WFH Day 105 雑感: love-hate relationship between myself and ラジオクラウド

2020年6月29日。

ここのところ、ラジオクラウドのiOS版アプリが炎上している。アプリのレビュー欄を新しい順にソートして、人々の呪詛を堪能していただきたい。

発端は6月22日のバージョン3.1.0のアップデート。私の環境(iPhone SE 2nd とiOS 13.5.1)ではアプリが起動しなくなってしまった。以前も同じような感じでアプリが立ち上がらないバグがあったのだが、それは Facebook SDK の更新に伴うバグというので多くのアプリが影響を受けたのだが、今回はアプリ自体の問題のようであった。そもそも立ち上がらないというので、テストちゃんとしてんのかと、、、

その後、2020年6月25日に3.1.1にアップデートされ、ようやく起動したので使ってみることにしたところ、アップデートによって変更されたところがことごとく改悪になっていて、さらにレビュー欄は炎上。

さらに2020年6月29日には3.1.2にアップデートされたものの、問題が解決しているようには思えなかった。

以下に、私が感じた問題点を列挙したいと思う。今回のアップデートに関しては他のユーザーと一緒で相当な怒りを感じているので、言葉が汚くなったり感情的なコメントになるかもしれないのでご容赦いただきたい。なお、私は普段は一度ローカルにダウンロードして、マイリストから連続再生をして使用している。

1. 起動しない
解決したようだが、そもそも起動しないのが言語道断なのは言うまでもない。

2. 再生が開始されない
マイリストから再生ボタンを押しても再生がはじまらず、番組の画面に切り替わるだけになっている(バグでしょう)。この切り替わった画面上の再生ボタンを押すと、ようやく再生がはじまる。これは3.1.0より古いバージョンでは発生しない問題だった。

3. 広告の入れ方がおかしい
ようやく再生すると広告が差し込まれる。広告は重要な収益減でしょうから、我慢できる。しかしながら、ここで問題なのは、ラジオのアプリなのに動画広告なのだ。耳から情報を得ているのに動画広告。本当に意味がわからない。さらに、この動画広告が番組の再生に重なって再生されるのである。本当に意味がわからない。広告の再生が終了すると、番組の再生が止まる。わざわざ音声をかぶせてきたのに、である。本当に意味がわからない。3.1.0より古いバージョンでも動画広告挿入の試みは何度もやられていたのだが、結局毎回うまくいかずに取り下げになっていた過去がある。たぶん開発側にまともな技術力がないのだと思う。広告を出している方も、悪印象しかもたれないような使い方をされて迷惑であろう。

4. アプリが頻繁にクラッシュする
ランダムなタイミングでアプリがクラッシュするようである。たとえば、「15秒戻る」ボタンを押したらクラッシュした。他にもいろいろなタイミングでクラッシュする。3.1.1では、30分ほど再生したら「必ず」クラッシュするようであった。3.1.0より以前のバージョンではこのようなクラッシュはなかった。

5. 番組の再生位置を記憶しない
さて、クラッシュしてアプリを再起動して、改めて続きを聞こうとおもう。マイリストの再生ボタンを押しても再生がはじまらず、番組の画面がポップアップしてきて再生ボタンを押すとようやく再生。はい、広告が差し込まれました。広告終わり。もっかい再生ボタンを押す。すると、「必ず」番組の最初から再生される。怒り心頭。私が聞いている番組は30分以上、1時間になるようなものもあるので、再生位置を覚えてくれない状態では使い物にならないのである。3.1.0より前のバージョンでは再生位置は記憶されていたため、新しく導入されたバグである。

6. 放送曲の検索性が顕著に低下した
3.1.0より前のバージョンでは、画面上部に放送局のタブがあり、そのタブの順番もソートできたため、ワンタップで好きな放送局の番組リストにアクセスできたのだが、3.1.0以降のデザイン変更により、このタブが削除され、検索窓に置き換わってしまった。ホーム画面では先方のおすすめ番組などが表示されているが、そんなことはどうでもよくて、聞きたい放送曲の聞きたい番組にさくっとタップだけでアクセスしたいのである。検索窓にフォーカスを移して、番組名を入力して、というのがどれだけ煩雑か。また、「チャンネル」というメニューがあり、ここから放送局にアクセスできるようになっているのだが、五十音順にソートされているため、たとえば「東京FM」か「FM東京」かを正確に記憶していないと正解にたどり着かない仕様である。恐ろしく改悪されていると言わざるを得ない。また、好きな局の新番組のエピソードとの出会いなどの機会の損失があると感じる。

7. 割り込み音声の終了後に再生が再開しない
これは過去のすべてのリリースで改善されていない点なのだが、たとえばラジオクラウド再生中に電話がかかってきた場合、通話が終了してもラジオクラウドの再生は自動的に再開されない。自分でアプリを開いて、再び再生ボタンを押す必要がある。電話アプリやSpotifyであれば、再生が再開するので、技術的には難しくないのだと思うが、本当に使えないなあ、という感じである。

(追記)8. バックグラウンド再生で連続再生できない
バックグラウンド再生をしていると、マイリストのエピソードの連続再生が出来ず、エピソードが終了するたびにアプリを起動して再生ボタンを押さなければならないようだ。運転中にはとてもじゃないけど使い物にならない。これも3.1.0より前のバージョンでは連続再生できていたのに、である。

とりあえずこんなところか。特に、頻繁なクラッシュや再生位置を忘れる仕様、再生がはじまらないバグなどによってデバイスを触らざるを得ない時間が増えると、運転中に信号待ちなどで操作するにしても危険極まりない状態になることは想像に難くない。まとめると、アップデートでよくなったところはひとつもないのである。とりあえずのところ、1-5が修正されない限りはラジオクラウドアプリを使うのは控えようと思う。

ちなみに、このアップデートは特にひどいものなのだが、これまでもラジオクラウドアプリはヒドイアップデートを提供し続けてきていた。更新履歴を見るとわかるのだが、数日のスパンでアップデートがリリースされたことが今回だけではなく、開発側の能力がどうなっているのか本当に不思議だし、開発者を含め、中の人たちは誰もアプリやサービスを使っていないのではないかと感じるようなものである。

そもそも論

海外のラジオ局は世界中どこにいてもインターネットで合法的に聴取可能なのに、日本の放送法かなにかのせいで、ラジオにも国境があって海外からまともに聞けないのが問題なのである。たとえば、radikoは国内限定で、しかも国内でもプレミアム会員じゃなければ住んでいる(正確には IPアドレスの登録されている)都道府県エリアの放送しか聴けないのである。インターネットがせっかくあるのに。総務省の管轄かと思うが、ここの規制緩和をしてほしいものだ。

ラジオに限らず、日本のコンテンツは海外からのアクセスが非常に悪く、日本にいてすら不便なのに、それで本が売れないだのCDが売れないだの、そもそもアクセスできないのだから当たり前なのだ。コンテンツに触れてほしいのか触れてほしくないのかさっぱりわからない。ユーザーではなく広告主などの方ばかり見ているのだろう。

経緯に対する実感

お気に入りの放送局はTBSラジオなのだが、2005−2006年頃からポッドキャストをやっていて、iTunesを使ってずっと快適に聞いていた。購読しているひともかなり多かったと思う。しかしながら、これは私が番組などを聴いていて漏れ聞こえてくるコメントからの推測なのだが、広告主へのアピールとして、当時はポッドキャストでいくら購読されていても、ユーザーの属性などがわからない等という点で弱かったのだとか。それでポッドキャストからは撤退し、ラジオクラウドというプラットフォームを立ち上げることにしたという認識である。ラジオクラウドではおそらく広告主へのアピールをするために、会員登録を必須にしてユーザーの属性を取得し、ストリーミング配信をメインにすることで再生位置のログを取るなどして、実際に聞かれているかどうかを調べたりと言うことをしたかったのだと思う。

そのような理念や広告主へのアピールが必要なのはわかるのだが、さっきも述べたように、コンテンツに触れて欲しいのか欲しくないのかわからないような状況になってしまった。あるいはradikoに移行して欲しかったのだろうか。radikoもプラットフォームで中央集権的に各局が相乗りするという、日本お得意の護送船団方式であることもたぶん注意が必要。

しかしながら、radikoは海外から聞けないので、2006年から海外生活をしている私には、日本語のまともな情報を得るのにポッドキャストやラジオクラウドアプリは大変重宝していたのだが、それもここまでになるのだろうか。

今後への期待など

ひとつちょっとおもしろい動きのようなものがあって、TBSラジオの「アフターシックスジャンクション」(アトロク)はAppleのポッドキャストをはじめ、Spotifyなどでも聞けるようになっている。アトロクでは、橋本プロデューサーが「今年はポッドキャスト元年だ」というスローガンのもと、いろいろ企画を立てたりしているようなので、少しずつ、一般的なポッドキャストに回帰しているのかもしれない。実際、私はアトロクはポッドキャストをOvercastアプリを利用して聞いており、ストレスフリーでむちゃくちゃ快適である。

ラジオクラウドがはじまった2016年に比べれば、広告主の理解も進んでいるのではないかと期待したい。より広く使われていて安定したプラットフォームを使えれば、ユーザーとしては無用な会員登録やストレスしか感じず、使い方によっては命の危険があるようなアプリを使わなくてもよくなるはずだし、ひどいアプリの開発に、ただでさえお金がないといわれるラジオ局の経費を使わなくてよくなるのではないか?

TBSラジオをはじめ、各局のみなさんには、より一般的に広く使われているポッドキャストプラットフォームを利用して番組を配信していただきたいなと思っている。少なくともラジオクラウドを現状の開発状況で放置した場合、放送局や広告主への不要なヘイトがたまる可能性の方が大きく、誰も幸せにならない状況は避けた方がよいだろう。

なお、私はユーザーの立場からしかコメントできないししたくもないというので、内部事情などには興味がなく、私が快適に使えるアプリ(少なくともある程度は3.1.0より前にはできていた)をリリースしてくださいとしか思わない。

ちょっとあまりにひどいアップデートで積年の怒りが爆発したので4000文字以上も呪詛を吐いてしまった。。。

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