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弁理士試験の時系列(5/5 口述編)

2019年5月の勉強開始から令和3年度弁理士試験合格までを5回に分けて記載します。
全体の時系列は図の通りです。
今回は口述試験の勉強の進め方と当日の体験を記載します。

口述試験の概要

口述試験の概要を簡単に箇条書きします。
・特実/意/商の3科目
・1科目10分
・試験官からの質問に口頭で回答
・パネルに事例などが書いてある場合あり
・法文集を参照して回答可能

勉強の進め方

論文試験終了~論文試験合格発表まで

基本的には過去問の勉強と、趣旨の暗唱です。
過去問は「2020年度版弁理士試験口述試験過去問題集[TAC弁理士講座]」を購入しました。
また、趣旨は口頭で回答するため、無理なく話せる程度に短めの尺を用意しておくことをおすすめします。

もし受験仲間がいるようであれば、お互いに問題を出し合って練習するのもいいかと思います。

正直にお話ししますと、私は論文試験の合格発表までの間、過去問は眺める程度しかしておらず、かなりさぼってしまいました。
その結果、模試でボコボコにされ、つらい思いをしました。
論文試験後はゆっくり休みたいと思いますが、少しでも勉強を継続しておくことをおすすめします。

論文試験合格発表後

模試の受付が始まるため、合格発表直後は情報収集することをおすすめします。
予備校や各種会派で開催されますが、早めに枠が埋まってしまうようです。
そのため、合格発表直後(できれば合格発表日)に最低2回分は申し込みしておくことをおすすめします。

私はLECとTACで計2回の模試を受けました。
予備校の模試では予想問題集をもらえましたので、試験当日まで「設問を読む→回答→答えを見る」を繰り返し勉強しました。
予備校以外でも、模試を実施されているところがありましたので、複数回練習したい方や、費用を抑えたい方はおすすめです。

当日の体験

午前と午後の違いについて

午前受験の場合は、自分の番が終わった後も控室で待機するようです。
午後の受験生が全員控室に入室した後に解散していました。
暇つぶしの本などを持参するといいかと思います。

一方、私は午後受験でしたが、自分の番が終わった後、控室に戻ることなく帰宅できました。

荷物について

希望すれば受付で預かっていただけます。
控室では参考書の直前確認が可能だったり、水や飴程度であれば飲食可能だったため、荷物を預ける場合は控室持ち込み用のかばんを別途準備しておいてもよかったと感じました。

法文集について

過去の試験では、各科目の試験室に一冊置かれている形式だったようです。
私が受験したときは、控室から試験室に向かう直前で一人一冊手渡されました。
また、試験終了後、持ち帰ることができました。

受け答えについて

受験した印象ですが、可能な限り一定の回答になるような質問が多かったです。
例えば「『はい』か『いいえ』で答えてください」「全て挙げてください」「条文番号で答えてください」「趣旨を答えてください」などです。
そのため、問われたことに対して忠実に回答すればいいと感じました。

逆に問われたこと以外について回答しすぎると、時間をロスする可能性があります。
もし理由付けなどの回答が必要であれば「なぜですか?」などの追加質問があるようですので、失点などのリスクも無いと思います。

また、誤った受け答えをした場合でも「本当ですか?」と問われましたので、落ち着いて再度回答することができました。

法文集の参照について

法文集を参照してもよいか試験官に確認して、見ることができます。
過去の試験では「法文集を閉じて回答」だったようですが、ここ最近は見ながら回答してもよくなったそうです(模試で初めて知りました)。

法文集を見ると心証がよくない、との意見もありますが、ケースバイケースだと思います。
例えば、法目的や基本的な用語の定義などの質問に対して法文集を参照すれば、心証はよくないと思います。
一方、細かい例外規定や要件の一部などに対しては、影響は少ないと感じました。

口述試験は時間制限があるため、条文を探す時間が増えれば、その分だけ回答時間が減り、不利になります。
ただし、回答できずに時間が経過してしまうよりは、参照して回答することも必要かと思いました。

最後に

口述試験は、短答試験や論文試験と比較すると合格率が高いため、一見油断してしまいそうです。
周囲からも「大丈夫でしょ」と声を掛けられることが多かったです。
ただ、論文試験合格の実力をもってしても、毎年一定の不合格者がいる、というのが実際のところだと思います。

また、短答試験や論文試験と比較すると緊張しました。
緊張の中でも正確に受け答えするためには、模試での経験、自信を持てるだけの勉強をしたか、に尽きると思います。

是非、最後まで走り切って下さい。

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