2021/08/06

愚鈍でいられる側の身体が欲しかった、と思う。
突っ込む側でレイプできる側で、人を怯えさせる力を持ってる側の身体。
自身の容姿が見えない素敵な目をお持ちなのか、他人の容姿を競りにでもかけるようにして品評する側の身体。
愚鈍に快適に生きていける強者の身体を持ってるあなたたちが羨ましい。
ひとりで帰り道を歩く怖さも事あるごとに加齢臭を撒き散らすような人間に年齢を引き合いに出される鬱陶しさも成果を出してもその努力が見た目や性別で貶められる虚しさも中肉中背だらしない身体の取引相手にオナニーのために説教される的外れなかったるさも気持ちのいい夜に好きな音楽を爆音で聴けない歯痒さも一銭の金にもならない真冬に短い制服をバイト先で着させられる憤りも楽しく買い物をしていた店内でつけ回される気色悪さも公園で酔い潰れた男に心配になって声をかけたら無理やりフェラさせられるようなエロ漫画と世界を混同してる使い物にならない脳みそにつきあわされる最悪さも、
赤の他人から定期的に身の毛がよだつような心が捩じ切れるようなことを言われたりされたりする世界を知らないあなたたち。
当たり前のように隣の席まで足を広げて座っている横で、あなたの身体にくっつかないように身を縮こませていることも気づいてないのだろう、だってあなたはいつも快適だから。
 

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