見出し画像

シャークカイゼル【水属性運用実録】

始めに


まずは先日3/5、あまくだり氏の第9回クソカード医学会にて氏との対戦に至りまして、本放送にてシャークカイゼル君が活躍できましたこと深く感謝申し上げます。


数か月に及んで悩み果て、匙を投げるほどに考え込んだ結果の構築で、その全てを書き記すと長そうだなと思い、ツイッターには書かずにいたのですが、せっかくなのでこの場を用意してみました。
これだけ手を尽くしたわけだし、せっかく多くの人に見ていただけそうなこの機会にまとめておき知識共有・覚書するのもありだなと・・・
・・・

とはいうものの、「同条件で出せるカードと差別化できるか」問題はシャークカイゼルにもあり、この問題の完全な解決には至っていないのでは?と考えています。

「我こそはさらにいい構築ができる」という方、いらっしゃるのであればぜひともやってくださいという遺言を残したく、これを書いてます。
マジで俺にはもう無理だ・・・すまない。
だが、学会長との戦いで君は間違いなく輝いていたぞ、シャークカイゼル・・・。

シャークカイゼルを取り巻く状況


効果に関しては上記(あるいはWiki)を参照してください。
非常に癖の強い鮫です。
現状では効果が完全に自己完結しており、何かすごい裏技が生み出される隙が”ほぼ”ない。
水属性エクシーズの中でも屈指の癖の強さを持ち、鮫界のアタッカーであのジョーズマンと並ぶ癖の強い鮫といえばこいつです。(当社比)

遊戯王Wikiで言及されていることと重複する点も多いですが、少し私見も交えて状況を説明しておきます。

まずこのカードと一番比較されているカードは以下になっております。
No.17 リバイス・ドラゴン
No.30 破滅のアシッド・ゴーレム
トライエッジ・リヴァイア
・潜航母艦エアロ・シャーク
・No.47 ナイトメア・シャーク

全て水属性・ランク3のモンスターであり、コーラルアネモネやアビスシャーク等が持つ「水属性しか特殊召喚できない」制約をパスできる存在です。
シャークカイゼルが打点上昇しか持っていないこともあり、基本的に言及されるのはこれらのモンスターとの打点比較です。

比較対象たちのステータス早見表 (まるでポ〇モン対戦攻略まとめWiki)

上記の表を見ての通り、シャークカイゼルは素で圧倒的な素材数を抱えることができ、”維持できれば”これらのランク3を明らかに凌駕するパワーを持つカードです。
しかし、1ターン目の攻撃力は要求素材が1つ少ないアシッドゴーレムに及びません。

僅差のリバイスドラゴンにはNoサポートや要求素材数、トライエッジリヴァイアには効果無効というこちらにない利点があります。
それぞれと比較した場合はどうか見ていきます。

まずはリバイスドラゴンと比較します。
リバイスドラゴンは比較的多い2500ラインとは相打ちになったり、最大打点まで到達した際にデメリットを持っています。
また、リバイスドラゴンは攻撃力を指定の数値にする効果を持つカードで上昇値をリセットされるのに対し、シャークカイゼルは永続効果故にリセットされないため、こういった点では有利です。

話は脱線しますが、ここで少し豆知識。
シャークカイゼルは永続効果で攻撃力がアップしていないタイミングが存在するため、ゲイルなどのステータスを固定する効果を受けた後で再度ダメージステップに入れば打点上昇が機能するようです。
通常の永続効果の上昇はトラゴエディアのような常にアップしているものが多く、これらはゲイルで半減されるとたとえ変化する状態になってもステータスは固定されたままになります
一方このカードはダメージステップにしか上がらないためか、ステータスが固定された後、もう一度ダメージステップに入ればステータスが固定されたまま上昇が適用されるのです。
これを利用し、ダメージステップ時のステータスをそのままに固定化できれば実質的にシャークカウンターを倍に増やした状態にすることが可能です。
少なくともマスターデュエルにおいてはそのように動作しています
これが現在シャークカイゼルに存在する唯一の裏技です。
この実質倍の状態はステータスに固定されるのでステータスのリセットさえ喰らわなければ変化せず、効果無効でカウンターがなくなっても残ります
ただし、現在この手段を行えるのは確認した限りでは攻守を反転する「反転世界」”相手”のモンスターの攻守を倍にする「肥大化」のみで、実用性に難が強いという状況で活かしづらいのが悔やまれます。(実際断念済み)
確認に抜けがあるかもしれないので、もしあったら超えるチャンスですよ!

半減されても元気に嚙みつくシャークカイゼル君


では、話を戻してトライエッジリヴァイアと比較します。
トライエッジリヴァイアは1ターンに1体にしか攻撃力ダウンを打てないため、2体以上に並ばれると打点負けしやすいカードです。
シャークカイゼルは攻撃を受ける場合でも常に攻撃力がアップするので戦闘においてはシャークカイゼルの方が得意と言えます。
対象に取れないと打点を下げられないという点もあり、倒せる相手も変わってきます。
とはいえトライエッジリヴァイアの最大の取柄はリバース効果発動前のダメージ計算前でも使える無効効果と戦闘破壊による除外とかいう自分より1か月後に出たシャドールを絶対に許さないメタ性能にあり、昨今の状況ではトライエッジリヴァイアが有利な場合は明らかに多いでしょう。

バハムートシャークから出す場合は、さらに打点の高い上バハムートシャークを意識し素材追加効果を持つナイトメアシャークや、同じ魚族にしてより打点の高いエアロシャークが立ちはだかっており、なかなか難しい立ち位置です。

これが現在のシャークカイゼルの状況となります。
今後シャークカウンターを何かしらでブーストできる場合に、もしかしたら大きく変わる可能性は秘めてます。(コンマイ次第)


運用方針


シャークカイゼルをどうやって運用するか、以下の方針を決めました。

1.シャークカイゼルを維持して打点の上昇を試みる。
2.素材の数に着目し、差別化を図る。

まずシャークカイゼルの最良の方針は維持です。
シャークカイゼルは維持してこそ真価を発揮し始めるカードです。
特に打点として上回っているアシッドゴーレムは強烈なデメリットを持ち維持に向かないカードなので、維持するのであればこちらが有利です。
ですが一切の耐性はないので、何かしら用意する必要があります。
ここで登場するのが水属性エクシーズ界の最強耐性付与モンスター、ライトハンドシャークレフトハンドシャークです。

素材にするだけでライトハンドは戦闘から、レフトハンドは効果による破壊から防ぐ効果を加えてくれます。
また、墓地から即座に2体並ぶ点も要求素材数が多いカードにとっては非常に優秀です。
ただしレベル4なので一工夫加えるカードとして召喚時にレベル4の魚のレベルを1下げるツーヘッドシャークを採用します。
ライトハンドとレフトハンドをそれぞれ自身の効果で特殊召喚し、ツーヘッドを召喚すれば容易に耐性を持ったシャークカイゼルを召喚できます。
準備さえしてしまえばたとえどかされようが容易に2回目も狙えます。
ツーヘッドシャークはアビスシャークでサーチでき、さらにサルベージや魚族を墓地から毎ターン回収できる永続魔法白の救済で回収できるので再利用も簡単です。
白の救済はシャークカイゼルすらも回収できるのでぜひとも採用したいカードです。

ちなみにレベルを1下げる水属性のカードとしては伝説の都アトランティスを真っ先に想像する方も多いと思いますが、実はレフトハンドはアトランティスのレベル変動を上書きしてレベル4になってしまうので相性が悪いです。
実はこれ自分も試すまで気づいてなかったんですけどね・・・。
たとえアトランティスを採用してもツーヘッドはほぼ必要になります。

さらに素材の数に着目し、元より高い打点をさらに伸ばすカードをいくつか採用します。
それがオーバーレイブースターストイックチャレンジです。

オーバーレイブースターは対象のエクシーズのその時の素材の数×500の打点上昇永続的に付与します。
召喚条件で3~5体までの素材を要求するシャークカイゼルは、ライトハンド・レフトハンドを経由した場合でも、召喚してすぐに使えば1500~2500の上昇値を得られ、付与された耐性によって永続的な上昇という点も活かせます。
また、この効果に同名ターン1はないため、2枚目や異次元からの埋葬を使えば連打も可能で、大きな上昇値を得られるシャークカイゼルならたった2回でも瞬時に3000~5000打点を得られます。

ストイックチャレンジは装備モンスターに自分フィールドのエクシーズ素材の数×600の打点上昇と戦闘ダメージの倍化を行います。
出したターンにすぐに使えばシャークカイゼルは4000~5200打点になります。
素材1つごとの上昇値はシャークカイゼル本来の数値のほうが高いので、維持した後なら4400~6400打点になります。
(発動条件に素材が最低限1つは残っていないといけないため、カウンター数は2~4が限界になります)
この上昇値を見ての通り、このカードをシャークカイゼルで活かすならどのタイミングでも多い素材で出したシャークカイゼルほど強力になります。
このカードのデメリットである「効果の発動ができない」点は、起動効果を使った後に装備すればないに等しいデメリットです。このカードは相手のエンドフェイズに自動消滅し、装備モンスターは本来なら破壊されますが、レフトハンドによって破壊耐性を持った状態なら破壊されません
すなわち、この運用におけるストイックチャレンジは出してすぐに使ってもシャークカイゼル本来の素材数の多さから倍化ダメージ分も含めた火力を期待でき、ある程度維持した後に使っても同様どころか、他にエクシーズを並べて大きなダメージを狙えるといういつ使っても強いカードと化します。
当然、フィールドに素材があればあるほど上昇値は高いので2体目以降を並べる事すら利点にし得るカードです。

ここまでの運用方針によって、シャークカイゼルはオーバーレイブースターストイックチャレンジ瞬時に攻め込むこともでき、できなければ維持することで大きな脅威へと変貌し虎視眈々と止めを狙いに行くことができるようになったと言えるでしょう。

サンプル構築


第九回医学会での構築

構築としてはまずライトハンド・レフトハンド・ツーヘッドを即座に揃えることを意識しています。
これらが揃えば2体目以降でも容易に出せるためです。
サラキアビスデッドリーフの墓地肥やし、アビスシャークのサーチを駆使して揃えます。
ちなみにレフトハンドのレベル変更は狙う必要がなく手札・墓地のどちらに揃えてもOKです。

アビスシャークは召喚権を使わずにツーヘッドをサーチできる強力なカードで、どのタイミングでも欲しいカードです。
特にフィールドに水属性が残っていてライトハンドが蘇生できない場合、召喚権を使わずにコーラルアネモネをリンクし、ライトハンドを蘇生しシャークカイゼルにつなげる流れを作るカードとして非常に重宝します。
そのためマーメイドシャーク氷結界と、それを持ってこれるマーレラトラップトリックによって優先して手札に来るようにしています。

オーバーレイブースターとストイックチャレンジを持ってくるために、それぞれのどかな埋葬アームズコールを採用します。これらはトラップトリックで状況に応じて選べるようにできる他、罠に比重を置くことでマーレラのトリガーにし召喚権を使わず水属性を生み出せるという点もあります。
ちなみにのどかな埋葬のデメリットは、オーバーレイブースターが墓地に送られたターンに発動できない制約を持つので意識しなくて問題ありません。
むしろオーバーレイブースターを落とす場合、おろかな埋葬とのどかな埋葬の間には差がないという事になります。

レアンコイリアオーバーレイブースターの連打に利用できるほか、氷結界の再利用、ライトハンドやレフトハンドが制約で除外された場合に対する備えともできます。

オーバーレイブースターが手札に来てしまっている場合は、クリスタルシャークとともにランク5を立てるかサラキアビスの効果でネレイアビスと交換を狙います。ネレイアビス自体も打点上昇を図れるので相性がいいカードです。

氷結界を採用しているので、ダメージを受けて展開できるガーディアンスライム神スライムとともに採用しています。出せれば対象耐性を追加で付与できるので、さらに強固な維持を狙えます。

その他のエクストラは打点補助ができるマスターボーイスパイダーシャーク、クリスタルとのコンボで打点補助も行えるステルスクラーゲン、魔法カードのサーチやフリチェの破壊を行えるシャークランサーを選んでます。
オーバーレイブースターの制約があるターンを無駄にしないために、シャークカイゼルの素材を使わずにシャークカウンターを増やす手段としてフリーザードンも採用しています。

最後に


今回の構築は自分が考えうる限りで最良のシャークカイゼルで戦うプランを作りました。
デッキとしての強さを考えれば、この構築なら素直にトライエッジリヴァイアか水属性ランク4を立てたほうが強いことは認めます
打点3300~4100+破壊耐性+効果無効をフリチェで打つ+戦闘破壊で除外する怪物が同じ動きで作れて、仮に耐性持ち相手に打点が足りなければネレイアビスで補えるので、打点だけが取り柄ではこれに対抗できているかはなんとも言い難いです。
自分ではもうこれが限界です。

今回は振り返れば、自分の中ではアシッドゴーレムとの違いは見出せるかが焦点となっていたように思います。
結果的にアシッドゴーレムとの差別化は克服したといえる答えは出せたと思います。
アシッドゴーレムとの差別化では、レフトハンド・ライトハンドを抱えながら切り裂かれし闇の効果を適用できる点なども考慮していました。
トライエッジリヴァイアとも素材数の違いによって大きなメリットを見出せると何か切り開けるかもしれません。

個人的には「どうしようもないレベルで癖が強い鮫を、持ち味を生かしながらここまで戦わせることができる。」という点は示せたと思います。
これだけでも遊戯王の面白さ感じませんか?
医学会の面白さの肝はまさにここにあると思います。

お前も鮫使いにならないか?

以上です。
長文読んでいただいた方、ありがとうございました。


最後に、今回の立役者。
バリアンのリーダー、シャークさんに感謝。

ありがとうナッシュフォーエバー


この記事が気に入ったらサポートをしてみませんか?