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女性の人権→男女別の空間と公的支援

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2010年のEquality Act(平等法)
男女別の空間や公的支援を受ける女性の権利

A woman’s right to single-sex spaces and services
4th January 2018 by Fair Play For Women 

Introduction
2010年に制定された平等法は、イギリスの人々を差別から法的に保護していますが、トランス活動家たちに「トランス・アイデンティティを持つ男性は常に女性として扱われなければならない、あるいは女性専用の空間に入れなければならない」との主張に、よく使われています。また、企業が女性から苦情を言われたときの理由としてもよく使われています。トランスジェンダーの人たちを排除することは違法であり、介入できないと言うのです。それは単純に間違っています。彼らは恥ずかしながら法律に無知であるか、利用できる法的手段を意図的に使わないようにしているのです。

この記事では、女性のために設計された、男女別のサービスを保護する法律上の除外事項について説明します。2010年のEquality Act(平等法)は、オンラインで誰でも読むことができ、公式の説明書が添付されています。

また、平等人権委員会:Equality and Human Rights commission(EHRC)が発行する公式ガイダンスもあります。平等人権委員会は、平等法を監督・施行する責任を負う独立した法定機関です。同委員会のガイダンスの一部は、法定規約の形で発行されています。この規約は議会によって承認されており、裁判所や法廷が法律を解釈する際の助けとなり、法律を適用する必要のある弁護士、アドバイザー、労働組合の代表者、人事部などの助けとなるように設計されています。

一部のガイダンスは、法定外の法解釈による指針(non-statutory technical guidance)という形で提供されています。法解釈によるガイダンスは、法的な実施規範ではありませんが、法的手続きの証拠として使用することができます。裁判所は、平等義務の対象となる組織がこのような法定外の指針に従わない場合は、その理由を正当化する必要があるとしています。しかし、このような指針は、それ自体が法令に定められている以上の義務を課すものではありません。


🟥平等法とは?

2010年の平等法(Equality Act)は、イングランド、ウェールズ、スコットランドにおける、特定のグループを不利益や不公平な扱いから保護するための主要な法律です。機会均等と差別は、1998年の北アイルランド法では「移管事項(transferred matters)」とされています。そのため、いくつかの例外を除き、同法は北アイルランドの法律の一部ではありません。

9つの「保護特性」と3つの「禁止行為」があります。保護特性とは、例えば性別(sex)などの特定の特徴を理由に法的保護を受ける権利があることを意味します。この法律の異なる部分では、5つの特定の分野や活動が対象となっています。差別禁止法は、あなたが行う、または行う予定の他のことには適用されません。プライベートな活動は、これらの反差別法の対象にはなりません。

🟥保護特性     🟥禁止行為    🟥活動
 ・年齢………………………差別………………………サービスおよび公的機能
 ・障害者……………………ハラスメント…………構内
 ・再割当て性別  …………迫害………………………仕事
 ・結婚&市民パートナーシップ …………………教育
 ・妊娠&出産……………………………………………婦人会
 ・人種
 ・宗教と信念
 ・性別
 ・性的指向
💥編注:再割当て性別gender reassignment 再割り当てされたジェンダー
日本で言うところの『性同一性障害者に関する特例法』で『取り扱いを変更された法的性別』に類似。ただし、日本と英国では変更条件がかなり違う。


平等法では、保護特性である「性別:sex」と
「再割当て性別:gender reassignment」を、
どのように定義していますか?

英国とは🟥保護される特性である「性別:sex」

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🟥EA2010の説明文によると

54:本項は、本法で保護される特性である「性別(sex)」を持つ人々について言及する場合、『男性 または 女性 であること(being a man or a woman)』 を意味し、男性は他の男性と、女性は他の女性と、この特性を共有することを説明する、新しい規定である。

🟥平等人権委員会の法定規約によると

2.55:性別(sex)は保護特性であり、年齢を問わず男性または女性(a male or a female of any age)を指す。人々のグループに関しては、男性および/または男子(men and/or boys)、あるいは、女性および/または女子(women and/or girls)のいずれかを指す。

2.56:性差別(sex discrimination)を示すための比較対象は、異性の人( a person of the opposite sex)である。性別(sex)には、再割当て性別gender reassignment)や性的指向を含まない。(Sex does not include gender reassignment or sexual orientation.)

📍ここでは、一般的に受け入れられている男と女(man and women)という言葉を使って、性別(sex)を明確に表現している。女性がその生物学的性別に基づいて男性と比較して差別されてはならない。もし、トランスジェンダーの人がジェンダー承認証明書(gender recognition certificate)を所有していない場合、その法的な性別は生物学的または出生時の性別(their biological or birth sex)と同様である。


🟥保護される特性である「再割当て性別(gender reassignment)」

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🟥EA2010の説明文によると…

41:本項では、本法の目的上、保護特性である再割当て性別(gender reassignment )を、とある人物が法的性別を変更するためのプロセスを申し立て、開始、または完了した場合と定義する。性転換者(transsexual)は、再配置性別(gender reassignment)の保護特性を有する。

42:また、本項では、再割当て性別(gender reassignment)という共通の特性を持つ、または共有する人々への言及は、すべての性転換者(transsexual)の人々への言及であると説明している。男性への移行を行っている女性と、女性への移行を行っている男性は、再判定性別(gender reassignment)という特性を共有しており、性転換(changing his or her sex)のプロセスを開始したばかりの人と、プロセスを完了した人も同様。

43:本項は、1975年に制定された性差別禁止法(Sex Discrimination Act 1975)の同様の条項を置き換えるものであるが、定義を変更し、とある人物を医学的な監督下にあることを最早必要としなくなっている。

🟥EHRCの規約によると

2.21:この幅広い、非医学的な定義は、特にジェンダーを移行した子どもたち(gender variant children)にとって重要である。もっとも、学校に通っている間にジェンダーを変更する子供もいるが、そのような決定をするには幼すぎる子供もいる。とはいえ、彼らは性自認(gender identity)を変える個人的な手順を始めており、生まれたときの性別(birth sex)から離れつつある。服装などの個人的な変化の表れは、変更が行われていることを示しており、子供たちはこの法律によって保護される。

2.22:本法は、少なくとも、とある人物が再割当て性別(gender reassignment)を受認すると申し立てることを要求している。そのような申し立てが取り消せないものであることは要求していない。性別変更のプロセスを開始したが、その後、中止を決めた人も、再割当て性別という保護された特性を持っている。

2.26:ジェンダー承認証明書(Gender Recognition Certificates):2004年のジェンダー承認法(GRA:Gender Recognition Act 2004)は、ジェンダー認識証明書を持つ人は、後天的な性別(acquired gender)に従って扱われなければならないと規定している。


🟥イングランドの学校に対する平等人権委員会の技術ガイダンス曰く…

3.20:学校施設の提供方法が差別につながることがある。
例:とある学校が、性転換(transsexual)した生徒に適切な更衣室を提供せず、その生徒が現在、女子として生活しているにもかかわらず、男子更衣室を使うように要求した。これは、客観的に正当化できない限り、間接的な再割当て性別への差別になる可能性がある。適切な代替案は、その生徒が職員用更衣室や他の適切なスペースなどの個人用更衣施設を使用できるようにすることである。

3.35:以前は女性(Female)だった生徒が、男子として生活するようになり、男性の名前を採用した。学校はこの名前を使い、その生徒を男の子として呼ばなければならないのだろうか?
生徒が性別を変えたにもかからず、その生徒が選んだ名前を使わないのは、直接的な再割当て性別への差別になる。また、この生徒を男子と呼ばないことも、直接的な再割当て性別への差別になる。

📍再割当て性別(Gender Reassignment )の定義は非常に広く、性転換(change sex)のためのプロセスを引き受けると申し立てた時点で、その人を対象としている。この「プロセス」は個人的なものであり、明確に定義されていないが、身体的な変化(bodily changes)を含む場合もあれば、含まない場合もある。性別変更手術(Gender reassignment surgery)やジェンダー承認証明書(gender recognition certificate)は、再割当て性別(Gender Reassignment )としての保護受けたり、性転換者(transsexual)と呼称されるにあたって、必須ではない。再割当て性別(Gender Reassignment )の対象となるすべての人々(子どもを含む)は、総称して「トランスセクシャルの人々(性転換者)」と表現される。この定義には、社会的にトランスしている幼い子どもも含まれる。この法律の文脈では、トランスセクシャル(性転換者)という言葉が使われているが、現在ではほとんどの人がトランスジェンダーという言葉を使っている。たとえ子供が幼すぎて再割当て性別の意味がわからなくても、「個人的な変移(personal process)」を開始しているので保護の対象となる。平等人権委員会の学校ガイダンスでは、トランスジェンダーを自認する生徒の性別誤認(mis-gendering)や、生まれた時の性別(birth sex)に合わせて男女別のスペースを利用せよと要求することは、差別にあたるとされている。しかし、興味深いことに、移行先の男女別スペース(opposite single-sex space)に入ることを許可しなければならないとは書かれていない。単に代替スペースを提供するだけで十分なのだ。


どのような場合に
性別と再割当て性別に基づく差別が合法とされるのですか?

When is discrimination based on sex and gender reassignment lawful?

2010年の平等法(Equality Act)では、女性専用のスペース(women-only spaces)、サービス、役割、活動(services, roles and activities)の必要性を認め、男性(トランス・アイデンティティを持つ男性を含む)の排除を合法とする6つの主要分野が定められている。どのような場合でも、適用除外(an exemption)の使用は正当な目的を達成するに準じた手段でなければならない。各状況はそれぞれの実態に基づいて考慮されなければならず、免除(the exemption)を適用することで影響を受けるすべてのグループに十分な配慮をしなければならないため、一律の規則は存在しない。より差別の少ない選択肢が常に選択されなければならない。

単一性別のサービス(Single-sex services)
Schedule 3 Part 7 Sections 26-28

サービスおよび公的機能に適用
Part 3 Section 29: Provision of services

職業上の要求事項

Schedule 9 Part 1 Section 1 (3)
職業に適用(Part 5 Chapter 1:雇用)
共同の宿泊施設
Schedule 23 Part 3
本法のすべての部分に適用

ジェンダーの影響を受ける活動

Part 14 Section 195
本法のすべての部分に適用
単一の特性の団体
Schedule 16 Part 1
団体に適用(Part 7)

女性限定の選抜候補者名簿
Part 7 Section 104 (7)
(政党のみに適用)


🟥ジェンダーの影響を受ける活動

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*セクション29はサービスの提供、セクション33~35は施設の処分と管理に関する。

🟥EA2010説明書によると

614:本項では、体力、持久力、体格が勝敗を決める重要な要素であり、一方の性が他方の性と比較して一般的に不利であるようなスポーツ競技を、継続して男女別に開催することを認めている。また、公正で安全な競技を維持するために必要な場合は、性転換者(transsexual)の参加を制限することが合法とされているが、そうでない場合もある。

📍性別に影響を与える活動(A gender-affected activity)とは、スポーツ、試合、その他の競争的な性質を持つ活動で、そのひとつの性別(the one sex )の人の体力、持久力、体格が、その活動を含むイベントの競争相手として他方の性別(the other one sex )の人と比較して、不利になるような状況で行われる活動を指す。トランスジェンダーの人々もジェンダーに基づく活動(gender-based activity)から合法的に排除されることがあるという事実は、性自認(gender identity)やジェンダー承認法を通じて取得した法的性別(legal sex)ではなく、生物学的性別(biological sex)が考慮されるべき重要な属性であることを意味する。


🟥職業上の要件

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*第2項の規定は、従業員、契約労働者、パートナーシップ、公私の役職者に言及しています。

🟥EA2010説明書によると

787. 本項では、職業に関する違法な直接差別の一般的な例外を規定している。この例外は、特定の性別、人種、障害、宗教、信念、性的指向、年齢、『または、性転換者(transsexual person)ではないこと、既婚/シビルパートナーではないこと』が職業上の要件である場合に適用される。その要件は、その地位にとって極めて重要なものでなければならず、単にいくつかの重要な要素の一つであってはならない。また、それが虚偽や口実であってはならない。さらに、要件の適用は、正当な目的の達成に該当していなければならない。

その例は以下の通り:
プライバシーや良識を考慮して、公共の更衣室やトイレの係員は、その施設を利用する人と同性(the same sex)でなければならない場合がある。
・失業中のイスラム教徒の女性は、就職支援のための派遣職員のサービスが男性によって提供されていたら、それを利用しないだろう。
・レイプ被害者に対応するカウンセラーは、被害者にさらなる苦痛を与えないために、たとえジェンダー承認証明書(Gender Recognition Certificate)を持っていても、性転換者(a transsexual person)ではなく、女性(a woman)であるべきだろう。


🟥EHRCの雇用に関する法定規約によると

13.8:職業要件の例外がどのように使用されるかの例として、プライバシーや尊厳の理由から特定の性別(a particular sex)の人を必要とするいくつかの仕事や、個人的なサービスが提供されている場合がある。例えば、男女兼用のジムでは、更衣室の利用者と同性(the same sex)の更衣室係員を雇用するという職業上の要件に頼ることができる。同様に、女性専用のサービスを合法的に提供している女性専用の避難所(a women’s refuge)では、スタッフ全員が女性(women)であることを要件として適用することができる。

📍プライバシーや品位、文化的、心理的、宗教的な配慮、個人的なサービスの提供などの概念は、女性(a woman )が生物学的男性(a biological male)のスタッフを望まない理由として、明確に認められている。企業は、その職務に生物学的女性のみ(only a biological female)の採用を選択することで、これらの必要性への対応を許可されている。重要事項は、女性の性自認(a female gender identity)を持つことや、女性としての新たな法的地位(a new legal status as female )を得ることで、生物学的男性(a biological male)が女性のみのポスト(a woman-only post)に就く資格を得ることはできないと、明らかにされている。


🟥共同住宅

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🟥EA2010説明書によると

997:この項では、性別および再割当て性別(sex and gender reassignment)の差別の一般的な禁止に対する例外を提供する。男女双方(both men and women)にとって可能な限り公平に管理されている場合にだけ、共同宿泊施設を一方の性別のみ(one sex only)に限定することができる。共同住宅を男女別に限定する際に考慮しなければならない要素を定め、性転換者(transsexual people )への分け隔てた扱い(discriminatory treatment)が客観的に正当化されなければならないことを規定している。

この項では、性別や再割当て性別(sex and gender reassignment)に関する差別の一般的な禁止に対する例外を規定している。男女双方(both men and women)にとって可能な限り公平に管理されている場合においてのみ、共同宿泊施設を一方の性(one sex only)のみに限定することを認めている。同項では、共同住宅を男女別に限定(one sex only)する際に考慮しなければならない要素を定め、性転換者(transsexual people)に対する分け隔てた取り扱い(discriminatory treatment)が客観的に正当化されなければならないことを規定している。

998:共同宿泊施設とは、プライバシー保護のために一方の性(one sex)のメンバーのみが使用すべき共同の寝床を含む居住施設と定義される。

例を挙げると:
あるホステルは男性客(male guests)のみを受け入れている。寝室の大半が共同で、共同のバスルームが1つしかないため、女性の宿泊者(female guests)の受け入れを拒否しても違法ではない。
男女(men and women)が共同で寝る場所やトイレを別々に用意することを期待する理由として、ここでもプライバシーの概念が認められている。プライバシーの必要性は、明らかに男性と女性が生物学的に異なる性別(sex)であることに基づいている。性転換者(transsexual people)をこの免除(exemption )に含めることができるという事実は、彼らの生物学的な性が、性自認(gender identity)や新たに取得した法的な性(legal sex)の状態と同じではないことを認めている。


🟥片方の性別 または 男女それぞれの公的支援

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*section 29はサービスの提供

🟥EA2010説明文によると

739:本項は、男女別(separate- and single-sex)サービスの提供に関して、再割当て性別の一般的な差別禁止(the general prohibition of gender reassignment discrimination)の例外を含む。提供者によるそのような扱いは、客観的に正当化されなければならない。

例を挙げると:
性的暴行の被害者である女性を対象としたグループ・カウンセリングが行われている。もし男性から女性へのトランスセクシャルの人が参加したならば、女性クライアントは参加しずらいだろうと、主宰者がトランスセクシャルの人の参加を認めないと判断する。これは合法だろう。
📍トランス・アイデンティティを持つ生物学的男性(a trans-identifying male )が、女性専用のスペース( a women-only space)やサービスを利用すべきかどうかを決定する際に関連性があると考えられることは明らかです。それは客観的に正当化されなければなりません。つまり、影響を受ける女性(the women)とトランスジェンダー( transgender person(s) )の両方にとって、全体的に最も差別的でない結果を明確にするために、適切な配慮がなされなければなりません。

合法的な男女別(single and separate sex)サービスの概要

🟥男女別(separate-sex)サービスは、以下の場合には合法
サービスを統合しても効果は薄い。

🟥例は説明文に記載
慈善団体がホームレス男性用と、ホームレス女性用の別々のホステルを設立しても、需要性のレベルが同じであるため、男女に同レベルのサービスを提供することは違法ではないが、男女兼用のホステルでは効果がない。
🟥単一性別(Single-sex)のサービスは、以下の場合には合法
その性別の者だけが必要とする場合。

🟥例は説明文に記載
子宮頸がん検診サービスは、女性のみが必要とするサービスであるため、女性のみに提供する。

🟥サービス、公的機能および団体に関する法定規約に記載されている例
産後のエクササイズの講義は女性のみが必要とするサービスであるため、女性のみに提供することができる。
🟥単一性別(Single-sex)のサービスは、以下の場合には合法
男女合同(both sexes )で提供しているが、それだけでは十分ではない。

🟥例は説明文に記載
保護者会に男性の参加が少ないため、私立保育園が父親のサポート・グループを設置する。
🟥単一性別(Single-sex)のサービスは、以下の場合には合法
男女合同(men and women jointly)でサービスを提供しても効果が薄く、男女別(each sex)にサービスを提供することは合理的に実行できません。

🟥例は説明文に記載
地方自治体が女性専用の家庭内暴力支援ユニットを設置するが、需要が十分でないため男性専用のユニットが無い場合。
🟥単一性別(Single-sex)のサービスは、以下の場合には合法
病院やその他の利用者が、特別なケア、監督、注意を必要とする場所(またはそのような施設の一部)で提供される。

🟥例は説明文に記載
病院内で提供される男女別(Separate male and female)の病棟。

🟥サービス、公的機能および団体に関する法定規約に記載されている例
病院や養護施設における男女別(Single-sex)の病棟、精神保健施設における男女別(single-sex)の施設。
🟥単一性別(Single-sex)のサービスは、以下の場合には合法
複数の人が利用することもあり、女性が男性の存在に異議を唱えることもある場合(その逆も然り)。

🟥例は説明文に記載
デパートで提供される男女別(Separate male and female )の更衣室。

🟥サービス、公的機能および団体に関する法定規約に記載されている例
男女別の更衣室や、個人の親密な健康や衛生に関わるサービス。
🟥単一性別(Single-sex)のサービスは、以下の場合には合法
これらのサービスは、利用者と他の人との間で身体的接触を伴う場合があり、利用者が異性(the opposite sex)である場合、その他の人は合理的に反対できる。

🟥例は説明文に記載
女性のみ(women only )を対象としたマッサージサービスで、女性が男性(man)をマッサージするのは気が引けるため、女性(a female )のマッサージセラピストが顧客の自宅で営業する場合。

🟥サービス、公的機能および団体に関する法定規約に記載されている例
柔道や護身術など、身体的接触の多いスポーツ集団。
📍プライバシー、身体的接触、親密なケアに関する例は、女性が生物学的男性の存在を望まない理由として明確に認められている。しかし、女性専用の空間やサービスからの排除は、トランスジェンダーではない男性に比べて、トランスジェンダーを自認する男性に大きな悪影響を及ぼす可能性がある。このため、トランスジェンダーでない男性だけでなく、トランスジェンダーの男性を排除することを正当化するためには、サービスやスペースを利用する女性への悪影響が、それ相応に大きいことを示す必要がある。


🟥EHRCのサービス、公的機能、団体のための規定にはこうある。

13.57:サービス提供者が女性と男性のために単独または、それぞれの性別のサービス(single- or separate sex services)を提供する場合、または女性と男性に異なるサービスを提供する場合、性転換者(transsexual)の人々を彼らが提示する社会的性別役割(gender role)に従って扱うべきである。しかし、本法は、サービス提供者が、再割当て性別(gender reassignment)を受認しようとしている人、受認している人、または受認したことのある人に対して、別種のサービスの提供、及び、サービスからの除外を認めている。これは、排除が正当な目的を達成するための適切な手段である場合にのみ、合法である。

例を挙げると:
ある衣料品店では、男性客と女性客が別々の更衣室で試着できるようになっている。この店は、独立した更衣室を用意することで、すべての利用者のプライバシーと品位が保証されるため、トランスセクシャル女性を女性用更衣室から排除することは適切ではなく、また必要ではないと結論づけている。


13.58:その意図は、性転換者(transsexual person)がその必要性に最も合った方法で扱われることを保証することである。サービス提供者は、性転換の人々(transsexual people)が、他の方法ではその性別(sex)の人々にしか提供されない、 生まれたときの性別(birth sex)に関連するサービスを利用する必要性を認識する必要がある。例えば、性転換者の男性(a transsexual man)は、乳がん検診や婦人科のサービスを受ける必要がある。すべての利用者のプライバシーを守るために、サービス提供者は、性転換者のサービス利用者が公的支援を利用できるようにするための最善の方法について、性転換者(transsexual)のサービス利用者との話し合いが推奨される。

13.59:サービス提供者は、性転換者(transsexual)が視覚的にも実用的にも同じ性別の非性転換者と区別がつかない場合、それに反する強い理由がない限り、通常は後天的な性別に従って取り扱われるべきであることを認識すべきである。

13.60:差別禁止の例外(exception to the prohibition of discrimination )は、可能な限り制限的に適用されなければならず、性転換者(transsexual )へのサー ビス提供の拒否は、例外的な状況においてのみ発生するべきである。サービス提供者は、性転換した利用者へのサービス提供に関する方針を持つことができるが、性転換者の排除が個々の状況に該当しているかどうかを判断するために、ケースバイケースでこの方針を適用しなければならない。サービス提供者は、サービスに対する性転換者の需要性、およびアクセスを拒否された場合の性転換者への不利益と、他のサービス利用者の需要性および性転換者がサービスを利用した場合の不利益とのバランスを取る必要がある。これを行うためには、サービス利用者との話し合いが必要となることが多い(性転換者のサービス利用者の秘密は守られる)。無知や偏見に基づいた決定を避けるために、それぞれのケースで注意を払う必要がある。また、提供者は、目的を達成するために、より差別的でない方法が利用できなかったことを示す必要がある。

📍この法令は、女性専用のスペースやサービスへのアクセスを許可するかどうかを決定する際に、その人の生物学的性別よりも性自認(gender identity )を優先することがデフォルトの立場であることを示している。興味深いのは、トランスジェンダー(a transgender)の人がどれだけ「パス」したかも考慮されるべきだということ。これは、女性が生物学的な男性の存在に気づかなければ、女性への心理的な悪影響を抑えることができるからだと思われる。しかし、これは、生物学的な男性が存在する場合、女性の身体的リスクが高まり、女性がその存在に気づかない場合はさらに高まることを認めていない。また、このガイダンスでは、トランスジェンダー(transgender)の人々を排除する方針は、個々の状況を考慮してケースバイケースで検討すべきだとしている。これは明らかに、すべての場合において現実的ではないだろう。

🟥単一の特徴を持つ人々の協会(団体/組合;associations)

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*第101条および第102条では、協会の会員およびゲストについて言及している。

🟥EA2010説明書によると

345: 協会/組合とは、25人以上の会員を有する団体で、会員になることが規則で管理され、個人的な基準に基づく真の選択プロセスを伴うものと定義している。

例:
友人グループが運営する読書会で、入会を管理する正式な規則がないものや、会員数が 25 名未満のものは、本編の目的上、協会ではなく、平等法の対象とはならない。

329:協会による、既存の会員、会員候補、組合員への差別、嫌がらせ、迫害は、違法である。これは、保護された特性を理由に、団体が会員候補者の入会を拒否したり、より不利な条件で入会を認めたりすることができないことを意味する。しかし、保護された特性を共有する人々に会員資格を制限することを妨げるものではない。

📍女性だけの団体(Women-only associations)やクラブは、平等法の下で合法であり、同性の人(the same sex)だけに会員資格を限定できる。つまり、生物学的には男性であるが、法的には女性であると認識している人は、会員になることができない。法的地位が女性(legal status is female)である(ジェンダー承認証明書を取得した)トランス自認の男性が、保護される特性である「性別」を生物学的な女性と共有しているかどうかは明らかではない。

🟥女性だけの候補者リスト(政党の場合は特別規定)

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🟥EA2010説明書によると

335:本項では、登録政党が、選挙団体における特定の保護された特性を持つ人々の割合が低い場合に、立候補者の選出に関する取り決めを行うことを認める。

336:これらの取り決めには、被選挙人の男女別候補者リストを含めることができるが、他の保護された特性を持つ人々に限定した候補者リストは含まれない。男女別の候補者リスト(single-sex shortlists)を除き、本項に基づいて行われる取り決めは、代表者の人数不足を解消するための適切な手段でなければならない。

337:本規定は、議会、地方自治体、欧州議会、スコットランド議会、ウェールズ国民議会の選挙に関連する候補者の選定に適用される。

例を挙げると:
・ある政党は、その政党の国会議員に女性が十分に含まれていない場合、特定の選挙区を代表する被選挙人の候補者リストを女性限定(a women-only)にできる。

・ある政党は、地方自治体の補欠選挙において、黒人やアジア人の候補者のみを選出できない。しかし、ある政党が選出した特定の議会の議員の中でアジア人の割合が低い場合、政党は補欠選挙の候補者としてアジア人のために特定の数の議席を確保できる。
📍平等法(The Equality Act)では、政党が代表権の不足に対処するために、女性のみを対象とした候補者リストを使用できることを明確に定めている。これは、女性が性別(sex)という共通の保護特性を持っていることに基づいている。性自認が女性(a female gender identity)であっても、GRC(ジェンダー承認証明書)を持たないトランス自認の男性(A trans-identifying male)は、法的には男性(legally male)であり、女性性という保護特性を有していない。GRC(ジェンダー承認証明書)によって女性の法的地位を得ることで、対象者となることができるかどうかは不明である。この法律では、他の代表性の低いグループ(例えば再割当て性別という保護特性を持つトランスジェンダー(transgender)の人々)についても、積極的な区分け(discrimination)によって対処する方法が説明されているが、これは候補者リストに場所を確保することによってのみ可能。
女性限定の立候補者リスト(all women shortlist )は、保護特性である女性性(the female sex)を有する人々のみに政治家立候補者を限定することを合法的に行う法律であり、独自な位置づけにある。政党ではない団体が、あるグループのみに選考を限定することを合法化するものではなく、政党が選挙立候補者の選考以外の目的で女性限定の立候補者リスト(all women shortlist )を使用することを認めるものではない。トランス・アイデンティティを持つ男性(GRCなし)を女性限定の立候補者リストに加えることは、性別という共通の特徴を持つ人々の選抜を制限しない、と言い張られるかもしれない。そのようなわけで、非トランスセクシュアル男性にも選択を認めないと、差別になる可能性がある。


公共部門の平等義務とは?

すべての企業、団体、組織は、英国の平等法を遵守し、差別的な行為を避ける必要がある。しかし、公共部門は法律を遵守するだけでなく、平等を積極的に推進する法的義務を負っている。

公共機関は、その機能を行使する際に、以下の必要性を十分に考慮しなければならない。

(a) 排除:差別、ハラスメント、迫害、および本法令で禁止されているその他の行為を排除する。

(b) 機械均等の促進:関連する保護特性を共有する人と共有しない人との間に機会の平等を促進する。これは、保護特性によって人々が被る不利益を積極的に除去または最小化することを意味する。保護特性を持つ人々の需要性が他の人々の需要性と異なる場合に、その需要性を満たすための措置を講じること。保護されている集団の人々が、公共の生活やその他の活動への参加が不均衡に低い場合に、その参加を奨励すること。

(c) 良好な関係:保護特性を共有する人と、共有しない人との間の良好な関係を育むこと。これには、特に、偏見に対処し、理解を促進する必要性を十分に考慮することが含まれる。例えば、公的機関が、トランスセクシャルの職員とそうでない職員の間に良好な関係を育むことを目的として、職員に教育や指標を提供する。


🟥
PSEDに関する技術的なガイダンスがEHRCから発表されており、主な検討事項を以下の表にまとめた:

・影響を受けるすべてのグループへの悪影響を評価しなければならない:この義務は、政策が採用される前に、異なる保護特性を持つ人々への決定の潜在的な影響が常に考慮され、最小化されることを意味する。平等の観点から考慮すべきグループが複数ある場合は、影響を受けるすべてのグループに適切な配慮を適用する必要がある。これは必須の関連事項であり、関連する情報を収集するための手段を講じる必要性を考慮することになる。
・証拠に基づいた判断:一般義務(the general duty)を効果的に遵守するためには、厳密に理解・分析された、適切かつ正確な平等性の証拠が根底にある。これがなければ、義務の対象となる組織は、その目的を十分に考慮することができない(または、考慮していることを証明できない)だろう。
・影響の証拠を得るためには、出資者を巻き込む必要がある:雇用契約から得られる情報や洞察は、組織がその方針や業務の実際の、あるいは潜在的な影響の理解に役立つ。
・持っていない証拠を入手する義務がある: 関連機関が、関連する問題についての証拠を持っていないという理由で、義務を果たせないと言うことは許されない。適切な配慮をするのに十分な証拠を持っていない場合、時間的余裕があり、これを行うことが妥当であれば、新たなデータ源を自ら収集して証拠を入手する必要がある。また、特定の保護特性を持つ人々との関わりや、外部の情報源を利用して証拠を得ることもできる。
・意思決定プロセスの記録を残すべき: 公的機能を行使する者が、平等義務を実際に検討し、関連する質問を熟考したことを示す正確な記録を残すことは良いことである。適切な記録を残すことは、透明性を高め、関連する職務を遂行する者が良心的に義務を遂行することを規律する。もし記録が残されていなければ、公的機関が義務を果たしたことを裁判所に説得することが難しくなる可能性がある。
・公共機関は、良好な関係の醸成に役立つ評価を公表することができる:どのような記録を残し、どのような情報を公表するかを決定する際、義務の対象となる機関は、情報を公表することが義務の目的を達成するのに役立つかどうかも考慮しなければならない。例えば、決定に至った経緯に関する情報を公開することで、神話を払拭し、第三の平等の目的で求められている良好な関係の醸成に役立つかどうかを検討する必要がある。
📍公共部門の平等義務とは、公共団体が政策や決定を行う際に、変化を受ける可能性のあるすべてのグループへの影響を評価しなければならないことを意味する。この評価は、平等義務を遵守していることを示すことができるよう、証拠に基づいて行われ、文書化されなければならない。証拠が入手できない場合は、それを入手するための手段を講じなければならない。場合によっては、公共団体が影響評価を公表することを選択したり、良好な関係を築くために公表するように説得されることもある。これらの法的義務は、女性への影響を常に考慮しなければならないことを意味し、トランスジェンダー(transgender)の人々の権利を無視したり、切り捨てたりすることはできません。影響評価は、公正でバランスのとれた包括的なものでなければならず、私たちは公的機関に説明責任を果たさなければならない。


今、私にできることは?


EDUCATE→啓発:女性が自分の権利を理解できるように啓発しましょう。この記事を共有し、友人や同僚に話して、女性専用の場所や公的支援(women-only spaces and services)が法律で保護されていることを知ってもらいましょう。女性専用の場所や公的支援からトランス女性を排除するのは違法だと言われたら、それを放置してはいけません。そのような人には、以下の要約ガイドのコピーを渡してください。

CHALLENGE→挑戦:
生物学的な性別ではなく、性自認に基づいて女性専用のサービスやスペースへのアクセスを許可している状況に異議を唱える場合は、サービス提供者や公共団体に異議を唱えてください。女性への悪影響を考慮し、影響を受けるすべての人のニーズとのバランスをとっていることを確認してください。意思決定のプロセスと、その決定の根拠となった証拠を説明してもらいましょう。以下の要約ガイドを印刷して、スタッフに見せましょう。彼らに注目してもらいましょう。彼らを啓蒙してください。これらの法的免責事項を行使するよう主張してください。また、公的機関には万人のための平等を促進する特別な義務があることを忘れないでください。


PROTECT→保護:女性がすでに持っている法律上の規定を保護してください。ジェンダー改革(gender reform)に関する協議の場に、あなたの声を届けましょう。英国政府は、これらの法的保護を撤廃するつもりはないと表明していますので、それを守らせるにしましょう。スコットランドでは議論が続いていますが、スコットランド政府は単一性別の免除措置(single-sex exemptions)を保護すると約束していません。スコットランドの女性も、そうでない女性も、これらを再定義したり、削除したり、弱めようとするいかなる試みにも反対しなければならなりません。


REJECT→拒否:男性が自己申告(self-declaration)だけで法的性別を女性に変更することを可能にする、ジェンダー承認法(the Gender Recognition Act)の改革案を拒否しましょう。ジェンダー承認証明書を取得することで、生物学的には男性であっても、保護特性であるsex(性別)を、生物学的女性との共有が可能と法的に解釈される可能性があります。女性という性別の階級(the female sex class)への無秩序なアクセスが合法化されれば、平等法の下で保護されている性別の特性が何を意味するのかという概念全体が損なわれてしまいます。生物学的な性別が無意味な概念になってしまったら、どうやって生物学的女性の同胞(members of the female sex)を見守り、法的に保護できるというのでしょうか。このような法的不確実性は絶対にあってはならないことなのです。

著者:ニコラ・ウィリアムズ;Fair Play For Women


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