はちみつ大根を飲もう

体調が悪くなっても、人にいわずにじっとしている。もしくは、何事もないように学校や仕事に向かう。それが当たり前だった。
若いときは、姉にだけ風邪ひいたと伝えた。すると、梅昆布茶やら、生姜紅茶、はちみつ大根なんかがでてきた。

反対に、姉が伏せっている時は「あれを作れ、これをもってこい」と言われて用意していた。何度かいわれて学習して自発的に生姜をすって、はちみついれて紅茶バッグを放りこんでということをするようになる。

これは、きっと自衛の手段でもあったと思う。

体調が悪いと、親に訴えると嫌な顔をされる。
それが、私の常識だった。
今となっては、ほんとうに嫌な顔をしていたのかは定かではないけれど、めんどうだとか、どうしようだとか。予想外のことを言われて考えている顔だったのかもしれないが、心配された記憶はない。

だから、何も言わなくなった。
一時期、心配事があると、ずっとその事について頭が支配されていても人に話すことすらできなかった時期がある。
さらに、その上をいく心配事がでてきたら、ようやく二番目の心配事となった出来事について話すことができる。

心は不安に満たされたまま。

そんなんだったから、前に一度、夜に39〜40度の熱がでるが昼間はけっこう元気というよくわからない症状になっていた時も、一週間ほどは耐えた。
あまりにも頭が痛くてしんどくて、だるくて、どうしようもない状況で辛すぎて泣いていたけど、朝になれば落ち着いていたから、そのうち治ることを期待した。
だけど、限界がきて病院にいった。熱を測ると昼だったのに38度ちょいくらいは出ていて、インフルエンザ流行っている時だったから、鉄仮面みたいな顔した看護師からキレた態度でマスクを無言で渡された。感染を考えろやボケ。そういうことだったとおもう。

インフルだったのかは謎だけど、薬をもらって、症状に苛まれることはなくなったので、ホッとした。
薬を台所においていたら、一応バレないように目の前で薬は飲んでいなかった。病院にいったことと、体調が悪いことは一言も言いっていなかったが、見つけられて病院に行ったのかの確認をされ、不機嫌になられた。

体調が悪いことは、言っても不機嫌。
言わなくても不機嫌。
どうしろってんだよ。

今、すこし風邪をひいてそんなことを思い出しながら料理を作って悲しくなった。

私は、家にはいられないタイプの人なので、できれば、外にでる。
風邪をひいたから、寝落ちして外に出られず、晩ごはん作るのを手伝えと言われ作る羽目に。別に作るのはいいのだけど、過去のそういう累積を思い出しながらの料理は悲しくなった。

ま、料理のいいところは手を動かしながら無心になれるから、そのうち飛んでったけど。

姉が作ってくれていたはちみつ大根を、自分のために作って飲んで早めにねます。

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ちょっくら、手術することになりました。