2024年5月1日ジョジョ4部の康一くん及び広瀬家の善良さについて

康一くんはメイン回のたびに男前ぶりと「怒らせたらヤバい」の確信を深め続けるやべー男ですが
個人的に、彼の人柄を表すエピソードで特に印象深く感じるのが
中~後盤での露伴とのやりとりです

康一くんを遊び(取材だったかも?)に誘ったところ
「これから塾だから」と断られた露伴が
大人げなくも「そんな塾が大事なら行くがいいさ」
みたいな事を言うんですけどね(ほんとに大人げないな)
それに対し康一くんは真顔で
「自分が塾に行くのはそれによって家族との約束を守り、信頼を得るため」
と返すんですよ

↑ここムッとするでもウンザリするでもなく平静に返しているのが
彼のなかで「家族を大事にすること」と「大事なものに対し誠実であること」は
たとえば「この町の名前は杜王町」だったり「信号の赤は『止まれ』」レベルの認識なんだなあと伝わってきます

やりとり自体はメインエピソードではなく
二人の会話としても2往復もない短さですが
康一くんの行動原理や彼を育んだ家庭背景に説得力を持たせるのに
タイミングも言葉選びも非常に効果的でとても印象に残っています
(主題がそもそも遊びか取材どっちだったのかうろ覚えだけどな)

読者としてはいや普通に「おめーより成績のが大事なんだよ」でいいじゃんと思うのですが
(康一くんはそんなこと言わない!)
自分の信条を明確にした上で「だから断る」する康一どのは
さすが迷いなく自分の目を潰せと言ったり
殺人鬼に追われて恐怖が頂点に達したところで
「なぜぼくが殺人鬼なんかに怯えなければならない!終わるのはお前だ!」と
覚醒迎撃するだけあるわな~と思いました

そんな彼だからこそ序盤の玉美回において
絶望的な状況を「信じて」の一言で切り抜けられたんだなあと
エピソードを反芻して味わうことができ
とても気に入っているくだりです

玉美回はあれで気を持ち直した(その前に心中しようと思い詰めたのも)お母さんも
お茶かけたくらいで罪悪感に苛まれる綾那お姉ちゃんも
スタンド増幅があったの差し引いても善良すぎて
こんな良い母姉にギリィしてたシンデレラ回由花子さんとか
何度思い返しても機能不全すぎる虹村さんちや吉良んちがこの健全なご家庭を描いた同作者さまによって生み出されてんの末恐ろしすぎるぜえ~…