てんかん重積発作

あの夜のことは絶対忘れられない。

発作が起きて
携帯握ったままの夫が痙攣していて
急いで救急車呼んで
発作が起きた時間18:11を頭に刻んで
いつまで待っても発作が止まらなくて
高熱で首も頭も熱くて
タオル冷やして首に敷いて
たまに呼吸が止まるから頭支えたりしながら
救急隊に備えて玄関からの動線作って
邪魔なものどかして
杖とか靴とか着替えとか夫の携帯とか
必要になりそうなものも準備して

まだ救急車来なくて催促の電話して
踏切待ちしてると言われて
大好きな京王線を一瞬呪って

やっと来て
名乗ったりてんかん歴伝えたり
ルーティンの段取りのあと搬送されて
救急車でもなかなか痙攣とまらなくて
あらゆる種類の痙攣が展開して
脳の上から下、次はあっち、おわったらこっちと、場所を変えながら細胞が暴れてるんだなあと俯瞰な私も抱えながら、

手をさすって声かけて
少しずつ体の色が悪くなって呼吸が浅くなって、口から泡が出て涙もあふれてて、

人間の命が少しずつ失われている様子に
「人の死ってこんな風に訪れるんだ」
と俯瞰な私は相変わらずいて

病院には19:10に着いて
まだ発作は止まることなく
口数多かった救急隊も
少しずつ静かになっていた。

あとはもう命を救うプロに任せるしかなくて
そこから先は流れ作業。
医療ベルトコンベアに乗って今に至る。

夫が我が家にいなくなって
何度もあの日を思い出しては
心臓がちぎれそうになる。
もう2度と経験したくないと思う。

これはたぶん
トラウマって言うんだと思う。

やっと文字にできた。
書けたけど、しばらく読めないと思う。
誰にも話せなかった。
心療内科の先生にも。
少しずつ受け止めたい。

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