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「 お面 」


どれくらい歩いただろう。片耳の白い黒猫はふと後ろを振り返る。広葉樹の傘が青い空を白く眩しく見せている。日はまだ高い。二時間歩いたところで森を抜け小さな街に着いた。都心から少し離れた静かな場所。出迎えるように目の前には古い木造の寺子屋がある。隣に樹齢百年も経とうかというクスノキが寺子屋を守るように立っている。そこの古い看板にこう書かれている。

「鳥亭南畝塾」

一先ずクスノキの根の窪みで少し休むことにした。そこへ7~9歳程度の子供の声と砂を蹴る足音が近づいてくる。三人くらいだろうか。歌うように話している。

「どこに行っていたんだい?♪」
「ちょいとうどんが熱すぎまして♪」
「もっと早く来てくれなきゃ困るよ♪」
「へえ、そりゃどうも、猫舌なもので♪」

顔も声もまるでお面のように作って笑っている。
黒猫は大きく欠伸をし、目を瞑った。





「国際性」と「地域性」

意味わかる?・・・

--------出典 精選版 日本国語大辞典-------
【普遍性】〘名〙 すべてのものに通じる性質。また、広くすべての場合にあてはめることのできる性質。
※月に吠える(1917)〈萩原朔太郎〉「極めて普遍性のものであって、同時に極めて個性的な特異なものである」------

ある特定の状況下において・・・

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