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シャークドレイクバイス【水属性運用実録】

始めに


カオスエクシーズといえば、その多くはRUM(ランクアップマジック)によって出現し、1つ上のランクのモンスターにランクアップするカード群です。

しかし、遊戯王ZEXALの初期ではまだこの構想が出来上がっていなかったのか、RUMを使わないランクアップしないカオスエクシーズが存在していました。

今回はそんな、ランクアップしないカオスエクシーズのうちの1体《CNo.32 海咬龍シャークドレイクバイス》の運用を考えていきます。

ピンチじゃないと起きない鮫


効果詳細については上記(またはWiki)を参照してください。

1ターン中に何度でも、フィールドのあらゆるモンスターの攻守をフリーチェーンで0にするという戦闘能力としてこれ以上はない最強の能力を有しており、かなり凶暴な鮫に見えます。

しかし、この効果は自分のライフが1000以下でないと発動できません
そしてこのかなり限定的な発動条件の効果が、この鮫の効果の全てです。
すなわち、ライフが1000を少しでも上回っている状態では、この鮫はその凶暴性をそがれたただの攻撃力2800の眠れる鮫でしかありません。
このカードは《No.32 海咬龍シャークドレイク》の上にそのまま出すことができ、実質的に《シャークドレイク》と同じ召喚条件なわけですが、当然ライフが1000以下でなければ効果を持ってるだけ《シャークドレイク》のままのほうがいい上、効果がないモンスターとしても同じレベル4が3体で出せる攻撃力がより高い《覚醒の勇士 ガガギゴ》がいます。
したがって、このカードを活かそうものなら眠れる鮫ではダメなのです

ただ、効果自体は強力なので、この鮫が起きてしまえば一発逆転につながるのでは?と考えるかもしれません。
ですが、話はそう簡単ではありません。

そもそもこのカードを出すには《シャークドレイク》のレベル4が3体という条件をクリアする必要があります。
この条件自体は、おなじみの魚族の力を使うなら《ライトハンドシャーク》《レフトハンドシャーク》《クリスタルシャーク》を墓地から続々と呼びだして、召喚権を使わなくてもこのカードまでつなげることはできます。
ただし、ここまででは《シャークドレイクバイス》を出しただけにすぎません
かの鮫はあらゆるモンスターの牙を折ることはできますが、その効力は自分のエンドフェイズまでであり、連続攻撃ができるわけではないので、その能力を十全に使うなら横にさらなるモンスターを用意しなければなりません
先ほどの例ならば召喚権は残っているのですが、《ライトハンド》《レフトハンド》を使って本来得ていた破壊耐性はこのカードを上に出すと失われる上、そもそも《シャークドレイク》には連続攻撃能力があります
よってたとえライフが1000以下でも、状況によっては《シャークドレイク》のまま戦ったほうが勝利につながる可能性すらありえてしまいます。

効果がフリーチェーンであることを活かせば、相手ターンの守りとしては一気に数体を攻守0にし戦闘ダメージを抑えつつ、次のターンの戦闘破壊を狙うというスタイルが取ることができます。
ただ、このカードに一切の耐性はないので、ライフが1000以下でなければ眠ったまま除去されることになりかねません。
幸いこのカードが水属性エクシーズであることから、水属性ランク3のモンスターに対し《エクシーズリバイブスプラッシュ》を使って出すことが可能です。
その点を使えば、ライフ1000以下の時に狙って出現させ、相手の計算を狂わすことができるかもしれません。
しかし、同じように呼び出せる対抗馬としてメイン中のフリーチェーン除去能力を持ち破壊されても後続が呼べる皆さんご存じの《No.4 猛毒刺胞ステルスクラーゲン》や、全モンスターの打点を1000下げることができ同じく破壊されても後続を呼べる《No.36 希望織竜スパイダーシャーク》などがいます。
ライフ1000以下というピンチ以外でも活躍する彼らのほうが少ないEXを取り合う中では軍配が上がってしまうでしょう。

ランク4水属性の面子の中で、その凶暴性で勝るものがいないのは間違いないのですが、その絶妙な召喚条件の重みと眠りから覚める時があまりにも限定的であるため、この鮫を起こさずともそれ以外のすでに起きてる面子で良くなってしまうのです。

眠れる鮫を叩き起こせ


上述したようにこの鮫を活かすには、ライフ1000以下にして起こすしかありません
当然、狙ってこれをやるにはライフを調整するしかないでしょう。
そのうえで効果を活かす仕組みを用意することも必要になります。
それらを同時にこなせる方法は果たしてあるのでしょうか。

実はあります。

それは《H-C クレイヴソリッシュ》《ロケットヘルモスキャノン》によるコンボです。
《クレイヴソリッシュ》ライフを500になるよう払うことで、バトルフェイズ開始時にモンスター1体の攻撃力を倍にするという《シャークドレイクバイス》の効果発動条件を一発で満たしながら《シャークドレイクバイス》を強化するバチクソ噛み合った効果を持ちます。
さらにこの《クレイヴソリッシュ》戦士族なので《ヘルモスの爪》を使い、《ロケットヘルモスキャノン》に変えることができます
《ロケットヘルモスキャノン》は、出した瞬間モンスター1体に自動的に装備され、装備モンスターは守備貫通と2回攻撃が可能になります。
《クレイヴソリッシュ》の倍にする効果は発動さえすれば《クレイヴソリッシュ》がいなくても適用されます
すなわち、この2枚が揃えば守備貫通+2回攻撃+攻撃力倍というとんでも脳筋強化を《シャークドレイクバイス》に付与することになります。

《シャークドレイクバイス》の能力は1ターンに何度でもフリーチェーンで攻守を0にできるので、このとんでも脳筋強化を使えば《シャークドレイクバイス》の2倍の攻撃力、すなわち5600の戦闘ダメージを2回与え、11200ものライフを削ることが可能になります。
8000を簡単に超えてゲームエンドです
しかも、守備貫通な上にダイレクトも可能なので相手のモンスター数・表示形式は無視できます
もちろんダメージステップで使える効果なので、裏守備がいようとお構いなしに5600のダメージを叩きこむことができ、逃げ場はありません
たとえ効果耐性を持ったモンスターがいても、8000から3200の超過分が存在するので、攻撃力3200までの戦闘破壊可能な効果耐性モンスターは無視できます

ただし、このコンボには
1.《クレイヴソリッシュ》を場に出す
2.《ヘルモスの爪》を手札に加える
3.《シャークドレイクバイス》を素材2以上で場に出す
の3つの条件が必要になります。
全てを出そうとすると、戦士族のレベル4モンスター2体+レベル4のモンスター3体+《ヘルモスの爪》が必要です。
モンスターが5体も必要で、2体は戦士族でなければならず、その上特定のサーチ方法を持たない《ヘルモスの爪》のサーチが必要と、一見するとサーチ困難なカードも含めた6枚ものカードを必要とするこのコンボはとても容易には見えません

しかし、なんとこのコンボを容易に揃える方法があります。

そのキーとなるのは《フュージョンデステニー》《D-HERO デッドリーガイ》、そして《希望皇アストラルホープ》です。

まず《フュージョンデステニー》《D-HERO デッドリーガイ》の2枚を駆使して以下の3枚のD-HEROを揃えます。

《フュージョンデステニー》による融合素材として《ダークエンジェル》《ディナイアルガイ》を墓地に送り、その後相手ターンに《デッドリーガイ》の効果で《ドローガイ》を墓地に送ります
すると、次の自分のスタンバイフェイズに、最初に《ダークエンジェル》の効果を使って、《フュージョンデステニー》の制約で自壊した《デッドリーガイ》と自身を除外し、通常魔法である《ヘルモスの爪》をデッキトップに置き、その後《ドローガイ》の効果で《ドローガイ》自身を蘇生+お互いに1ドローを使うことで《ヘルモスの爪》のサーチができます。
その上、《ドローガイ》がレベル4戦士族なので、もう1体のレベル4戦士族を用意すれば《クレイヴソリッシュ》が出せるというわけです。

ここで、もう1体のレベル4戦士族として用意するのが《希望皇アストラルホープ》です。
《アストラルホープ》は1枚と引き換えにカードのサーチができますが、その中でも今回は《ゼアルコンストラクション》を経由して《RUMバリアンズフォース》をサーチします。

《シャークドレイクバイス》CNoなので《バリアンズフォース》の効果でランク3海竜族の上に出すことができます。
そしてランク3海竜族には《No.47 ナイトメアシャーク》が存在し、事実上レベル3を2体用意すれば《シャークドレイクバイス》を出すことができます。出してすぐの《ナイトメアシャーク》なら《シャークドレイクバイス》の素材は3つになり、先ほどのコンボの条件も満たせます。
よって今回はレベル3を用意することになりますが、ここで活躍するのが先ほど《フュージョンデステニー》で墓地に送ったレベル3である《ディナイアルガイ》です。
《ドローガイ》が存在していれば《ディナイアルガイ》を蘇生できるので、ほかにレベル3を1体用意すれば《ナイトメアシャーク》が出せます。
《アストラルホープ》はエクシーズがいれば特殊召喚できるので、レベル3に召喚権を割いても問題ありません

ここまでの動きを整理すると、以下のようになります。

1.《フュージョンデステニー》の効果でデッキの《ディナイアルガイ》《ダークエンジェル》を素材に《デッドリーガイ》を融合、ターンを渡す。
2.次の相手ターンに《デッドリーガイ》の効果で、デッキの《ドローガイ》を墓地へ送る。この相手ターンの終わりに《フュージョンデステニー》の制約で《デッドリーガイ》は自壊。
3.次の自分のスタンバイフェイズに《ダークエンジェル》の効果を発動。《デッドリーガイ》《ダークエンジェル》を墓地から除外し、デッキトップに《ヘルモスの爪》を置く。
4.《ダークエンジェル》処理後に《ドローガイ》の効果を発動。自身を墓地から蘇生する。
5.蘇生した《ドローガイ》の効果を発動してお互いに1ドロー。この時デッキトップは《ヘルモスの爪》なので、《ヘルモスの爪》が手札に加わる。
6.メインフェイズに《ドローガイ》が場にいることで《ディナイアルガイ》の効果で自身を蘇生。
7.レベル3のモンスターを召喚し、《ディナイアルガイ》とレベル3モンスターで《ナイトメアシャーク》をエクシーズ召喚。
8.《ナイトメアシャーク》が存在するので手札の《アストラルホープ》の効果を発動して特殊召喚。
9.《アストラルホープ》の効果で《ゼアルコンストラクション》をサーチ、《ゼアルコンストラクション》を発動して《バリアンズフォース》をサーチ。
10.《バリアンズフォース》《ナイトメアシャーク》対象に発動。《ナイトメアシャーク》の上に重ねて《シャークドレイクバイス》を特殊召喚。
11.《ドローガイ》《アストラルホープ》《クレイヴソリッシュ》をエクシーズ召喚。

これによって場に《クレイヴソリッシュ》《シャークドレイクバイス》、手札に《ヘルモスの爪》が揃い、先ほどのコンボが成立するというわけです。
この動きでは《ダークエンジェル》と《ドローガイ》の効果を使うことで、相手に通常魔法を1枚渡してしまいますが、このターン中にゲームエンド級のダメージを放り込むので気にしなくて問題ありません。

この動きを行うために必要なカードを整理すると

「フュージョン」に属しサーチ手段のある《フュージョンデステニー》
・低ステータスかつ光・戦士族で《聖騎士の追想イゾルデ》などサーチ手段がいくつもある《アストラルホープ》
任意のレベル3モンスター

一見サーチの難しい1枚を含んだ6枚が必要に見えたコンボは、サーチが容易な2枚非常に緩い条件の1枚合計3枚に置き換わっています。この3枚であれば実現性があるコンボに見えるのではないでしょうか。

このコンボを実現する例として捕食植物幻影騎士団の利用を紹介します。

捕食植物は言わずと知れた《捕食植物オフリススコーピオ》《捕食植物ダーリングコブラ》レベル3であり、《ダーリングコブラ》《フュージョンデステニー》をサーチできます。


幻影騎士団はほとんどのモンスターがレベル3で構成されており、戦士族なため《聖騎士の追想イゾルデ》が容易にリンク召喚でき、《アストラルホープ》のサーチにつながります。
また、《幻影騎士団ティアースケイル》などからレベル3の蘇生・展開が容易で、レベル3を用意することが非常に簡単になります。


また、この2つのテーマは闇属性で共通しており、捕食植物は《捕食植物ビブリスプ》という墓地に送ることで捕食植物のサーチが可能なカードを持ち、幻影騎士団は言わずもがな墓地効果を持つテーマなため《終末の騎士》《マスマティシャン》などの墓地を肥やすカードでサポート共有が容易です。

これらのポイントをうまく利用すれば《フュージョンデステニー》《アストラルホープ》レベル3のモンスターの3枚を比較的容易に揃えられる構築が実現できます。

このように一見揃えるのが難しそうなコンボがサーチのしやすいカードに置き換わって容易になることで、素早く起きて決着をつける恐るべき鮫の姿が拝めるようになったのです。

サンプル構築


さて、上では捕食植物幻影騎士団の組み合わせを紹介しましたが、今回サンプルとなるMDでの構築ではあるカードが利用可能なため、より早い方法が存在します
今回はそちらをサンプル構築として紹介します。

MDでのサンプル構築

より早い方法とは、皆さんご存じなぜかMDでは禁止になっていない《捕食植物ヴェルテアナコンダ》です。
このカードが存在するMDではなんとレベル3のモンスターがなんでも2体揃えば、次のターンに《シャークドレイクバイス》のコンボが成立します
故にこの構築はコンボを自分の2ターン目に確実に決める事を目指して初手にレベル3を高確率で2体並べれるようにした構築になっています。

実際にどのような動きをするか紹介します。
主な動きのパターンは2種類存在します。これは《ティアースケイル》からスタートするか、それ以外からスタートするかによって分岐します。

まずは《ティアースケイル》を使わない場合を示します。

1.2体のレベル3モンスターで《彼岸の黒天使ケルビーニ》をリンク召喚。
2.《ケルビーニ》の効果でデッキから《彼岸の悪鬼グラバースニッチ》を墓地に送り、《グラバースニッチ》の効果でデッキから《彼岸の悪鬼ガトルホッグ》を特殊召喚。(※1)
3.《ケルビーニ》と《ガトルホッグ》で《幻影騎士団ラスティバルディッシュ》をリンク召喚。《ガトルホッグ》の効果で《ケルビーニ》を蘇生。
4.《ラスティバルディッシュ》の効果でデッキから《幻影騎士団ダスティローブ》を墓地に送り《幻影騎士団シェードブリガンダイン》をセット。
5.墓地に罠がないので《シェードブリガンダイン》を即発動。《ダスティローブ》の墓地効果で《幻影騎士団サイレントブーツ》をサーチし、《サイレントブーツ》を自身の効果で特殊召喚。
6.《サイレントブーツ》と《シェードブリガンダイン》で《聖騎士の追想イゾルデ》をリンク召喚。《イゾルデ》の効果で《アストラルホープ》をサーチ。
7.《イゾルデ》の効果で3枚の装備魔法を墓地に送り《幻影騎士団ティアースケイル》をデッキから特殊召喚。(※2)
8.《サイレントブーツ》の効果で《幻想霧剣》《幻影翼》のいずれかをサーチし、それをコストにして《ティアースケイル》の効果を発動。いずれかのレベル3幻影騎士団を墓地へ送り、コストにした《幻想霧剣》《幻影翼》の墓地効果でレベル3幻影騎士団を蘇生。
9.《イゾルデ》と《ケルビーニ》で《アナコンダ》をリンク召喚。
10.《ティアースケイル》と蘇生したレベル3幻影騎士団で《幻影騎士団ブレイクソード》《ラスティバルディッシュ》のリンク先にエクシーズ召喚。
11.《ラスティバルディッシュ》の破壊効果で《ブレイクソード》を破壊。《ブレイクソード》の効果で素材としていた2体をレベル4で蘇生し、この2体を素材に《クロノダイバーリダン》をエクシーズ召喚。
12.《アナコンダ》の効果でデッキの《フュージョンデステニー》をコピーし《デッドリーガイ》を融合召喚。

後は上述したコンボをやるだけです。
この動きを行った場合、《クロノダイバーリダン》が存在するので自分のスタンバイフェイズ時に《ダークエンジェル》の効果を使った後、《リダン》の素材追加効果を使い、相手のデッキトップにある通常魔法を素材に追加、その後《リダン》の魔法カードの素材を取り除いた時の1枚ドロー効果を使うという動きができます。
これによって相手に通常魔法を渡すことすらなくなります
また、《リダン》自身を除外する効果を使って素材を取り除いておけば、墓地に《ティアースケイル》と除外可能なレベル3幻影騎士団が存在するので、《ティアースケイル》の蘇生+《ディナイアルガイ》で《ナイトメアシャーク》を揃えることができます。

次に《ティアースケイル》からスタートする場合を示します。

1.《ティアースケイル》の効果で《ダスティローブ》を墓地に送り、《ダスティローブ》の墓地効果で《サイレントブーツ》をサーチし特殊召喚。
2.《ティアースケイル》と《サイレントブーツ》で《ケルビーニ》をリンク召喚。
3.先ほどと同様に《グラバースニッチ》《ガトルホッグ》を利用し、《ラスティバルディッシュ》と《ケルビーニ》の2体を揃える。
4.《ラスティバルディッシュ》の効果で《幻影騎士団ラギットグローブ》を墓地に送り、《シェードブリガンダイン》をセット。
5.墓地に罠がないので《シェードブリガンダイン》を即発動。《ラギットグローブ》の効果で《幻想霧剣》《幻影翼》のいずれかを墓地に送り、その《幻想霧剣》《幻影翼》の墓地効果で《サイレントブーツ》を蘇生。《ラギットグローブ》か《幻想霧剣》《幻影翼》が除外された際に《ティアースケイル》の効果を発動して自身を蘇生。
6.《サイレントブーツ》と《シェードブリガンダイン》で《イゾルデ》をリンク召喚。《イゾルデ》の効果で《アストラルホープ》をサーチ。
7.《イゾルデ》の効果で3枚の装備魔法を墓地に送りレベル3幻影騎士団のいずれかをデッキから特殊召喚。

これによって《ティアースケイル》以外からスタートした場合の手順8.と同じ盤面に合流できます。
したがってそれ以降の動きを同様に行ってコンボにつながります。

この2種類のパターンではどちらも※1《グラバースニッチ》《ガトルホッグ》を使った動き※2《イゾルデ》と装備魔法3種を使ったリクルートを行う必要があります。
どちらもデッキから墓地へ送ったり展開するため、手札に来るとこの動きができなくなる可能性があります。
これらを回避するためにそれぞれリカバー手段を用意しています。

※1への対策として《彼岸の悪鬼リビオッコ》を採用しておきます。《リビオッコ》は墓地に送られれば手札から《グラバースニッチ》《ガトルホッグ》を展開できます。
《グラバースニッチ》のみが手札にある場合は、《ケルビーニ》から《リビオッコ》を墓地に送り手札の《グラバースニッチ》を展開、《ラスティバルディッシュ》をリンク召喚した後、デッキから特殊召喚された《ガトルホッグ》がそのまま自壊し《ケルビーニ》を蘇生できます。
《ガトルホッグ》が手札にある場合は、同じように《ケルビーニ》から《リビオッコ》を墓地に送り手札の《ガトルホッグ》を展開すれば同じ動きに合流できます。

※2への対策としては採用する装備魔法を《執念の剣》《一角獣のホーン》《月鏡の盾》のデッキに戻せる3種で構成して回避できるようにしています。
《一角獣のホーン》《月鏡の盾》は素材にするモンスターに装備して墓地に送ればデッキに戻ります。《執念の剣》も同様ですが、《ティアースケイル》などの手札コストが必要な初動スタートでは、手札コストにして無駄なく戻せることは念頭に置いておきます。

《デッドリーガイ》用の手札コストが足りない場合の対策として《E・HEROシャドーミスト》を採用しています。
《フュージョンデステニー》で片方の融合素材を《シャドーミスト》にし、本来融合素材とするD-HEROを手札に持ってきてコストにすることで、同じ動きを実現しながら手札コスト1枚分を気にしなくてよくなります。

このようにいくつか対策していますが、手札事故が0というわけではありません。
先ほども挙げた彼岸モンスター装備魔法、《ディナイアルガイ》以外のD-HERO《シャドーミスト》ファントム罠、サーチ先で手札コストにできない《アストラルホープ》《ヘルモスの爪》《ゼアルコンストラクション》《バリアンズフォース》といった初動にできないカードだけが初手に来ると当然動くことはできません。
1枚初動でも手札コストは必要なパターンがあるため、例えば手札コストが必要な《セアミン》と手札コストにできない4枚が集まってしまうと動けません。
こういったいくつかの初手事故パターンは存在しますが、いずれも1~2枚程度引いただけなら問題にはなりません
また、これら初動以外を複数枚引くという初手事故確率を極限まで下げるため、あえて大量の初動手段を採用して60枚構築にしています。

初動に関しては《ティアースケイル》《オフリススコーピオ》《NoーP.U.N.K.セアミン《魔界発現世行きデスガイド》の4枚が1枚(+手札コスト)からレベル3を2体展開できるカードです。
《ティアースケイル》は《増援》、《オフリススコーピオ》は《ローンファイアブロッサム》、《セアミン》は《NoーP.U.N.K.フォクシーチューン》《NoーP.U.N.K.オーガナンバー》《緊急テレポート》がサーチ・リクルート手段として存在し、そのまま初動の動きに移行できるので、これらも全て1枚初動になります
《デスガイド》からスタートした場合は《グラバースニッチ》をリクルートできるため、《ケルビーニ》で墓地に送るカードをレベル3幻影騎士団にすることができます。
墓地送りを1枚分浮かせることができるので、これによって《幻影霧剣》などを防御として使えるようになります。
《オフリススコーピオ》からスタートした場合は《フュージョンデステニー》を直接手札から使うことができるので《ケルビーニ》《イゾルデ》を素材に《トロイメアグリフォン》を出し強力なロックを仕掛けることもできます。
《オフリススコーピオ》と《セアミン》はリクルート先を全て引いてしまうと機能しなくなりますが、他の1枚初動や後述する特殊召喚可能なレベル3を引いていればそういった状況でも問題なくなります。

これ以外では特殊召喚可能なレベル3も可能な限り採用しています。
これらのカードは主に《ティアースケイル》以外の幻影騎士団を引いたうえで1枚初動がない場合に利用します。
もちろん、この特殊召喚用のレベル3が2枚以上初手に来た場合でも、それらを展開すれば動けるようにしておきます。これには《ジャンクフォワード》《影無茶ナイト》《切り込み隊長》などが最適です。《サイコトラッカー》《サイコウィールダー》同名以外のレベル3を要求するので採用しても1枚です。

コンボで利用する以外のEXモンスターは主に魔法罠除去を目的としたカードを採用しています。
普段ならフィニッシャーである《アクセスコードトーカー》ですが、今回はチェーンを許さずにセットカードを除去できる点に注目した採用です。
それ以外では《超量機獣グランパルス》《トロイメアフェニックス》《ラスティバルディッシュ》を詰めのセットカード除去に利用します。
これらの展開には幻影騎士団の展開力や余っている1枚初動を利用していきます。

終わりに


今回は《シャークドレイクバイス》の概要と運用方法について紹介してきました。

MDでは上記のように恐ろしく速いスピードで揃える手段を構築できているのですが《アナコンダ》なき紙の環境のような状態になった場合どうするかは、実はまだ研究している最中です。

一応リペア手段は考えてあり、《終末の騎士》を《イゾルデ》でリクルートし《ビブリスプ》を落として《オフリススコーピオ》をサーチ、《終末の騎士》《イゾルデ》《ケルビーニ》を素材にした《鎖龍蛇スカルデット》で展開するという方法が考えられます。
この方法では手札コストが《オフリススコーピオ》用に1枚増えますが一応2体のレベル3からスタートできてコンボ自体は可能です。上述のように《デッドリーガイ》のコストは《シャドーミスト》で賄えるので、手札枚数がギリギリでもなんとかなります。
《オフリススコーピオ》《ダーリングコブラ》から《虚空海竜リヴァイエール》《ダスティローブ》を帰還しリンク素材などで墓地に送れば次のターンのレベル3確保も確実にできます。
《終末の騎士》にはターン1がなく《ジーランティス》が出せる盤面なので、そちらからもう少しいいルートがないかという模索もしています。

《フュージョンデステニー》を使わない手段として、たとえば《スプライトスプリンド》から墓地に送れる《ティアラメンツメイルゥ》となんらかのD-HEROで融合するという方法もあります。
《イゾルデ》から任意のD-HEROをリクルートして《スプリンド》をリンク召喚して融合すれば、《イゾルデ》のサーチを《アストラルホープ》に充てることも可能です。
しかし《イゾルデ》から本来呼び出していた幻影騎士団が出せない点や、たとえ《ベアトリーチェ》を出しても2体までしか任意のD-HEROを墓地に送れず《ディナイアルガイ》が墓地に送れない点がややネックです。これらは次のターンのレベル3をどう並べるかに響きます。
したがって《フュージョンデステニー》をサーチして打つほうが後のコンボを安定させやすいのは確かです。
スピードは落ちるものの《オフリススコーピオ》から確実にスタートできるようにするのも一つの策であり、その意味で捕食植物+幻影騎士団という構築も今回例として提示しました。

また、実は《ナイトメアシャーク》の効果を利用して《クレイヴソリッシュ》《ヘルモスの爪》のコンボを使ってもぴったり8000ダイレクトで勝てるのですが、《ナイトメアシャーク》の直接攻撃効果は他のモンスターの攻撃を不可にするので、《シャークドレイクバイス》を使った場合では《リダン》や幻影騎士団のリソースから展開できるカードの攻撃も可能な点を考慮すると一長一短と言えます。
もっとも《クレイヴソリッシュ》《ヘルモスの爪》のコンボは対象を選ばないので残念ながらとんでもなく応用が利きます。なんなら《アクセスコード》でもいいわけです。
実際自分もこのコンボを《アンチホープ》に応用してますので・・・。

しかし、ライフを500にできるという特殊性に加え、フリーチェーンかつ守備力も0にできる事を活かして貫通付与をし、1ターンに1度ではない事を活かして2回攻撃させるという点では、このコンボ以上に《シャークドレイクバイス》にここまでマッチするコンボはなかなかないのも事実です。
現状《シャークドレイクバイス》を利用する最強のコンボだと言っても過言ではないでしょう。

長文でしたが、ここまで読んでいただきありがとうございました。
また次回の【水属性運用実録】でお会いしましょう。

より多くの水属性を救うため、我々は研究し続けるのである。


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