。

夕立は匂いを連れてくる。
波は潮風を連れてくる。

こぽこぽこぽっ・・・
泡ぶく吹きながら、水面を見上げてみる。
やっぱり水の音は全てが心地よい。

びっくりしたのは波の音。
波が肩から被さり、横に抜けていった心地がしたことだ。
音が身体をすり抜けていった。
しかし立つ場所を変えると音の遠さが変わって、全く違う感覚を与える。
長く滞在して2回聞いたので、1回目と2回目で場所が違うと感覚が違うことに気が付いた。
2回目は浜辺が遠すぎて、自分のところにまで流れて来なかった。

これは大きな音の万華鏡。
身体全体を音が包み込み、思考にならない感覚で私を揺さぶり続ける。

音の箱の中はビックリするほど境目がなくて、私のまわりを縦横無尽に駆け巡る。これをさらりと実現しているサラウンド感はきっと、Evalaさんのスゴさなんだろうな。これが「なんでもありもんで出来ちゃう」発言のスゴさなんだろうな。

これは音のVRだ。
ものすごいリアリティの高い、音のVRがHMDつけなくても目の前に形作られていた。

Evalaさん、「新しい感覚を作り出したい」って言っていた。
今まで感情を湧き上がらせるのはリズムだと思っていたけれど、
人間は「音」で感情が揺さぶられるんだってことが分かりました。

また作品に出会う日が楽しみです❣

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