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NO FUTURE NO CRY

全面禁煙の喫茶店で澄ました顔をしてキーボードを叩く私は仕様も無い、何処に出すかも、何処にも出さないかも判らない小説を書いている

時計が変わったのを確認してTwitterを開くとGAGが赤いTシャツを着て歓喜の表情を浮かべていた

慌てて画面から目を逸らす

薄目でお笑いナタリーのアカウントを開くと、赤いTシャツを着た男達の写真が沢山並んでいた

あっ、ニューヨーク、おっ、ジャルジャル

ランダムに目を滑らせていたから、私は彼らを認識できなかった

居ない

と思った

居ない方が都合がいいと思ってしまったのかもしれない

その四文字を見つけた瞬間、大して嬉しくなかった

そんなの当たり前だと思った

こんなに面白いんだから、日本のコントの10番に入らないなんて、審査員がおかしい、当たり前だから嬉しくなかった、当たり前だから特に興奮しなかった、当たり前だから声も出さなかったし、当たり前だから笑顔にすらならなかった

気づくと私はノートパソコンのEnterキーを連打していた

進めすぎた改行をBackspaceのキーで戻すと書いた文が少し消えてしまったが、特に気にならなかった

それから、集合体恐怖症の私は明太パスタを頼んだ

この喫茶店の明太子は粒が大きくちょうどいくらの3分の1くらいの直径で、ソースに浮かぶその情景はなかなかにハードなものであるが、それを奥歯でプチプチと潰すその快感が堪らない

女子大生なのに5分で食べ終わってしまってバイト迄に思ったよりも時間ができて、さっき消えた分の補填をした

会計を済ませて、イヤホンを外してご馳走様でしたを言って、建物から出ると、外の空気は生温かった

それが私の身体中と、それから心にまとわりついて、でも私は淋しいからそれを拒めなかった

銀杏BOYZのNo Future No Cryを聴きながら薄ら天を見上げて歩いていると、階段を駆け上がる私立小学男児とぶつかりかけてしまうが、彼の方が先に謝ってくれた

私は醜い

私はありがとうとごめんなさいがとても苦手で

私は色んな負い目を感じながら19年間生きてきて

その私の傷口を抉り、そして慰む彼らはきっと

空気階段は私にとって、怪物であり、片想いの娘であり、セックスフレンドであり、私の理解者でもあり、私の敵でもある


空気階段に出逢わなければ、JUNKだけ聴いていれば、きっと私も今頃彼氏が居て、この心のモヤモヤも抽斗の奥に仕舞えてて自分じゃこんな気持ち気づきもしないなんてことになってるだろう

それでも、また、初進出でもなく、前年から泣く程にファンであったが、私の個人的な感情からこのように想いが込み上げてポエムを綴ってしまう、そしてそれでも、人間という存在をいまいち愛しきれなかった生まれてきた意味をいまいち信じきれなかった私が、誰かを愛しそして生きようと、思えたのは彼らの所為で、彼らのお陰で、感謝しているから、だから絶対絶対ぜーったい優勝できますように‼️🙏

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