2020年3月21日の日記「復活祭」

 引越し完了!ネット環境完備!日記再開!
 と言うわけで、2週間ほど滞っていた日記を再開します。環境的には2日前から始められる目途は立っていたけど、どうも書く気が起きず暫くサボってしまった。今月中は出来れば毎日更新したいな。来月からはちょっと分からない。生活の都合が現時点で不明だから。目標としては、週2くらいで書けたらなと思う。
 久しぶりなせいかどうも文章がふわふわする。今日は日記リハビリだ。


 入居3日目、ウォシュレットのタンクが暴発し、謎の栓がすっ飛んでトイレが水びたしになった。ウンコ中だった為、何も出来ず流れる水とびしゃびしゃになっていく床を呆然と眺めながら、排泄した。幸先が悪い。


 入居して5日立つが、未だに段ボールまみれの部屋に敷布団とローテーブルとPCだけを設置して生活している。これはいかん。分かり切っていたことだが、これだけでも暮らそうと思えば問題なく暮らせる。このままでは人間として澱んでしまう。


 昨日ワニが死んだ。内容については方々で皆が感想を言い合っているし、個人的には然したる感慨を覚えなかったので言及しない。どっちかと言うと、僕は内容より魅せ方や売り出し方の方に感心した。
 まず単純に凄いところだが、話題の移ろいが早いTwitterで100日間も注目を浴び続けた事実が脅威的だ。最初は30日くらいにしておかないと、途中でみなの興味が薄れて飽きられるかと予想していたが、結果としてはそんなこともなく。日を重ねるごとにRT数は上昇していき、ついに最終回で75万RT(投稿から25時間たった現在)を越えた。
 
 なぜあの漫画はこれほどまでに流行ったのだろう。もっと具体的に言うと、なぜこれほどの多くの人間があの漫画の良さに気づいたのだろう。考えてみよう。

 その①「緊張と緩和」
 「緊張と緩和」という手法は、もう手垢塗れの使いまわされた言葉だが、実際手垢塗れになるだけあって、今でも有効なテクニックだ。
 ワニの場合、死までのカウントダウン=緊張、死ぬ瞬間=緩和、にあたる。しかしワニには、これまでの緊張と緩和とは少し違う構造が見て取れる。
 普通物語は「緊張→緩和」という手順をとる。これは、緊張によって張り巡らされた鬱積やジレンマを緩和によって解放し、カタルシスを感じさせるという構造だ。一般的な緊張と緩和とは、このことを指す。
 が、ワニは「緊張⇆緩和」という風に、毎話ごとに常にこの二つの要素が背中合わせになっている。
 広い視野で見ると「1話~99話(緊張)→最終話(緩和)」というオーソドックスな構造だが、毎回起承転結が必要な4コマ漫画では、1話1話の具体性が求められる。
 そのため「緊張⇆緩和」の場合のみ、緩和=死ぬ瞬間でなく、緩和=緩い内容の日常へと変化する。
 ワニは、長い期間で「緊張⇆緩和」を味合わせ、最終回で王道の「緊張→緩和」を与える2段構造になっている。少し亜流だ。
 ワニの新らしさには、この構造も一助していたのではないかと考える。


 その②「共感と共有」

 やっぱ、この2つの要素って重要だね。細かい説明は前に書いたので割愛するが、ワニにはこの「共感と共有」が過分に含まれている。
 死という人間に絶体訪れる運命。在り来たりな日常などの共感。
 周囲と意見を交わしたくなる、考えさせられる内容。ワニを通じて自身の人生を顧みる機会などの共有。


③「毎日定時更新によるリアルタイム制」
 これは言わずもがな。今後ワニは書籍化や映画化などが控えているらしいが、映画がどれだけ完成度が高くても、読者の実生活に根づかせ、徐々に感情移入させていくことによって得られるシンパシーを越えることは絶対にできない。
 
 少し話が逸れるが、僕がワニで一番感心したのは、最終話で作者が毎日19時投稿のルールを破ったことだ。
 19時1分を越えてもワニが投稿されない昨日のTwitterの空気を見て僕は「あ、伝説になった」と思った。その時間にタイムラインいた全員、ワニに興味ある人や無い人、信者もアンチも皆が「え?ワニどうなったの?」と、その行く末に関心を持っていた。
 投稿までの数分間、タイムラインを更新し続ける人。作者にリプライを送る人。「最終話が更新されないことが間接的にワニの死を意味している」と考察する人。具体的なアクションは起こさないが、何となくワニが気になってTwitterを見てしまっている人。など、それぞれが様々な形でワニの行く末を見守っていた。
 ああいう瞬間を見る機会は早々ない。しかも、作者はそれを意図的に作りだすことに成功している。
 結果的にワニは通常の更新時間の20分後に投稿されたが、個人的には、あと1時間は引っ張れたのではないかと思った。それほどまでに、あの空気感は磁力のような独特な力を持っていた。
 
 落語で用いられる手法の一つに、大きいオチの前にあえて聞こえ辛く小声でぼそぼそと話すという技がある。意図的に理解し難くすることで、客に「しっかりと聞くぞ」と思わせ、集中や興味を一気に引き寄せる妙技だ。あの瞬間のタイムラインは、その状態とかなり近い。
 ワニの流行は偶然かもしれないが、この1点に関しては作者が自ら狙って生みだしたものだった。凄いことするなあ。

④「奇跡」
 色々と理屈をこねまわしたが、ぶっちゃけ全部ワニの流行を経て考えた後付けだし、説得力は皆無だ。結局は「なんか知らんけどめっちゃ流行って、めっちゃ売れた」という理由が一番しっくりくる。ワニは凄い奇跡が起きて、これほどまでに人気になりました。

 
 リハビリとか言って、めっちゃ書いてしまった。いつもより長いし。

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