「突発性難聴」になった話。(2009年7月11日記述)

※この記事は、過去に個人サイトのブログに掲載していたものを転載したものです。記述内容や感想は当時のものになります。ご了承ください。

※病気のことについての「個人的な体験記」なので、正確ではない部分はご容赦ください。14年前の体験記ですので、治療の方法などは現在とは違うかもしれませんが、「気付いたら即医者」だけはおそらく今でも同じです。

 

「突発性難聴」というややこしい病気にかかりました。


 浜崎あゆみがなったとかいうアレです。べつに嬉しくないけど。
 文字通り、いきなり耳が聞こえ辛くなる症状です。


 以下、事の次第。

 最初はなんとなくの違和感から始まりました。
 なんとなく街ゆく自動車のエンジン音などの低音が、いつもよりえらく響く様に感じた。

 その後2日ほどは、耳の聞こえ方がなんとなくおかしい、なんか響くような、なんとも言葉で表現しづらい違和感を感じてるものの、痛いとか不便とかが特に無かったので、とりあえずしばらく様子見してました。

 最初の違和感から3日目、いつもどおり電話に出ると、声がやけに遠い
相手は携帯でもなさそうだし、こんなに遠いのは異常だなと思いつつ、なんとか要件を済ませる。

 そして二回目の電話。やっぱりえらく遠い
 いやあな予感がして、

左耳でとっていた電話を右耳に換えてみると、案の定普通に会話できる。


 焦りつつも、現状をできる限り確認。どうやら右が10だとすると、1くらいしか聞こえてないみたい。
 指で耳の穴をふさいで見ると、肌どうしがこすれるカサカサいう音は聞こえても、耳特有のゴソゴソといった低い音がまったく聞こえない
 どうやら最初の「低音がうるさく聞こえ」たのも、

左が聞こえない分右ががんばって補完して
るためらしい

(これはしばらくたってから気付いたというか思い当たった)
 同様に風の音も右しか聞こえず、右耳をふさぐと音がぴたっと止まる。これは不謹慎(?)ながら、

ちょっとおもしろい。

 …いや、面白がっちゃいけない。

 いまいち深刻さが描けるのは、片耳は普通に聞こえてるからなんだろうな。
 でもやっぱり不便は不便で、左から話しかけられると聞こえ辛いし、正面でもいつもよりもちょっと集中力がいる
 しかしなんといっても、左で電話が出来ないと、仕事でもプライベートでも不便すぎる。
 それに、立体音の迫力が一生味わえないのも、映画好きとしてはつまらなすぎる。

 やっぱ医者にいかんといかんかなぁとか思いつつ、仕事の都合ですぐには行けず。
 その間、じわじわとではあるが左耳が回復しつつあるっぽいのに気付く
 ボリューム的には4~5くらい、音質は壊れたラジオで聞いた感じ。

 (´-`)。oO(このまま医者にかからず治ってくれないかなぁ…)

 とか甘いことを一瞬思いつつも、ネットジャンキーの常として「難聴」でググって見る。
 状況や症状からして、どうやら「突発性難聴」という症状らしい。
 基本的に原因不明…、疲労やストレス・寝不足などで起こるとも言われてる…って、最近はよく寝てるし、ストレスは感じやすい方だけど最近特別何か合ったわけじゃないしなぁ…。
 でもどうやら器官の異常ではなくて、神経系のなにからしい。

調べて一番あせったのは、

「発症して2週間以内に治療をを始めないと、後遺症が残りやすい」


 はあ…。やっぱ医者に行くしかないですか…。



 で、一番近くにある大き目の病院へ行って見ました。

 まずは聴力検査
 結果の書いてあるグラフを見たら、見事に差のある折れ線グラフが2本で妙に納得。

 そして待合室で待つ間、もともと好きな絵本(子供さん用に置いてある)を物色。
 おそらく一番最初のものと思われる「あんぱんまん」「それゆけ!アンパンマン」の2冊が!
 うわぁアンパンマン、最初の頃は指がまだくっきり5本あって、

ちょっとキモい。


 しゃべり方が変にダンディで違和感バリバリ。あと「あんぱんまん」ではジャムおじさんではなくて、ただのパン工場のおじさんになってる。
 あと初版の年度を見ると、「あんぱんまん」の方が新しいのはなぜだ。絵柄も「それゆけ」の方が今の絵に近いのに。

 いやいや、別にノンキなわけじゃないですよ?これはこれでちと感動したもので。やなせ先生大好き!


 さて。

 初めての症状でなによりドキドキなのが、お医者さんの当たり外れですが、大当たりの範囲に入る先生でした。
 真面目そうでそれでいてぴりぴりした感じがなくて、ちょっと早口だけどはきはきしてて親切そう。ここで自分としては大きな関門一つクリア
 実際お医者さんと合わないと、完治する前に心が折れそうになるので。

 症状を話して、即答であっさり「突発性難聴」と言われる。まじで?ほかに可能性は無いの?
 まあ、ここまできっぱり言われるんだからそうなんだろうて。

 で、治療の計画をうかがう。まず、

一週間毎日点滴

。うわ~。困る~。生活にでっかい支障が~。

 でも他に手段はないみたいなので泣く泣く承諾。

 反面「ステロイド剤」という、お医者漫画やドラマでしか聞いたことない単語に密かにときめいてるあたりが腐ってもオタク。いや、オタクだから元から腐ってるのか。
 あとは毎食後に4種類の薬を飲み続けること。こっちはまあ楽勝。飲み忘れさえ気をつければ。

 とにかく2時間かかるという点滴毎日コースにくじけそうになるも、お医者さんの励ましでなんとか前に進もうと思えるのよさ。あっちょんぶりけ。

 で、診察の後すぐ点滴~とはならず、しばし待たされる。この待たされるのが一番のネック。
 今まで書いてないですが、聴力検査の前も診察の前も、結構待たされてるわけです。
 この待ってる時間が一番辛い。とくに未知の病気で凹んでる時は。そして結構疲れる。

 ようやく点滴に呼ばれる。でもここからがまた長いわけで
 2時間かかると言われたので前もって売店買っておいたパソコン誌をもってGo。
 子供の頃喘息の治療でさんざん注射と点滴は受けてるので、そういうストレスはないんですけどね。

 とにかく2時間自由に動けない苦痛はたいしたもんだ。だいたい点滴なんて別にやる側が真剣だろうと不真面目だろうと結果は変わりませんしね。
 努力の仕様が無いのでホントやるせない。
 買ってきた雑誌も、普段は飛ばして読まないような記事まで読んでも、まだ30分もある。

エクセルにくわしくなった気がするよ!なんかむなしいけどな!


 でまあ、長きにわたる拘束から解放されて、お会計済ませて処方箋もらってようやく帰れる~。
 帰りに薬をかって説明を読んだら、胃薬以外はマジで神経や血流関係の薬で、だらけてた心がちょっとだけ引き締まる。



 …とまあ、以上が一週間前の話。


 その後、毎日の点滴(2時間から1時間→30分と、薬の量は減ってきました)と、時々検査と診察
 経過は遅いながらも回復はしてるみたいで、もう日常生活では何の違和感も感じないし、
 今日の検査でも左右の聴力の差はかなり縮まってきてるみたいです。やれ一安心。

 上の文では今振り返って書いてる分お気楽っぽく書いてますが、当時は不安でいっぱいでしたので、ようやくここまで来たって感じでなんか疲れました。

一週間ご苦労様、オレ。



 まあ、もうちょっとだけ治療は続くみたいですけどね~('A`)

お金も結構かかったしなぁ…。



 しかし毎日点滴受けてると、腕がジャンキーみたいでかっこいいですなw
 看護士さんはみんな親切でやさしいんだけど、時々注射がへたくそな人がいるのには閉口したなぁ。

その人のとこだけ、他のとこより痛みが長く残るんだよなぁ…。





※ここまでこのくそ長い文章を読んでくださった方には感謝。

 もしご自身や身の回りに「突然耳の聞こえが悪くなった」方がいらしたら、早めにお医者に行ってくださいね。



(7月24日追記)

 (前略)そういやその病院通いの件ですが、ちょっと前の日記で書いた耳の異常の治療の経過は良好でして、本日MRI検査をしたところ、異常も見られないということで、どうやら安心していいところまでたどり着いたみたいです。
 やれやれ。

 しかしMRI検査、

閉所恐怖症の私にはちょっとした拷問だったなぁ。


 あんな狭いところに20分も入れられてると思うと気が狂いそうになるので、検査の最中ずっと目を閉じて、なるべく
の状況であることを忘れる努力してました('A`;)

 あと、今回初めて自分の頭の輪切りを見ましたが、

本当に四角いな、俺の頭。


 検査の一時間後くらいなのに、脳内の血管が3DCGのようにくるくる回して観察できる様になってたのは感動しました。
 なにげにすごい技術のような。そうでもないのか?

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