わかりあえないおっさんという生き物とわたし

2019.3.19

就活のせいで、知恵熱が出た。
知恵熱というのか知らないけど、とにかく熱が出たというか、出てる。ばりばり現在進行形で出てる。あほみたいに出てる。

初の「ちゃんとした」面接のために、前の日の夜に上京し、姉の部屋に泊まってからというもの、ずっと具合が悪い。面接が終わって一度姉の部屋に戻ったときには、まじでもうどうしようもないほどに性根疲れ果てていて、東京から戻ってきて丸1日が経つ今も、幼稚園児みたいな熱を出してる。情けない。
Netflixでクィア・アイを観る元気もない。なので今日は熱でやることもなく、先日の面接で心身疲れきってしまった自分を鼓舞するために就活日記を書きます。

わたしの就活状況というのは今のところ全賭け、という感じで、ギャンブラーじゃないんだからと思いつつも、選考が着々と進んでるそのプチ本命である一社にしか時間を割けていない。
ネームバリューがなければそこまで気負うこともなかっただろうが、いかんせん肩書きには弱い人間なので、気負ってしまう。
それ以外で自分に合う企業とかしらみつぶしに探さないとわからないし、やっぱり大きな企業というのは、中小企業より手持ちの駒数が違うので魅力的だ。直属の上司がどんな人になるかとか、エントリーの時点ではわかんないし。

だからそこのESが通ったときは、本当にエッエッエッエッてなりました。イケメンが急に、「おまえ…… おもしれーやつ」って笑いかけてくれたみたいな感じ。
それゆえ選考が進むにつれ、「あなたが大本命です!」みたいな気持ちになってしまう。単純なので。

学歴を重視しない傾向にある業界だからかは知らんけど、とりあえず志望する学生はあほみたいに多く、その業界においての四天王みたいな企業に受かるのは奇跡みたいな倍率らしい。他の業界とか知らないから全部憶測なんですけど。
ESの人数はわからないけど、筆記の時点で1400人ぐらいいて、一次面接は300人ぐらいだった。なのにESも筆記も通過してこれたのだ、えらすぎる。身一つでここまでこれたのは、まじでえらすぎる。
そう褒めまくってあげたいぐらい、まじでえらいのだ。ゼミも卒論もないような学歴でもけちょんけちょんな大学の人間にしては頑張ってる方だと思う。とか肯定しまくってないと不安でしにそうになるからね。

しかし問題なのは先日の一次面接です。
業界的にも冴えない就活生が多く、面接官もまあ、なんていうか、冴えなかった。広告業界とかとは違って、見た目採用とか全くなさそうなので、その点はすごく信頼できる。まあほんと何も知らないので、顔採用とか実際多少はあるかもしれませんが。

自分の主張や志望動機的に若めの女の人がいいなーと思っていたのだけれど、中堅みたいなおじさんふたりが、わたしの運命の相手だった。
係りの人が彼らに面接シートを渡した時点でわりと笑っているのが聞こえ、いやこれいい意味でウケてる?! 悪い意味でウケてる?! ってわりと動揺しちゃって、手汗が尋常じゃなくて笑えた。心臓のBPM180ぐらいだった。

手始めに志望動機を訊かれたけど、ぶっちゃけ志望動機なんてここで働きたいと思える尊敬している大好きな人と対等に関われるからで好きなことがやれるからだよバーーーローーー! という感じだったけど、捻り出してきたやつでなんとか乗り切った。
そのあとは、整形失敗して自己肯定感が上がったのはなんで? とか、インドネシア語話せるのはなんでかとか、そういう部分ばかり突っ込まれ、

つーーーーか男で中年で、夜道を歩くのにも後ろを振り返らなきゃならない怖さとか自分のためのおしゃれでレイプされるのは当然みたいな認識の不当さとか、不細工な男に外見をいじられる不愉快さとか、それにより自己肯定感ごりごり削られる悔しさとか虚しさとか、世間の男に搾取されてて対等な生き物として見られてない感じとか、

おまえらおっさんとして生きてきた男にわかんのかよ!!!!!!!!
そういう女の子たちを、生きづらい女の子や女の人たちを作品って形で救いたいだけなのに!!!

となり、後半少し涙目になってしまった。きもいね。入社したらやりたいことをもっと突っ込んで訊いてくるんだと思ってたので、見事に計算違いでした。突っ込みどころありまくる書き方しちゃったわたしも悪いのかもしれない。

でもこれは致し方ないことっていうか、性別が違う時点でもうどうしようもない、根底からわかりあえない部分だとはわかってるのでべつにいいんですが、組織の上層部が男の時点でなんかその、全然伝わってないんじゃないかなと思いました。
関係ないかもだけど、ひとりめっちゃ作り笑顔で怖かったし。終始。

用意不足だったし力不足だったのは自分の責任なのでその点に関してはわたしが愚かなだけだけど、女の子たちのための作品を出しました! とかポスターをでかでかと作って声高に言っていても、
世代的にもやっぱりそこに属する男性みんながみんな、その気持ちを理解できてるわけではないんだな、作品として売れるだろぐらいにしか思ってないんだろうなと思って、悲しくなってしまったよ……。

しかしこれは、けしておじさんたちが悪いわけではない。わたしもおじさんだったら女を搾取していると思う。女の時点で、こちらとしても当てつけで男を搾取している実感はあるから、実感があるだけ彼らよりかはましかなとは思うけど。
それてもやっぱり、やりきれないというか切ないというか、はやくわたしらの世代の人間がお互いを人間として見られるようになればいいなーと思いました。自分も込みで。

あと定期的に就活の進捗を報告できる、就活とはかけ離れたところにいる相手がいてくれると、ちょっとだけ頑張れるね。
いつふりだしに戻ってしまうんだ、いや、わたしならいけちゃうでしょ、とか相反する思いを矜持を抱えて張り詰めてる精神に、えらいじゃん、すごい、頑張ってるじゃん、って添え木してくれるような。
みんな、肯定されてこ~!!

それとほんと同期や先輩がこんな大変なことを乗り切ってきたのまじですごいなと思う。ナチュラルに尊敬。
内定もらうもらえないとかじゃなく、そういうしんどい思いをするぞ、ってわかったうえで就活し続けていたの、すげーなと思う。運ゲーとか就活という形式が自分には合わないとかわかってるうえでも、それを選ぶのってえらいし、大事なことだよねえ。そこまでの気概じゃなかった人もたくさんいるんだろうけど。

これから先もこれが少なくとも4、5回は続くんだと思うと、それだけで熱上がりそう。冴えないおじさんたちに捻くれてそうなおじさんたちに、今の自分は負けてるんだと感じるのが悔しい。身体の内側からもどかしさで引っ掻きたくなる。
さらにバイト先に休みの電話をしたり、代わりの人を見つけたりしまくり、そのたびに40を超えた爪の長い太ったバイトのおじさんがクソ迷惑そうに顔を歪めてくるのを想像すると、くあーーってなるね。ストロングゼロしたくなるってなもんよ。みしまに感化され、肥満は悪だと思ってるのでなおさら。

しかし今まで受験とか頑張ってきたことがなくなあなあでやってきたので、就活ぐらいは頑張ってみようかなと思う次第です。えらい。向上心の塊か?

この記事が気に入ったらサポートをしてみませんか?