出会うはずのない故人と趣味嗜好をともにわかちあう
先日世田谷美術館分館の清川泰次ギャラリーに行きました。
生誕100年とのことでたまたま区立図書館で見つけたチラシを持って、平日にのんびりでかけました。
ギャラリーは近隣住民による市民展が無料公開されており、ご近所のおじさまおばさまが賑やかにご友人の絵を楽しんでいるようでした。
入り口入って反対側にある、200円の展示はひっそりと静かだったので、独り占めしたような気分でゆっくりと作品をみました。
ギャラリーの横には少し休憩できるスペースがあり、ご自由にどうぞと冷たいジャスミンティーと清川さんデザインのガラスコップもありました。
撮影:S&T photo http://www.kiyokawataiji-annex.jp/t4.htm
ありがたくそれをいただきながら目の前にあった埃の積もった雑誌をぱらぱらめくったとき、清川さんが愛読書を聞かれると決まって臨済録と答えるというコラムを目にしました。臨済宗というわけではないものの、人のあるがままを書いてあるとのことで何度読んでも飽きないとのこと。
いったいこのような絵を書く方はどんな本を読んでいたのだろう。早速区立図書館で本を予約し読み始めました。古典は難しそうだったので、臨済録についてインタビュー形式で語られている本を。
本の中身はまた別途書くとして・・・その行為は私をすごく満たしてくれました。時代も全く別の人と同じものを読んでいる。意見交換なんてものはできないけれど、これを読んだ清川さんからあのような絵がうまれたんだなあと。
あくまで趣味嗜好なので、分析なんてするつもりはないけれど。
そんな繋がりの意識をひっそりと自分の心に留めながら、区立図書館の貸出カウンターを通ることが好きです。
清川泰次と臨済録。
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