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「 シカ ト ・・・」

偉くなった大きなクジラの腹には、
大量のゴミが入っていた。

蓋を開ければ、
拙い最期だった。

酔った海月は、
珍しく波に逆らって、
真っ直ぐ月に向かっていった。

多くを手に入れようとしたその手は、
最期は見るも無残だった。

何も手にしようとしなかった、
名もなき花は、
約束を手に抱いた。

曇り空の色は白で出来ていた、
と知ったのは、
瞼を閉じた時だった。

夜に咲く。

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