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「僕と先生の話」

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長編小説。実直な主人公「僕」と、不思議な絵本作家「先生」の物語。(全43話・完結)
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2020年7月の記事一覧

小説 「僕と先生の話」 1

1. 求人票 僕は、面接で、正直に全てを話した。  新卒で入った製薬会社を、うつ病を発症して…

坂元 稔
4年前
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小説 「僕と先生の話」 2

2. 顔合わせ 善治に連れられ、辿り着いた先生のご自宅は、小高い山の上にあって、駅から歩く…

坂元 稔
4年前
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小説 「僕と先生の話」 3

3. 先生の仕事場 先生の後について2階に上がると、ごくありふれた一般家庭のダイニングキッチ…

坂元 稔
4年前
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小説 「僕と先生の話」 4

4. 僕の仕事 資料室での、先生による解説が終わると、僕の主たる仕事場、2階の台所に案内され…

坂元 稔
4年前
6

小説 「僕と先生の話」 5

5. 夢 面接の翌朝、僕は起き上がることが出来なかった。  目は覚めているのだけれど、身体が…

坂元 稔
4年前
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小説 「僕と先生の話」 6

6. 本来の「普通」 ほとんどの従業員が帰ってしまった後を狙って、部長に退職の話をした時、…

坂元 稔
4年前
5

小説 「僕と先生の話」 7

7. 先生との暮らし 嘘みたいにあっさりと工場を辞めることができた僕は、一週間ほど静養させてもらってから、先生の家に通うようになった。  仕事は、11時〜19時。まずは週3日から始めてみた。昼・夕の2食を調理して、先生と一緒に食べる。食材や日用品は好きなタイミングで買い行くことができるし、空いた時間にはテレビを見てもいいし、読書や昼寝をしてもいいのだという。先生ご自身も、昼食後には昼寝をするのが日課らしい。(先生は「午睡」という言い方をする。)  最低でも週2日は出勤する契

小説 「僕と先生の話」 8

8.来訪者 昼食の後片付けを終え、ひと休みしていたら、インターホンが鳴った。  ひとまず、…

坂元 稔
4年前
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