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創りごと:僕

1日寝ると、あの怒りはどこへやら。
もう、どうでもいい。
僕のルーティーンに入れてあげればいいことじゃないか。簡単、簡潔、解決。

考えても分からないことを、考えるのは性に合わない。
でも、考えても分からないことを、それっぽく見せるのは得意なんだ。僕の日記はそんなことで満ちている。

例えば、この前は創作について。
“人間は、自由を欲して、自由を手に入れ、自由の堅苦しさに気づいてしまう。だから創る。わざわざ箱の中に世界を生み出す。そこは、とても不自由で限られていて、少なくとも創造者にとって思うままにはならない。でも、創造者は自由の縛りから解放されて、箱の中に不自由を感じる。それは、きっと人から見れば、とても自由な理想の世界だったり、現実を忘れられる場所ー自由を忘れられる場所だったりする。”

日記にここまで書いたものの、僕にはこの意味がよく分からない。

僕も創造物の1つだとすれば、もっとしっかりした骨組み、プロット、人物設定、ハッピーエンドを用意しておいてほしかった。
後味爽快なバッドエンドでも可。
でも、それはもう望まないことにしたから、僕は創造する。僕が傲慢から生まれた創造物なら、創造で傲慢さを笑ってやろうと思う。
だから僕は、日記を書く、創作する。

ついさっきまで、日記は儀式だって言ってたのに、今度は日記にもっともらしい理由が出現。
僕が得意とするところである。
どうして僕がここにいる?あなたが傲慢だからだよ。なーんてね。
僕にとって、理由は言葉遊びだから、格別あなたが気にすることじゃない。一緒に遊んでほしいだけだからね。

“ルーティーンを1つ付け加えるとする。日記を書く前、敵の様子をうかがい、攻略方法を探る。”

敵はどうやら、僕の日記を読んだらしい。
書いた本人である僕ですら意味が分からない暗号を、意味ありげに解説している。
やはり、コヤツ、敵だ。