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「 霧ヶ竹にて 」


白い息が視界を曇らせる。
走ると、霧が髪をぬらした。
秋の落ち葉が残っている。
鳥はいつも通り歌っている。
空は、金か、銀か、まだわからない。
肩が上がり、心臓がバクバクする。

白い息が視界を曇らせる。
溢れ出した朝光を天使の道と呼ぶ者がいる。
どこまで続いているのか、誰もわからない。

白い息が視界を曇らせる。
ぬれた眼が、光をあふれさせた。





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