2024年3月1日「OMORI」サニーの父親の人となりについて妄想しました

サニーの父親についてちょっと性格悪い(モル氏が)解釈をしています

ーーーー以下、ネタバレありますーーーー


オモリルートの終盤…というか寄り道ステージになるのかな?
雪山山頂でのスペースボーイ戦後に異世界のスペボん家に行くと
スペボが父親から
「自分や仲間たちがいるんだからもうスイハを追うな」
と諭され受け入れるやり取りが見られます

このくだりはオモリルートのみで発生するイベントである
=過去の出来事と現実から逃げる自分に言い聞かせている
と解釈しているのですが
スペース親父はあくまで「概念としての父親」であり、
サニーの父親を投影しているものではない
と思っています

作中、サニーの父親の存在感はめちゃめちゃ薄いので
 両親はマリの事件以降に離婚か別居しており、サニーは母親に世話されている
 ↑そうでなくても(少なくともサニーから見て)良い関係とは言いがたい
と受け取っています

単に病気で入院中とか長期出張中で登場してないだけの可能性も考慮した上で
サニーと父親の関係が良いものと思えないと判断するに至った材料として
 本編現実パートで父親との接点がないこと
 (連絡をとってくるのも、引越し当日に迎えにくるのも母親)
 唯一あるドット絵パパinブラスペでの会話が息子を拒絶するものであること
 (マリを吊るした木を切りながら→断罪していると解釈)
 地下図書室において父親の描写自体はあるけれど、あくまで登場人物としての描写に留まっておりサニーからの感情がないこと

以上から、彼らは事件以前からもともと折り合い悪くて
それがマリの死で決定打になったんじゃないかなあ…と思ってます

サニーのお父さんって客観的に見れば
 子供の習い事のために自宅にピアノ室を作って(本編中のケルかヒロの発言)
 庭に子供とその友達の遊び場のツリーハウス作るキャパがあって(地下図書室のテキスト)
 海外旅行にも結構な頻度で行ってたぽい(ピアノ室の置物)
ことから、少なくとも経済力では無能ではない
むしろ「美人の奥さんと可愛い子供たちのいる家庭を大切にしている」絵に描いたようなマイホームパパだと思います

で、ここからがゲスパー全開なんですが、そんな良き夫良き父親が息子と折り合い悪くなる要因として
彼は何事も努力でそつなくこなせるマリタイプだったんじゃないかなって思うんですね
利発で器用なマリは自分と近しく感じられるのに
内向的で姉にくっついている息子はイマイチ何考えてるかわからん…まあ妻や長女が面倒見てくれてるからいいかって認識になる

そうしたところに自分の成功の象徴(娘)をおまけ(息子)に奪われるという事件が起きて
「お前なんか息子じゃない」発言に至ったのでは、と思うんです
↑の発言、実際にぶつけられたのなら悪夢の奥深く閉じ込める程にサニーにとって大きかっただろうし
最終戦のオモリが発する「死ねばいいのに」同様に自身で呪うもならば、それを否定するだけの材料(愛された記憶)が父親にはないんだろうなと思えてしんどいですね
愛の反対は無関心というけど、怒りや失望を覚えるではなく離れていった、というのがリアルな情の薄さを感じます

また同性なのに上手くいかないってのも、このそつないタイプにはイラッとしたんじゃないかなあーと思います
家族など近しい(切るわけにはいかない)相手の考えてることが分からない、相容れないときって
でも異性ならまあしゃーないかって落とし所をつけようもあるんだけど
(ここの「異性」は生まれ育ちや世代に変更できる)
マリサニみたいな「上の子は意思疎通上手くいくんだけど、下の子が引っ込み思案で…」って構成だと
サニパパ視点だと「自分は父親としての務めは果たしている。実際娘の方はうまくいっている、となると向こう(息子)に問題がある…まあ今のところ実害は無いからいっか」
ってなったんじゃないかな…本人的には役割分担してるつもりだけどコミュニケーション放棄してるから距離は近しくとも溝が深まるばかりって言うね
これサニパパだって完璧超人じゃないし、サニー本人も周り(面倒見の良いお姉ちゃんや友人)が代弁してくれる環境では積極性を持つ必要も生じないしで
サニーの家庭環境考えるほどに父親が「息子じゃない」発言する心境に至る流れが想像できるのでやりきれないです

以上、なんかサニパパを「いるよねーこんな無関心男!」みたいな解釈してて
(サニママやマリにとっては良い夫で父親だし、サニーにも経済的不自由させてなくて悪い親とは思ってません、ただ「マリのいない状態ではサニーとの相性は悪い」んだろうなぁって受け取りました)
実際違ったらサニーパパほんとゴメンね…記事を覆す公式エピソードとか出ないかなあ!(五体投地)

つくづく本作って絶対悪がないというか
 誰も悪くなかったんだけど巡り合わせが絶妙に悪すぎたんだなあ…
って自然に思わせる話運びがすごいなあって思います

サニーとマリの関係があとちょっとでも悪ければ
二人の年が近いか、あるいはもっと離れていれば
マリが勉強やピアノに打ち込んだようにサニーもゲームにはまったりオーブリーと恋仲になるなど姉離れしてれば
二人でセッションしよう!なんて流れにはならなかっただろうし

演奏会ルート確定としても(ルート言うな)
マリがもうちょい適当だったら演奏の出来が多少イマイチでも
「まいっかあ~記念だもんね!」ってなるし(マリはそんな事言わない!)
サニーがもうちょい感情を露わにする子ならもっと早くに衝突してただろうし
…もうそれはマリサニ姉弟じゃないっていうね!

つくづく「OMORI」…トランプタワーのように実に儚く巧みな物語よ……って思います