見出し画像

この町、今年の景色。

 目の前は、青い空。自転車は、すいすいと前へ進む。時折かかる雲や、じっとり濡れる冷たい雨も、自然現象。また、さわやかな空が広がることを知っている。

日々を、楽しんでいる。過去の経験貯金を切り崩しながら前進し、体の中がスカスカになって、供給が追いつかない不安感も、もうない。これまでの人生が栄養素となり、足元から吸い上げて、今日の私の心に供給されている。

35歳から身を置いた真新しい環境。昔取った杵柄を振り回して、茅だらけの地に自分の居場所をあけていくところからスタートした。約3年ほど経ち、環境と身体のエネルギーは、きちんと循環をしている。

単調になりそうな日々に、仕事はスパイス。タフなシーンは数多くあれど、はじめての言葉、はじめての出会い…まだまだ知らない世界を知ることができて、ラッキーだ。人生はいくつになっても、停滞なんてしない。

忙しない日々に、生活もスパイス。徒歩圏内の好きな人たちが増えた。来年は、さらに生活圏を耕そうと思う。この町をもうしばらく楽しみたい。

そう、私がそうしたければそうすれば良い。シンプルなことだけど、なかなかできない。自転車を漕ぐように、人生をようやく自分の意志で操縦できるようになってきた。すいすいすいと。いつもの好きな景色を眺めに行ったり、こっちにはこんな景色があったのかと知らない道を通ったり。

前に道ができた。茅だらけのオフロードも進んできた愛車だから、今は、景色を楽しむ時間。サービスタイム、しばらく続いて。


この記事が気に入ったらサポートをしてみませんか?