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からくりサーカスのススメ

『双亡亭壊すべし』最終巻刊行を記念して藤田和日郎作品無料キャンペーンが開催中(2021年8月24日現在)だよ〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜!!!!!!!!!!!!!!!!!!!!!!!!!!!!!!!!!!!!!!!!

今回のキャンペーンで無料分だけ読んで「続きが読みてえ!」となる人がたぶん80億人は出てくると思うんですが、無料になっているのはどれもが長編連載作品なので当然どれもクソ長いわけですね。一番手に取りやすいのは最近完結して巻数も一番短い『双亡亭壊すべし』でしょうか。初連載作でおそらく一番人気と知名度が高いと思われる『うしおととら』から入る人も多いかもしれんね。
勿論どこから入っても構わないわけなんですが(個人的には『月光条例』だけは前の2作の後に読んでほしいな)、俺はからくりサーカスでオタクの自我を培ったからくりサーカスフリークなのでここではからくりサーカスを履修するならどこから入ったらいい?の話をしようと思います。からくりサーカスを読んでください。よろしくお願いします。人の命が助かります。

●はじめに

どんな作品にも個人の向き不向きはあるものなので、いきなり単行本にして全43巻の漫画を買ってくれ!というのもなかなか酷な話ですよね。
ところがどっこい、からくりサーカスはなんと明確な章ごとの区切りがあるんだなこれが!うーんこれは嬉しい!話全体は長くても章ごとに区切られてると集めやすいですよね、ジョジョとか。
とりあえずは序章、勝編が収録されている単行本3巻分まで読んで判断してみよう!今(2021年8月24日現在)ならそこまで無料で読めちゃうぞ!
無料期間が終わってもサンデーうぇぶりのアプリなら待てばある程度は無料で読めるので、先っちょだけでも体験してみてはいかがでしょうか。先っちょだけ!本当に先っちょだけだから!先っちょだけでいいから!みんなやってるよ!気持ちいいよ!

●単行本

まあ、王道はこれですよね。
単行本の旨みは色々ありますが、各巻の表紙を楽しめるというのと巻末おまけ漫画の存在が大きいでしょうか。値段も他と比べれば比較的リーズナブル。表紙がどれも良いんだわこれが……ちょくちょく表紙でネタバレ食らうけど。
難点を挙げるならば、今日日からくりサーカスの単行本を中古以外で集めるのがなかなか困難というところと先述したとおり表紙でネタバレを食らうことがある、という点でしょうか。とはいえ、一番無難な選択肢かと思われます。

●電子書籍版

電子版の良さと言えばなんといっても長編がかさばらない、いつでもどこでも読める、という部分なんですが、実は元々あんまり電子書籍はオススメじゃなかったんですよね俺。なんでかっつーと見開きの中央がだいたいズレてるからです。当時は電子版なんてなかったから!仕方ないんだけども!カラー原稿が収録されてるわけでもないので、手っ取り早く読みたい人にはオススメ!くらいのつもりでした。
しかし最近電子版だと物理的に表紙を見ないようにして読めるからネタバレ防止になる、という他にない利点があることが明らかになったので、下手に中古の単行本買うよりは電子で買って表紙見ないように読んだほうがいいのではないか?という気がしてきた。特に最終巻表紙はラストまで見届けてから見ると込み上げてくるものがあります。オススメだゾ。

●ワイド版

その名のとおり通常単行本よりちょっとワイドサイズな冊子。大判で読めるのと、装丁がクラシックで洒落てるのがウリ。本棚に並べてあるとちょっとオシャレな気分になれます。オシャレな気分になれる上に読むとキマれるお得な存在。
ただ、巻数こそ単行本より少なくて済むものの一冊の単価は当然高いしカラー原稿も特に収録されていない、ワイドとはいえ完全版よりは小さい。何より単行本と同じく今日日ワイド版の新品を手に入れるのは中々に困難なので、デザインが気に入ってこの本で本棚をオシャレにしたい人向けのブツですね。まあ俺の本棚はめちゃくちゃオシャレなわけだが……

●コンビニワイド版

一応存在はするので入れておいたが、何一つオススメじゃない。コンビニで手に入れられる以外の利点が特にない。強いて言うなら一冊が異常な分厚さなので読み応えがあります。
でもコンビニワイド版から入るという人は存在するのでお前にも存在意義はあるんだよな……俺はコンビニワイド版から入ったフォロワーに抜け分をわざわざ近所のコンビニで買って送りつけた過去があります。何としても読んでほしかったんです。許してください。

●文庫版

持ち運びしやすい文庫サイズ。ワイド版とはまた違った、からくりサーカスらしい装丁ですね。おまけとして作品ができるまでの構想などが見られるのも嬉しい。鳴海小菊って何……!?美少女……!!?
難点は文庫サイズなので単行本よりも小ぶりという部分ですかね。好きな漫画は電子じゃなく物理的に常に携行しておきてえ!という人にはオススメです。鞄に一冊入れておくとどんな理不尽な目に遭っても「は……?俺の鞄にはからくりサーカスが入っているのだが……?」という気分になれるぞ。

●完全版

個人的な感情を言えば、一番オススメなのはこれです。
なんとワイド版よりなおデカイ!装丁も高級感があってオシャレ!そして何よりカラー原稿全収録!
カラーが見られる、というのがやっぱりデカいですね。からくりサーカスにはカラー原稿を使った演出が何箇所かあるんですが、単行本から入るとこれ見られないんだな〜惜しいな〜というのが長年のネックだったので。一部の画集というかファンブックというか、そういう場所でしか見られなかった。今なら金を払えばカラーが無料!(錯乱)
唯一のネックは、それだけの仕様なので当然のようにクソ高いというところです。完全版集めるために単行本を閲覧用と保存用揃えられるとかそんなレベル。あとデカイから本棚も圧迫する。唯一のネックっつったろお前!
個人的にはそれだけの価値のあるモノなんですが、これから読むぞ!という人にまでそれを求めるのは流石に酷というものなので俺はからくりサーカスと一緒に心中する覚悟があるぞという人にオススメです。漫画を買うだけでそこまでの覚悟を求めるな。はい。

●アニメ

アマプラにあるので一番触れやすいのは人によってはこちらかもしれません。
見る前にまずこれだけは事前情報として伝えておきたいんですが、マジで尋常ではなく巻きだしカットされた話もマジで尋常ではなく多いです。何せ全43巻の長編大作をアニメ36話に収めるとかいう悟りを開く前のシッダールタでもちょっとやりそうにない荒業の末に生まれたアニメなので……カットもそうだし役割分配が変わってたりするので人によっては心に傷を負うかもしれない、原作から入ると。その旨よく心に刻んで見てほしい。
ただ、じゃあ駄作か?と言われると少なくとも自分はそうではないと思っています。原作からくりサーカスをめくるめく入れ替わり立ち替わり上演される舞台とするならば、アニメは一本筋の舞台です。古典作品の再解釈舞台化みたいな。カットと巻きは理解した上でそう思って見ると良いんじゃないかな。
内容の話はネタバレになるから置いとくとして、劇伴がどれも良くてですね……仮にアニメを見るつもりがなくても劇伴だけは聞いていってほしい。あとこの世に月虹を生み出したのは誇張抜きでアニメからくりサーカス最大の功績のひとつ。どんな歩き方だって会いに行こうな。


このくらいでしょうか。自分の好みや懐具合などと相談して最適な出会いが叶うことを祈っております。あと俺の推しは加藤鳴海です対戦よろしくお願いします。

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