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プリステが最高だって話

私の2017年夏が、ようやく終わった。成仏した。そんな気持ちになった。

2018年6月。プリンス・オブ・ストライド(以下プリスト)の舞台版プリンス・オブ・ストライド THE LIVE STAGE(以下プリステ)の最終章であるEpisode5が上演された。この記事を書いている段階では上演中だが、観劇予定は大阪ではないので、気持ちはこれで完結なのだ。どうしよう、これでまだ続いたら。

というわけで以下episode5のネタバレを含みます。どのキャラクターが対戦するとか内容は細かく触れないですが、あらすじ的な部分には触れますので、気になる方はお控えください。

突然episode5の話になる前に、プリストについて少々。
プリストとはストライドというスポーツをする高校生の物語である。ストライドとは街中に設置された障害物を乗り越えながらリレーでバトンを繋ぎ走るという、ざっくりいうと障害物リレーである。6人1チームで5人のランナーと走者に指示を出すリレーショナーで構成される。基本的には高校の部活で行われており、夏の東日本大会EOS(エンド・オブ・サマー)に向けて物語は展開していく。
プリストは元々ゲームが原作としてあり、ノベライズ、アニメ化を経て舞台化である。私はアニメ化のタイミングでプリストを知ったがゲームもとりあえずやったし、アニメが好きすぎて円盤全部買った。アニメの円盤揃えたのは初めてである。
アニメからゲームに入るとその世界観の差に驚いた。アニメは熱い青春ものだが、ゲームはあくまでも乙女ゲー(恋愛ゲーム)なのである。ゲームのボリュームがすごいので、アニメ化するときに恋愛要素を削ったのだと思うが、すごい決断である。結果アニメは恋愛要素ほぼなしの男性でも楽しめる熱い青春ものとして完成されていた。
一方ゲームも人生の悩みの1つとして恋愛が加わったようなストーリーになっており、青春が蔑ろにされているわけでも、恋愛しないわけでもない。思いっきりきゅんきゅんする。デートもするし、二人っきりのシーンも多い。あくまでも一面増えた、だけなのだ。

プリストは成長をする人を見届ける作品だ。

そう思った。悩みのない人なんていない。しかし悩みだって同じじゃない。解決の仕方だってひとつじゃない。`誤解をとく´ことも`覚悟をする´ことも`視野を広げる´ことも全て必要かもしれないし、どれも要らないかもしれない。ずっとそんなことをプリストから感じてきた。

ようやくここからepisode5の話をしたい。episode1~4については原作準拠なので、良くも悪くも`知ってる´状態だった。原作はEOS決勝が終わったところで終わっている。さて、オリジナル脚本となったepisode5である。そこで描かれていたのはEOSの先の彼らの生き方だった。
前述した通り、EOSが最大の大会であり、全ての選手が優勝を目指して夏を過ごしていく。友との戦い、先輩への想い、後輩へ託すもの。とてもエモい。部活ものの醍醐味である。
今回の物語は日本代表の候補を選抜するというもの。選抜されたメンバーに対して選抜されなかったメンバーが有志で集まり、対抗戦を繰り広げるというものである。
スポーツであり勝負なので当然勝ち負けが存在する。選抜メンバーは当たり前だがめちゃくちゃ強い。でも勝たなければいけない。汚ないやり方もしなきゃ勝てないなら仕方ないのか?そうしなきゃいけなかったランナーの力不足、お互いの壁。同じチームメイトと対戦することへの想い。正々堂々と、やりきりたい、けど、負けたくもない。だって悔しいじゃん。カッコ悪いじゃん。キレイゴトで勝てるわけじゃないじゃん。そんな気持ちのぶつかり合いは自分がなぜその行動を、その選択肢をとっているのかという問いに帰着する。
ストライドは障害物を乗り越えながら進むので当然進み方はひとつじゃない。飛び越える、くぐる、遠回りする、登る、ここしか通れない、ということはない。今回のストーリー上、選抜チームの練習で言われていたことのひとつである。視野を広げろ、柔軟に考えろ。誰がそこを通れないと決めた。(なーんて言いながら細いポールの上を踏み台にして飛び越えたのさすがHAYATEさんでした!超人技!!)
安全そうだとか、わかりやすい道はみんなが通りたがる道だ。お前はお前にしか通れない道を選べ。そしてそこでは負けないと覚悟をもて。

これ、あくまでも、ストライドのコース取りの話なんだけども、人生そのものだなぁ、って思うのです。プリストの基本的な姿勢として、自分の進む先は自分で決めろ、というものがあるなと思っているのだけれど、その先を見たなと。
今まではどうしてストライドやってるんだろう、って過去に決めたことに対して見つめあっていく話だった。今回は優勝した、大会終わった、この先自分はどうしたい?というこの先の進み方と向き合っていく話だった。
基本姿勢はそのままに、それぞれのキャラクターが自分の意志で、未来へ踏み出していく姿がとてもよかった。これに尽きる。
どんな風に生きたいとか、目指すものとか、そんなものは違って当たり前で、そこに対する強い意志が大事だと。そこを改めて示した物語でした。

原作が2017年と明示していて、原作のEOS決勝と同じ日に舞台のepisode4の大千秋楽があり、とても完成されていた。にも関わらず大千秋楽にてepisode5が発表され、わざわざこんな綺麗に終わったのに??と疑問だった。でも、作品みたら、未来へ進む彼らを描くことにリアルイヤーであるかとか、そこはもう関係ないのだと思った。やってくれてよかった。そして悩んだけど観に行ってよかった。冒頭で続いたらどうしようとか書いたけど多分終わりだろうなと思える結末だった。(やってくれるのは歓迎するけどどーするんだろーなー)

以上がプリストからプリステの流れでの脚本上で最高だって話。でした。

脚本以外だとキャラクターほんとに似すぎていてビックリしたのと、舞台装置の転換の複雑さ。
キャラクターすごい。ほんと良く似てる。顔だけじゃなくて醸し出す雰囲気、声質、プロポーション。個人的には巴君と妹尾、颯田先輩は本物かと思った。他もすごくレベル高くて。2.5次元久しぶりだったけど感動した。似てるのに身体能力までみんな高くてひぇっ…ってなる。プリステのための練習が長期だったのは公式のTwitterで紹介されてる通りだけど、とても丁寧に準備された舞台だった。
もうひとつ舞台装置。レース上の障害物を表現するギミックと呼ばれる大小様々な設置物。置く場所も角度もコロコロ変わる。舞台上はバミリだらけ。個人的にはバミリ多過ぎてほんとに印になってるのか疑問しかない。舞台上では結構なスピードで走る役者。多いときには20人くらい?一斉に駆け抜ける。ほんとに事故なく、怪我なく公演が毎回終えられていることが奇跡でしかないと思ってしまう。でも奇跡なんかなくて、それを可能にしてるのは細かく考えられたプランと、それをミスなく行うための努力だったのだと思う。ストーリーなんてぶっちゃけ取っ払ったってやってることすごすぎる舞台だぜ、って思う。だからこその台詞の重みなのかもしれないけど。

気持ちのままに書きなぐったプリステ感想はおしまい。本当にepisode5お疲れ様でした。ありがとうございました!

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